第三部隊長と密偵官
最初は密偵官側の視点となります
「———というわけで貴様には敵国の潜入をしてもらう」
「どういう話の流れでワイがいくことになったっちゅうんですか」
ワイが折角自室で最新ゲームで遊んでたっちゅうのに‥‥‥
「上層部との話し合いで先程決まってな お前が向こうの言葉一番上手だろう、それが理由だ 最近こちら側に負けが続いて切羽詰まってるからな」
「ワイ自分が言うのもなんですけどこの訛りキツいでっせ?多分あちらさんもすぐ気づいてしまうんちゃうやろうか?」
「まあバレても問題なからろう、バレたならすぐに迎えをやるからな 特別報酬もだそう」
「そうは言ってもやなぁ」
‥‥‥でも特別報酬かぁ。 結構ええなぁ。 結局見つからんかったらええだけの話やもんな。
ヤバそうやったらすぐズラかればええか———
◇
「バレてもうたわ」
「怪しいと思ったんだよ 珍しくうちの部隊でノックの返事を待ってたからな」
とりあえず縄でぐるぐるまきにして軽く尋問してみたがまさか本当に密偵官だとはな。
それにしても怪しいなコイツ。 糸目に西方訛りってどんな裏切り者だ?
なんか荷物も大量に持ってるし‥‥‥
「ああ、ワイのゲーム機がー」
「あ?ゲーム機?」
「ん?こちらさんにはゲーム機は無いんではっか?」
「お?何々見せてー」
小隊長‥‥‥幾ら扉が開いてて珍しい物があるからってノックもせずに入ってきやがって‥‥‥
まあこいつらで密偵官をとっ捕まえれたんだがな‥‥‥
「うーん 液晶、センサー、メモリ‥‥‥特に危ないね 毒や爆発の危険性は無いと思うよー」
一通りみて軽くメモした小隊長は興味をなくしたのか手をヒラヒラ振って帰っていった。
そうか、爆弾の可能性もあったか。 まあこの世で自爆特攻を進んでするような奴は一人ぐらいしかいないからな。 とりあえずこれは没収するとして‥‥‥
「コイツはどうしてやろうか?」
「ワイを消してもいいことありまへんで」
うーん、しかしそのまま帰すのは何か癪に障るな‥‥‥
———よし、決めた。
「お前、帰りたいか?」
「この状態で帰りたいと思わへん奴は居ないと思いまっせ」
「条件を出そう うちにはアホ本官って言うアホが居るんだが、今日一日そいつと一緒に行動しろ 就業時間まで過ごしたら解放してやる」
「そんな簡単なことでええんですか?」
「ああ、そんな簡単なことでいいんだぞ———」
◇
「———よく無事に帰ってきたな」
「もう二度と行きとないですわ」




