第二十話 頭痛
お久しぶりです!
すみません。一週間ぶりで、おせぇよ! と思う方もいると思いますが、日曜日に試験があるので、それが終わってからはどんどん書いていこうと思ってます!!
よろしくお願いします。
プールに来たのは久しぶりだった。楽しいと思うのはそのせいかもしれない。
「うわぁー、助けてー!」
流れるプールで唯果だけが別方向へ流されそうになっていた。
なんか悪者に連れ去られそうになって半泣きでじたばたしている子供のようだった。
「唯果ちゃーん! 今そっちに行くよ!」
叶未がなぜか真剣になって唯果を助けようとしていた。
ドラマのワンシーンみたいで面白いが、二人は必死に助けを求めて、必死になって助けようとしていた。……ただプールに流されているだけなのに。
「おい叶未! 全力でクロールするな! 周りの迷惑になるだろ!!」
バシャバシャバシャ!! とものすごい勢いで唯果の方へと泳いでいく叶未。
もちろん周りからの視線がすごかった。
梓は後ろの方で俺達を見ていた。
ちょっと怖い顔になっているけど。
光翼がいなかった。トイレにでも行ったのか?
とりあえずあいつら放っておいて梓のところへ行こうとした――――
「硬大くん! 唯果ちゃんが!!」
そのとき叶未が叫んだ。
声からしてただ事ではないことがわかる。
周りの人達は、何事かと唯果達の方を見ている。
俺は急いで唯果のところへ行こうとしたが、人が多くてなかなか前に進めなかった。
「ぅううう…………ぁああああああああああああああああああ!?」
絶叫が聞こえた。
はっきりとは分からないが、唯果は頭を押さえていた。
頭痛か? 確か、駅に行く途中でも頭痛がってた気がする。
それにしてもただの頭痛ではないだろう。
唯果達のところまで来た俺は叶未に、何があったのかを聞いた。
「わかりません。でもさっきから唯果ちゃんが」
「うっ……ううぅ……。ネ…………レ……」
相当頭が痛いのか、まともに喋ることができないみたいだ。
「無理に喋るな。今救急車呼んでやる」
「ちが……の」
監視員が見当たらないな。
俺はとりあえず監視員を呼ぼうとプールを出ようとした。
しかし唯果が俺の腕を掴んできて動けない。
見ると、唯果はいつもの表情に戻っていた。
「……ふぅ、もう大丈夫だから人呼ばなくてもいいよー」
なんだ? さっきまであんなに痛がってたのに。
ただの頭痛とは思えない。痛がり方が尋常ではなかったからだ。
俺に何か隠しているのか?
周りにいた野次馬はもういなくなっていた。
みんな何事もなかったかのように笑って、はしゃいで、泳いでいる。
「唯果、お前俺に何か隠――」
言いかけたところで光翼が向こうから泳いできて、
「唯果ちゃん、これって唯果ちゃんのじゃない? 今首にかかってないし」
光翼は持っていた物を唯果に渡した。
ネックレスだった。
唯果は光翼からネックレスを受け取ると、そのまま手を握って縦にブンブン振った。
「ありがとうございます先輩! いやー、命の恩人ですよー」
「大げさだなあ唯果ちゃんは」
光翼はさりげなく唯果の頭に手を置こうとして、唯果に払われる。
嫌いなことには変わりないらしい。
「どこにあったんですか?」
「奥の方だよ。広いから全部まわるのに時間かかったけど」
てことはさっきまでの事は知らないってことか。まあ、知らない方がいいと思う。
向こうから梓と叶未が俺達のところへ来た。
「みんな少し疲れていると思うので、休憩を兼ねてお昼ごはんを食べましょう!」
叶未の言ったことに反対する人はいなかった。
「女王様、どこにあれを置きますか?」
女王様は不機嫌だった。
だからなのか、急にあれを地球に置いてこいと言った。
さらに細かいことを言うと、日本というところらしい。
置く理由を聞くと、ストレス発散だ、と言われた。
いつもそうだった。機嫌が悪くなるとすぐあれを置きたがる。困った女王様だった。
「どこにしよっかなぁ~。あそこっかなぁ~」
なかなか広いところを女王様は選んだ。まあ、私としてはどこでもいいのだが。
女王様は、手に持っている杖を私の方へと向けた。
「頼んだよキルト。できるだけ目立たないようにすること! これ守らなかったらおしおき! 女王様は今機嫌がよろしくないのですぅ~」
むしろ機嫌は良さそうにみえる。
私は女王様に頭を下げ、背を向け地球に向かう。
火星から離れる前に女王様が言った。
「頑張ってねぇ~
――――第二王国部隊さんたち」




