暗闇を乗り越えて vol final
ちょっと(いやだいぶ)長めです!
馬車等で2日ほどかけてカース王国に到着した。
「姉さん、あれですよね?」
「だと思うけど、警備がすごいわね」
私達はカイトが潜っているダンジョンに到着したは良いものの、立ち往生してい
た。どうやら推測はあながち間違っていなかったらしく、カース王国ともの思わ
れる騎士団が警備をしていた。
「…強行突破ね」
「はぁ、そう言うと思ってましたよ…」
「ねえ、ここ通してよ?」
「なっ、アールグランデの…」
「いくらSランク冒険者だとしても、ここを通すわけには…」
「うるさいわね!今ここに私の愛しの弟が囚われてるの!あなた達なんか雑魚に思えるくらいの!」
殺気が漏れ出してますよ姉さん、まあ気持ちは大いにわかりますけど。
「剣を抜けば、我々カース王国との戦争に発展することもあるぞ」
「カイトの為なら国を追われても構わないわ!」
「私もです、強行突破させていただきますよ!」
「「や、やめろー!」」
自分の命が惜しいのだろう、姉さんの殺気に押されて逃げていった。恐らく国王
に報告が行くだろうが、こんな事を公表できないだろう。
「じゃあ行きましょうか、私のカイトの元へ♡」
「いつから姉さんのものになったんですか!?」
**********
「どう?ランクは上がった?」
「ああ、Cランクになったよ。魔力量もかなり上がったし」
「取り敢えずおめでとうございます。私達もDに上がりました」
ここ1週間ほど(日付感覚がないのでだいたい)ずっと経験値稼ぎをしていた。
精神はかなり削られたが、力量はかなり上げられた。あと、関係ないけど
この部屋声響くね。(別になんの声とは言わないけどネ)
「よし、不安要素は残るけどボス部屋に…」
「カイト!」
「兄さん!やっと見つけました」
「セシリア姉さんと、アイリス!?」
「カイト君のところの…」
「お姉さんと妹さんね」
「なんでここに…」
「兄さんの帰りが遅いのでギルドに申し出たんですが、救助を拒否されてしまって…」
「埒が明かないから自分で来たってわけよ。」
「調査依頼に1週間で心配って…」
「ブラコンにも程があるわよねぇ」
「まあそんなことはどうでもよくて」
「どうでもいいんだ…」
「カイト、久しぶりに抱きしめさせて!」
「ズルいです!私も兄さんに甘えたいんですが…」
「アハハ…」
「あんたも苦労してるのね…」
「そういえば、脱出の目処は立ったんですか?」
「ああ、ボス部屋は見つけてある。けど、それ以外の方法は今の所…」
「そのボス部屋も私が見つけたんだけどね」
「…その節はスイマセン」
「兄さんが尻に敷かれてます…」
「私のカイトを虐めないでくれる?」
「尻に敷かれては…否定はできない」
あと殺気がヤバいよ。戦乙女って言われても仕方ないんじゃないかな?
**********
「じゃあ、開けるよ?」
セシリア姉さんとアイリスがいるので、討伐不可の可能性はかなり低くなったと
はいえ、やっぱり怖いよね。
「あれは…」
「兄さん、あれはワイバーンです!Sランクダンジョンのボスモンスターです」
「マジかよ、これはハメられた説が濃厚だな…」
「カイト、直撃したら致命傷になり得るわ。気をつけて」
「了解!」
『ウィンドカッター×10』
最近身につけた魔法の複数生成。使える人はそんなに居ないそうだが、まあ
チートスペックだしね。ちなみに火を起こしながら狩りが出来ないかなと思って
特訓してた。これにはいくつか制限があって、同じ魔法であれば3個以上生成で
きる(数は魔力量次第)が、異なる魔法は2個までが限界。僕は魔法を使ってる時
間が他の冒険者より短いので、魔道士アビリティの魔力コスパで無理やり成立さ
せてるけど。
「結構殻が硬いな」
相当魔力を込めたので思ったよりダメージは通ってるが、やっぱり減りが浅い。
「カイト!私が殻を破るから、魔法を叩き込んで!シオンさん、悪いけど炎魔法で軽く焼いてくれない?その方が剣が入るから」
「分かりました」
『ファイヤーアロー!』
「ハアァァ!」
雄叫びとともに突っ込んでいくセシリア姉さん。セシリア姉さんの戦闘スタイル
はバスターソードを片手で振り回すというインパクトに満ち溢れた感じだが、こ
れが実際強い。まあできる人ほぼ居ないと思うけど。
『クイック!』
すかさず速度を上げる支援魔法を放つクリス。ホントこういう気遣いには助かっ
ている、アイリスは回復特化の『聖女』だから支援は期待できないし。
『グラあぁァァァ!』
ボスがけたたましく叫ぶ、セシリア姉さんの攻撃で殻には穴が開いている。
「今よ、カイト!」
僕の、全力の…
『ネオ・ウィンドカッター×30』!
撃った瞬間気づいたよ、これ、無茶しすぎたなって…
**********
「ううん…」
「兄さん、起きましたか?」
目が覚めると、僕の眼前にはアイリスの顔。
「膝枕されてるのか…」
「はい、スヤスヤ眠る兄さんは可愛かったですよ?」
「ああ、まあ、ありがとう」
ちょっと熱弁したいんだけど、巨乳の女の子に膝枕されようものなら、当然
おっぱいを下から見上げることになる。これがなんというかまあ、絶景なんだけ
ど、長時間見続けるのは精神衛生上よろしくないからね。
「うぅ、私の方が大きいのに…」
「あなたが大きいすぎるのよ…」
どうやらここでもひと悶着あったそうだ。いやー、モテるって辛いね!
あっはい調子乗ってますねすいません…
「ドロップアイテムの分配等はあとにして、取り敢えず地上にでようか」
「そうしましょう、早くカースに一泡吹かせたいし」
これだけの被害を負ったんだ。それなりの罰を課せられるべきだろう?
ということで新たな試みとして始めた長編はこれにて完結とさせて頂きます。
あと5話を長編と言えるのかどうか…
次回以降は1話だけプロローグ的なのを挟んで普通の冒険者生活に戻ります。
ちゃんとヒロインとチュッチュする予定なので、お楽しみに!




