暗闇を乗り越えて vol3
まだ続くよ。
「あっ、カイト!」
「…シオン?」
「他の何に見えるのよ」
「どうやってここまで?もしかして近い位置にいたのか?」
「いや、すっごく時間掛かったわ。丸々二日移動してたし」
「えぇ!?大丈夫か?」
「取り敢えずなにか食べるのものない?体力が保たないわ」
「ああ、確かここに…」
丸々2日ってマジかよ、どんだけ広いんだこのダンジョン。
「シオンさん、やりますね…」
「あんたの天下はおしまいよ」
なんかバチバチやり合ってる、ストレスが溜まってるのかな?
「なにはともあれ、合流できてよかったよ」
「それで?脱出方法は見つかったの?」
「いや全然」
「あのねぇ…途中でボス部屋を見つけたわ。ボスを倒して転移魔法陣を起動させれば」
「脱出は可能ですね!」
「あと、途中でシュバルツに合ったわ。調査隊を率いてね」
「え?シュバルツって、あの?」
「ええ、カース王国王子のね」
「おかしいな、これは僕達に出された指名依頼の筈じゃ…」
「これは完全な推測になるんだけど…カースにハメられたかもしれないわ」
「どういうことですか?」
「そうか…それなら納得が行く。ということは、ボスも強いんだろうなぁ」
つまり、シュバルツはシオンをカースに押し込もうとしているのだ。
だとすると、この部屋は僕とクリスを閉じ込めるためにわざわざ仕組まれたとい
うことだ。
「ダンジョンとして成立している以上、ボスを倒せば出れるだろう」
「どうする?ボスの強さにもよるけど、覗くだけ覗いても逃げるなんてできないだろうし」
「そこなんだよなぁ」
ボスを倒せば出れる、ということは、倒せなければ出られないことになる。
調査依頼全般に言えることだが、モンスターの力量が分からないので必要以上の
準備と戦力が必要だ。そもそも普通の調査依頼なら攻略不可と判断した時点で帰
還してもいいんだが、如何せん出れないからな…
要は、状況と戦力が一致していない訳だよ。
「精神面に気を使いつつ、限界まで狩りをしませんか?」
「そうだな、イチかバチかで挑んで負けたら、洒落にならん」
精神と体力をすり減らしながらの、経験値稼ぎが始まった…
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一方その頃アールグランデ姉妹は…
「結局どこも取り合ってくれませんでしたね」
「まあ普通なら異常でもなんでも無いからね。けど、カイトは普通じゃないの!」
「その通りです!兄さんは何らかの異常事態に巻き込まれていると考えられます」
「ねえ、潜ったダンジョンは聞いてる?」
「まさか、姉さん…」
「ええ、助けるのよ。姉として、妹として、そして…」
「「妻として!!」」
「どうせあの王女様とやらも居るんでしょうけどね」
「カイトの横に立つには相応しくないって罪で、婚約破棄できないかしら…」
このときの二人は気づいていない、カイトはまだ、婚約すらしていないことを…
視点があっちこっち…




