#12『紅のバケツ』
誤字脱字が多いと思いますご了承下さい。
「さて、何体狩れるか楽しみだ。ハっハっハ」
「20は行けるかしら、居ればの話だけど。」
この夫婦・・・逃げる気あるのか?
クライス夫婦の家に隠れてさせてもらっていたのだが、ネイヴの襲撃により家から脱出、表通りは逃げる人でごった返しているため進める状態ではない、なのでネイヴと出会い頭になるのを承知で路地を通って逃げることにした。
先頭にカルヴィン、次にミラ、メルナ、アール、木崎の順で進む。
「う~ん、いないわね。」
「もう少し進めばいるかもな。」
クライス夫婦が獲物が現れないことに不満を漏らす。
この夫婦、やはり逃げる気はなどサラサラなくネイヴを狩ることを目的に家を出たのかもしれない。
木崎としてはこのまま何事もなくマミヤまでたどり着きたいのだが・・・状況的にクライス夫婦の思い通りになるだろう。
-ガルルル-
どこからか肉食獣の唸り声のような声が聞こえる。
「上ッ」
屋根の上にいたネイヴがはカルヴィンに飛びかかろうと跳躍を開始していた。
-ダンッ-ダンッ-ダンッ-
カルヴィンが60代とは思えない反射神経でM16を構えてネイヴに発砲する。
ネイヴは黒い霧になる。
-ドカッ-バリンッ-
-ガタッ-
その直後、両脇の建物の窓から犬のような形のネイヴが飛び出してくる。
-マズい-
そう思った瞬間、ミラが片手に気砲もう片手にナイフを持って、カルヴィンを押しのけるように前に出ると、身体を捻りながら両脇から襲いかかるネイヴを仕留める。
「おお、流石私の妻だ。」
「いいえ、この程度のこと首狩り兎なら誰でも出来ますよ。ふふっ」
ミラはナイフを仕舞いながら言う。
この夫婦、ネイヴ以上に化け物である。
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その後何度かネイヴに襲われたものの、全て化け物殺し夫婦が倒して難なくアルメリア港まで逃げ切った。その間、木崎とアールは2人の完璧すぎる立ち回りに何も出来なかった。「・・・何か俺らいらなくね?」と、何度も思った程だ。
マミヤはここへ逃げ込んだ時より損傷が激しくなっていた。
船の上では街から避難してきた人でごった返し、船員達が慌ただしく動き回っている。
「船長、今どういう状況ですか?」
「街から逃げてきた人や負傷者の手当てで手一杯だ。」
それだけいうと船長は何処かへ走っていった。
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木崎は血を吸った布と赤色に染まった水が入ったバケツを両手に持って甲板へ向かっていた。水を捨てて新しい水を汲みに行く。もう何往復も繰り返していた。
「これしか出来ることは無いのか?」と、無力感が滲み出る。
「キザキ、エレナ見なかった?」
バケツの水を捨てていると、後ろからラルゴに話し掛けられる。
「いや、見てない、いないのか?」
「多分、船の何処かにいると思うけど・・・」
「分かった、見かけたら声掛けとくよ。」
「ありがとう・・・」
ラルゴが心配そうな声で言う。
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「エレナ見かけませんでしたか?」
木崎は水の入ったバケツを渡しながら、負傷者の手当てに当たっていた船長の妻、ユエに聞く。
「いいえ、見てません。保育室にいるのでは?」
「はい、ありがとうございます。」
水を捨てに行くついでに保育室へよっていくことにした。
保育室のドアを開けて部屋に入とエレナではなく、カルヴィンの妻、ミラさんがいた。
「エレ・・・保育係の女性見かけませんでしたか?」
「さあ、見てないわ、この子たちの面倒見る人が今居ないからって頼まれたのよ。」
「カルヴィンさんは?」
「夫なら1人で家に武器を取りに行ったわ。」
「1人で!?大丈夫なんですか?」
「まぁ、大丈夫でしょう、それより誰か捜していたんじゃ・・・」
「エレナ先生、買い物に行って帰って来ないの・・・」
近寄ってきた6歳ぐらいの男の子が言う。
「マジか・・・ありがとう、捜してくるよ」
その男の子を不安にさせないようにできるだけ笑顔で返す。これもエレナに教えてもらった子供と接する時のテクニックである。
まだ帰ってないと決まった訳ではない、取り敢えずラルゴに伝えよう。
このことを伝えるためラルゴを探す、今気づいたがバケツを保育室の前に忘れてきてしまった。
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ラルゴは甲板でバケツの水を捨てていた。
「おい、ラルゴ。」
「エレナ見つかったか?」
「いや、でも保育室の男の子が言うには買い物に行ってから帰ってきてないらしい。」
「じゃあ、・・・まだ街に・・・」
船の後方にあるタラップへ行こうとするラルゴの腕を掴んで止める。
「まだ帰ってきていないとは限らない。船の中にいるかも」
「あんだけ捜し回って見つからないのに船の中にいると思う?」
苛立ってしているようだ、無理もない、だが一人で捜しにいくのは危険。ただの蛮勇である。
「まだ捜してない所があ・・・」
「床下収納に隠れてるとか言うの?あんたにとっては数日間一緒に働い人ってだけかも知んないけど私にとっては大事な妹なの!!分かる!?」
言葉を遮って睨みながら言うとラルゴは木崎の手を振りほどいてタラップの方へ走っていく。
「ラルゴ、待てッ」
木崎も追いかけようと踏み出すが、、、
「キザキ、待て。」
後ろから声がする、アールだ。
「何だ?早く追いかけないと。」
「ちょと話を聞いてたが危ないだろ、もっと考えてから・・・」
やり取りの一部始終を見ていたらしい、「なら、ボサッと見てないで止めてくれよ。」と言いたいが何とか押さえ込む。
「考えている間に喰われちまう!」
自分でも何でここまで熱くなっているのか分からない。
「落ち着け、stayだstay。」
何かイラッとする言い方だ。
「何だ?早く言え。」
「取り敢えずこれ持ってけ、念話石だ」
そう言ってアールはペンダントのような物を木崎に渡す。
「なんだそれ。」
「仕組みは知らんが、離れてても会話が出来る、行きたいならさっさと行け。」
「無線みたいな物か・・・ありがとう。」
木崎は感謝の念と「stay」とか言ってないでさっさと渡して欲しかった。という思いを半分づつ抱き、AK47とグロツク17を持ってタラップを降りる。
次回、乞うご期待。




