初仕事 vol2
ちょっと長め
ゴゴゴゴゴ…
「なんだ?」
ダンジョンが揺れている。
「カイト、これは噂の『変異種』じゃないの?」
「変異種か…ボスのリポップはこんなにならないし」
変異種。ダンジョンがモンスターを生み出す際、稀により強いモンスターが生ま
れることがある。これがあるから、低級ダンジョンでも死ぬ可能性が十分にある
のだ。
「さあ、何が来る…」
出てきたのは、ゴーレムだ。
「よかった。ドラゴンとかこなくて」
「不謹慎なこと言わないでよ…」
「さっさと倒して帰るか」
『ウィンドカッター』
『ファイヤーランス!』
『クイック』
魔法を叩き込む。戦闘経験はないが、これだけ喰らえばゴーレムなら1撃だろ。
そう思っていたのだが…
「…死なない?」
「というか、魔法が効いていないわね」
「カイト君、あのゴーレムオリハルコン」
「本当か!?」
オリハルコンはこの世界における最上級の金属だ。魔法をほぼ無効化し、かつ軽い。高い防具などには使われてるらしいが、実物を見るのは初めてだな。
ただ、そんなことよりも…
「なんでダンジョンにいるんだ?」
そう、ゴーレムも自然沸きするが、オリハルコン製のゴーレムは沸かない。
つまり、何者かが変異種に見せかけてこちらに仕向けたということだ。
「誰かは仕向けたかはわからないが、倒さないと話にならない。クリス、コスパガン無視でネオ魔法使うから魔力譲渡も考えておいてくれ」
「わかったよ…」
何をこんなに渋っているのかというと、魔力譲渡は『口づけ』しないと出来ない
のだ。魔力吸収などに使う『アブソーブ』を応用しているからなのか、この制約
をなくそうと躍起になっている研究者もいるんだとか。
いくら命に関わることとはいえ、やっぱり嫌だろうな。
これが男同士だと考えると…知りたくないな。
『ネオ・ウィンドカッター』
『ネオ・ファイヤーランス!』
シオンも魔法を放つ。見たところ、思ったより削れているみたいだが、討伐には
至らない。
『ネオ・ウィンドカッター、ネオ・ウィンドカッター』
ヤバい。もう魔力が…魔力Sでこれか。
「クリス!」
『アブソーブ!』
「し、失礼します!んっ…」
魔力が体に入ってくる。
「譲渡効率も桁違いだな。ありがとう」
「はい…」
しばらくはそっとしておこう…
「シオン!一気に叩き込むぞ」
「了解!」
『ネオ・ウィンドカッター』
『ファイヤーランス!』
渾身の魔法が放たれる。
「やった!?」
「それ、やってないフラグ…」
「やったわ!やったのよ!」
よかった、回収する羽目にならなくて…
「オリハルコンがドロップしてるな。これは金になりそうね」
「ああ、取り敢えず冒険者ギルドに帰ろうか」
クエストの発注元はギルドだからな。
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「ほ、本当に倒したんですか!?」
職員が驚くのも無理はない。だってオリハルコンだし。
「恐らく誰かが設置したものだと思うんですが、これってどうなりますか?」
「ええ、ダンジョン内への設置は犯罪です。受け取ってもらって構いません」
マジか。初っ端からホクホクだよ。
おさいもはもうちょっと待ってくだせえ




