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S,11『クライス夫婦。』

誤字脱字が多いと思いますご了承下さい


 「動くな。」


横から銃口を突きつけられる。


気付かなかった。全く気配がなかった。


木崎はゆっくりとグロック地面にを置く。


「おや、人間だったか。」


見ると銃をもった60歳ぐらいの老爺がいた。背ピンと伸びており、まだまだ元気な印象である。


「おーい、大丈夫か?」


アールが少女を背負って遅れてくる。 


「お前、この子背負って走ってんのに先いくなよ・・・」


アールが息を切らしながら言う。


「おじいちゃん。」


アールの背中から飛び降りた少女がしが老爺に駆け寄る。


「メルナ、大丈夫だったかい?」


少女の名前はメルナと言うらしい。


「この人達が助けてくれた。」


「そうだったか、お前さんがた、ありがとう。」

 

老爺は木崎とアールを見て礼を言った。


「いいえ、それより少し隠れさせてもらえませんか?」


わしは構わん、ミラ、いいか?」


「ええ、私は構いませんよ。」


奥から、うさぎの耳持った老婆が出てきた。だが、老爺と同じく、背は伸びていて衰えは感じない。


「おばあちゃん。」


「大丈夫?怪我はない?」


メルナがうなずく。


「それより、早く入りたまえ。」


「ありがとうございます。」


木崎とアールは老夫婦の家の中へ入る。


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「さっきは銃を向けてすまなかった、それと孫を助けてくれてありがとう。」


「いえ、通りかかっただけです。」


ちょっとヒーローっぽいことを言ってみる。


「あいつを仕留めたのは俺だけどな。」


アールが横から空気を読まないことを言ってくるが、スルーして話す。


「儂は、カルヴィン・クライスだ。」


「僕は、木崎耕助です。それとコイツはアール・シュタイナー。」


「えっと、逃げないんですか?」


「今逃げたら、もみくちゃにされるのは火を見るより明らかだ。」


確かに、あのパニック状態ではいつ人間ドミノになってもおかしくない。


取り敢えずこの人達の家でパニック状態が緩和去れるまで隠れさせてもらうことにした。マミヤの船員達の殆どは今船の中にいるので大丈夫だろう。むしろ街をぶらついている自分たちの方が危険なわけで。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


「ところで、アンタ日本人か?」


「えっ」


カルヴィンの言葉につい間抜けな声が出てしまう。


「何で知ってるんですか?」


「お前さんが喋っているのは日本語だろう?」


石の力で言葉が翻訳されていたことを今思い出す。


「実は、儂も地球から飛ばされてきた。まぁ、この世界が異星なのか地球の過去なのか未来なのか、はたまた全く関係ないパラレルワールドなのか分からんがな。」


「あなたは、なぜこっちへ来たんですか?」


つい聞いてしまったが聞いて良かったのかと、少し後悔する。


「儂は、ベトナムで乗っていたヘリが撃墜されて、気づいたらヘリの残骸と一緒にこっちの世界に来ていた。」


カルヴィンは、手に持っていた木製銃床ウッドストックのM16A1突撃小銃アサルトライフルを見ながら話し出す。


カルヴィン・クライス、ベトナム戦争で派兵された兵士で、ヘリ・ボーン作戦中に乗っていたUH-1汎用ヘリコプターがロケット弾の直撃を受けて墜落、どういう訳かヘリの残骸と積んでいた銃、弾薬と一緒にこっちの世界に来ていたらしい。

そしてその時助けてくれたのが妻のミラで、今は雑貨屋を営んでいるそうだ。

ちなみにM16のストックとハンドガードが木製なのは、壊れたのでミラに木彫りで作って貰ったらしい。


「ま、儂が此処に居る理由はこんな感じか。」


「懐かしいですね。確かアナタは最初は私のストーカーでしたね。ふふっ」


守護者ガーディアンの間違いだろう。」


「はいはい。」


ミラがコロコロと笑う。


守護者ストーカーの文字にこれ以上、過去を聞くのが躊躇われる。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


この家に入ってから一時間半ほど経ったが、パニックは収まらず街は更に騒がしくなっていた。


「人型ネイヴが街を破壊して廻っているそうだ。」


カルヴィンが何やら金属の箱のような機械を操作しながら言う。


「何ですかそれ。」


「モールス信号だ、多分地球から来た他のヤツが作ったんだろう。」


カルヴィンは木崎の疑問を先回りして答える。


この世界の科学レベルは江戸の終わりから明治の始めぐらいだ、モールス信号程度の物なら大量生産できてもおかしくないのかもしれないと、木崎は納得する。


「それで、街を破壊しているって・・・」


「西の方で落ちてきた人型が家の中まで入って来て隠れている人を襲っているそうだ。」


これまで何度か襲撃にあっているアルメリアだが、今回はかなり大規模な被害が出ている。


「もう、そこまで来てたりして、ハハハハ」


アールが笑いながらフラグになるような事を言う。


「おい、止めろ本当に来たらどうすんだよ。」


フラグを信じる訳ではないが、コイツの言うことは悪いことに限って現実になるのでやめてほしい。


-バリンッ-


アールの三メートルほど後ろの窓ガラスが粉々になって吹き飛ぶ。


窓の近くにいたメルナにガラスの破片とネイヴが襲いかかる。


木崎は手に持っていたグロックを向け、引き金を引く。


「パンッ」と、いう乾いた音と共にネイヴは霧のようになる。


メルナはガラスの破片を被って新たに傷を付けてしまったようだが、命に別状はないようだ。


「二度とフラグになるようなことは言うな。」


木崎はアールの肩を掴み低い声で言う。


「あ、あ、はい、何か分からないけど、すんません。」


アールは震えながら返事をする、よほど怖い顔をしていたようだ。


クライス夫婦は急いで孫の手当てに当たる。


メルナの応急措置が終わるとカルヴィンは部屋のクローゼットから何かを取り出した。


「敵の攻撃があった以上、此処に居続けるのは危険だ、港へ逃げる、そこなら船でいくらでも逃げようがあるからな。」


「分かりました。」


ここは経験豊富なクライス夫婦に任せることにした。


「AK47だベトナムで鹵獲した物だ、10年ぐらいメンテしてないが、まぁ、使えるだろう。」


そう言ってクローゼットから取り出さした銃を木崎に渡す。


AK47は旧ソ連製のアサルトライフルで、7.62ミリ弾を使うため反動が大きく命中精度は他の物に劣るものの信頼性は飛び抜けて高く、『死んだ牛の腹の中に隠されていたのに、腐った内臓を払いのけると普通に発砲できた。』という逸話があるほどだ。


更に部品の数が少なく生産も容易なことからコピー品が大量に存在し、『小さな大量破壊兵器』と呼ばれるほどの数が出回っている。


「えっと、これは?」


「ハンドガン一つでは寂しいだろう、貸してやる。」


クライスはそう言って何故かとても生き生きした表情で言う、ミラも鼻歌を歌いながら、気砲に弾を込めている。


「さて、何体狩れるか楽しみだ。ハっハっハ」


「20は行けるかしら、居ればの話だけど。」


この夫婦・・・逃げる気あるのか?


正直、不安だ。
































次回から本格的な戦闘です。多分・・・

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