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locker  作者: いつわ
三章
21/77

第二十一話    神田家

投稿かなり遅れました。すみません。

試験も終わり、余裕ができたかと思いきや来週に二つも試験があって大変ですが3、4日ペースで書いていこうとは思っています。

夏休みはたくさん書く予定です。

 俺達はプールから上がって少し歩いたところにあるフードコートで昼食をとっていた。

 目の前にはあのとき夢の中で見た、lockerが出現していたプールがある。

 長さは50Mくらいで幅はだいたい20M。ここにはいろんな種類のプールがあるけど、中でもこれは小さい方だ。


「硬大くんと唯果ちゃんは家族でプールに行ったことってありますか?」

 会話の途中で叶未がそんなことを聞いてきた。

「ないな。だからこうやってみんなでプールに行って遊ぶのは楽しい」

 唯果も、うんうんと頷く。

 こんな機会はなかなかないからな。今日は思いっきり遊ぶか。

「光翼は家族でプールに行ったことあるか?」

 確か家族揃って仲が良いんだっけな。プールくらい何度も行ったことありそうだけど、なんとなく聞いてみる。

「……」

 返事がなかった。


 光翼は聞こえていなかったのか黙々とご飯を食べている。

 隣に座っているから聞こえていないはずがないのだが。

「おーい、こうす――――」

 ガタッ

 突然光翼が立ち上がった。

「ごめん、ちょっとトイレに行ってくる」

 なぜか光翼は元気がなかった。

 みんなもそれに気付いたみたいで、トイレに向かって歩いていく光翼を見ていた。













 小さい頃はお父さんとお母さんとよくプールに行った。

 このプールにも何度か来たことはある。

 そんなにすごくはないが、俺んとこは少しだけ金持ちだったらしい。

 家族みんな仲が良かったからか週末の日曜日にはいつも三人でどこかへ出掛けてた。

 親のことが大嫌い、という人は多いけど俺は逆に大好きだった。


 高校に入学してから一人暮らしを始めた。

 お母さんが、

「今のうちに一人暮らししておいた方がいいよ。今時家事ができない男と結婚する女の人なんて滅多にいないからね」

 と、いつも言っていたからだ。


 親が住んでいるところは近かったからちょくちょく顔を出していた。

 今度また三人でどこか行こうね、という話も何度もした。何度もそう約束した。



 ……なのに、


 二人とも死んでしまった。

 五部に殺されていた。


 俺にはもう家族はいない。

 家族三人で出掛けることも、もうできない。


 そのことを思い出しただけで涙が出てくる。


 俺は、


 …………大切な家族がいなくなった世界で生きていて意味はあるのだろうか。











 ご飯を食べた後、みんなでひたすら遊んだ。

 光翼もさっきとは違って元気になり、一緒にいろんな種類のプールに行って遊んで笑いあう。



 気付いたら夜になっていた。







 駅に着いたときには辺りは暗くなっていた。

「みなさんさようならです」

 叶未は俺達に手を振って帰っていく。

 そしてなぜか気付かれないように睨む梓。さすがに気になって仕方がない。

 俺は小声で梓に聞いてみる。

「なんでいつも叶未を睨んでるんだよ」

「すごく嫌な感じがする。あまり関わらない方がいい気がするの。女の勘……かな?」

 勘であんなにも睨むのか。女っていう生き物はみんなそうなの?

「梓ちゃーん、早く帰ろ! 家まで送ってこうか? そしてそのまま泊まってってあげようか?」

「光翼ほんと気持ち悪いよ! 嫌い。近寄らないで」

 光翼、段々発言が危なくなってきてないか?

 普通にしていれば、梓に嫌がられるどころか好かれてたかもしれないのにな。

 梓を好きになるのがそんなに怖いのか。キモキャラ演じて嫌われようと必死になって頑張っていた。

 こいつがやっていることはよく分からん。

 

 とりあえず帰ろう。

「唯果、帰るぞ」

「うん。梓先輩! とっても楽しかったですー! また遊びましょう!!」

「またな」

 そう言って俺達は別れた。










 


 光翼は、私を家まで送っている途中でも気持ち悪かった。

 私以外の子だったら完全に嫌われて避けられるレベル。

 でも私は嫌いにならない。光翼が好きだから。

 なんでかは分からない。普通、幼馴染は恋愛対象にならない場合が多いらしいけど、私は違った。

 それには理由がある。それがなければ絶対に光翼のこと嫌いになってた。

 だって気持ち悪いし。

「ねえ、光翼のお父さんお母さんは今でも元気?」

 それを聞いた途端、光翼は俯いて黙った。

「ん? どうしたの?」

「ううん、なんでもない。元気だぞー」

 光翼はすぐ笑顔に戻った。



 いつの間にか家に着いていた。

「着いたぞ。それじゃ明日学校で。バイバイ」

「う、うん」

 


 家に入り、自分の部屋の扉を開ける。

 さっきの間はなんだったんだろうか。あの様子からして光翼の親が元気ではないことはわかった。

 病気してるのだろうか。もしそうなら何かしてあげたい。

 光翼の親にはよくしてもらっていたからだ。

 今度もう一度聞いてみよう。そう思った。



 

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