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ゆるふわふぁんたじあ(改訂版)  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画

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85話

「ナナちゃんとコーラルさんがメイド服を来てくれましたので、今後は女性の制服をメイド服とします。男性の方は後で燕尾服を用意しておきますね。

でも、メイド服はちょっと…と忌避感を示す女性はいらっしゃるでしょう。その際は燕尾服でも全然構いませんし、勿論この2つ以外でも。なので、何かありましたら遠慮なく僕達に申し出て下さい。」


凛の燕尾服を出しながらでの説明に、女性達は様々な反応を示す。

ただ、続く「折角だし、普通の刃物なら軽く弾ける位頑丈なものの方が良いかな?」なる呟きに、ニーナ達からギョッとした表情を向けられる場面も。




切っ掛けはどうあれ、難しい表情で防御面を気にする凛の元へ、火燐がやって来た。


「なぁ凛。翡翠達も進化した訳だし、こうやって外に全員が集まってる。だからよ、この機会にオレらの加護を与える…なんてのをやってみるのはどうだ?」


火燐達は進化した際、それぞれが主とする属性の加護付与を獲得。


これにより、個人差はあるが、ほんの少しでも適性があれば彼女達の手によって引き上げる事が可能。

仮令(たとえ)戦闘を行わない生活を送るとしても、今後何かしらで役に立つのではとの考えから来ているらしい。


「…成程。適性はあって困るものじゃないし、身を守る術は多いに越した事はないもんね。それじゃ…美羽は全員に適性があるかどうかを調べて貰える?」


凛は自分が全員分の適性を調べようかとも思ったが、経験を積ませるのに丁度良いと判断。

美羽に同意を求め、「うん、分かった!」との返事が。


「火燐、雫、翡翠、楓は適性がある人に加護付与をお願い。」


「ああ。」


「ん。」


「了ーーー解!」


「分かりました…。」


「僕は違う場所で待っていますので、終わった人からポータルを潜って来て下さい。」


彼女達から同意を得られ、満足した凛がその場を後にする。




凛がいなくなってすぐ、真っ先に美羽のところへ動いたのは篝。

両手を握られる形で10秒程調べた結果、炎に適性がある事が判明。


続けて、火燐の元へ移動。

やや前屈みになるよう言われ、その通りに体勢を変えるや後頭部に手を当てられる。


「終わったぜ。」


10秒程が経ち、その言葉と共に体を起こして良いとの指示が。


「どうだ?多分、今のお前なら中級魔法位は撃てると思うんだが…。」


篝は両手を顔の前に掲げて交互に見やり、ゆっくりと(まぶた)を閉じる。


「…確かに。今なら強い炎が放てそうな気がする。適性が上がるとはこの様な感じなのか…。」


徐に目を開け、掌の上にハンドボール位の大きさの火の玉を生成。

それを握りつぶし、言い放つ彼女に『おお…』との感嘆の声が。


口にした内のほとんどが同じ狐人。

美羽や火燐達は笑顔だったり満足そうに頷き、他の面々は様々な意味で絶句。


「そうか。なら次は凛のトコに行ってやれ。後はあいつがどうにかしてくれるだろ。」


「分かった。」


恐らくポータルの先にいるはずだ…との補足に、篝は(はや)る気持ちを抑えながら屋敷へと向かう。




ポータルを抜けた先。

それは草原でも森の中でもなく、(神界の大部屋みたいに)一面真っ白な部屋だった。

しかし篝は神界を知らない。

ここは?初めて見るがどこだ?と言うか何故白い?等と言葉にし、前方をきょろきょろ見渡す彼女へ届くクスッとの笑い声。


「待ってたよ。やっぱり篝が1番だったか。」


凛だった。

彼は1メートル程右の位置におり、篝は大好きな人物が視界に入った瞬間ぱぁっと花咲く笑顔に。

耳をぴこぴこ、尻尾をぶんぶん振って喜びを露にする。


「当然だ。凛の為ならあたしはどんな場所だって行くぞ。」


「あはは、ありがとう。いきなりで悪いんだけど、ちょっと失礼するね。」


フフンとドヤる彼女の両手を、凛は優しく握る。

いきなりの事にビックリされるも、やった側は既に目を閉じ、何かに埋没している最中。


何に対してかは分からないが、本気になってくれている。

そう考えた篝は彼に釣られ、真面目な顔付きに。


だがそれでも、恥ずかしいものはやはり恥ずかしい。

単純に免疫がないのもあるだろうが、凛の並外れた美貌。

好意を抱く異性に手を握られているとの事実に自ずと顔が赤くなり、焦点が右に左にと定まらずバラバラ。


「…うん、成程。それなら…。」


凛は篝がそんな風になっているとは露知らず、ゾーン状態で独り言ちる。




30秒後、目を開けた凛がゆっくりと手を離した。

篝は言葉こそ発さなかったものの、残念そうな様子を見せる。


「勝手で申し訳ないけど、君とリンクさせて貰ったよ。」


「リンク…とは?」


「目に見えない繋がりみたいなものだと思ってくれれば良いかな。」


「繋がり…。」


「うん。まぁ色々意味はあるんだけど、実際に魔法を使ってみれば分かると思う。」


「…? 分かった。」


篝は不思議がるも、凛の言う事に間違いはない。

嘘を付く必要性もないだろうとの考えから、魔法の準備に入る。


「フレイムスピア!…うぉっ!?」


発動させたのは炎系中級魔法の1つ、フレイムスピア。

先端が尖った棒状の炎を前方へと飛ばし、しかし予想とは全く異なる手応え。


初めて得る感覚に、篝は驚いた表情となるのだった。




1時間後


凛が用意した全面白い部屋(亜空間)

その中に於いて、様々な属性の初級、或いは中級の魔法が壁に向かって放たれる。


これらは篝を始めとした狐人達、ニーナ達、ジェシカ達で、全員が汗だくの状態。

しかし魔法を放つのが楽しくて仕方ないのだろう。

誰も彼もが輝かんばかりの笑顔を浮かべ、1人として止めようとしない。


「おーおー、やっぱこうなったかー。」


辺りを見渡し、やや呆れた表情の火燐が漏らす。


彼女が連れる形でやって来た美羽達やエルマ達。

紅葉達は目を丸くし、しかしすぐに優しい顔付きに。




先程篝がフレイムスピアを発動したとの光景を、部屋に着いたばかりのカリナとナナが目撃。

篝の次に並んだカリナは炎を、その次に並んだナナは炎と水の加護をそれぞれ獲得。

ニーナから一緒に行って欲しいとの事で呼び止められ、手を繋ぎながらやって来た2人。


先に到着を果たした篝。

それとナナは褒めて貰おうと笑みを溢し、カリナは詳細を求める為に各自凛の下へ向かったとの運びだ。


それからしばらく、初級のファイアボールやファイアアロー。

中級のフレイムスピア、フレイムウォール、バースト(小爆発)を楽しそうに正面へ放ち続ける篝。

少し離れた位置でカリナと凛が超効率化等について話を行い、そうこうしている内に加護を受け終えた者達が次々と来訪。


絶えず魔法を放つ篝の姿を直視、からの唖然までが一連の流れとなった。(ただし、元々初級の魔法なら使えていたリーリアやキールは特に驚きもせず訓練に臨んでいる)


と言うのも、(狐人)エルマ(天使)イルマ(悪魔)みたく種族毎での場合も含め、生まれた時点で適性の属性や有無がほぼ決まるからだ。

農作業等の生活環境で得られるケース(後天的要因)もあるが、魔法を放つまでに至れるのはほんの僅か。


だが、火燐達の加護はそれらを無視。

+α込みで上げれる限界まで適性を伸ばす事が可能。

なので、属性の適性が全てに於いて皆無…とかでない限り中級。

最低でも初級魔法の使用が実現。


因みに、篝は今朝まで銅級の魔素量しかなく、ファイアボールを5発撃つのが限界だった。

だが先程、凛が篝の腕を握った時に加護付与や適性がどう上がったのかを調べ、超効率化スキルとアルファを通じて得た魔素(経験値)を贈与。


現在は金級に近い銀級まで魔素量が増加。

魔素や魔法を使う際に用いられる魔力回路の通りが良くなったのに付随し、負担が軽減。

更に超効率化が加わった事で魔力の消費がかなり抑えられ、(ナビが凛に内緒で超効率化スキルに組み込んだ)魔力自動回復スキルの効果も相まって、実質撃ち放題に近いまである。


程なくして、準備を終えたカリナとナナも練習を開始。

立て続けに魔法を放つ彼女らに見惚れ、我に返った者から順番に自分もああなりたいと凛へ殺到。

やがて全員に、『ナビの恩恵』(凛命名)と称した超効率化等を付与。

ナナは鉄級、ニーナ達、ウタル達、サム達は銀級、カリナは魔銀級を越える強さにまで成長した。


大人組が銀級で留まっているのに対し、カリナだけが魔銀級と抜きん出ている理由。

それは、これから人材確保や情報収集を始めとした単独行動が主になるからだ。


彼女へはリンク越しに遠距離移動手段ことポータル、改良を施した空間認識能力や気配遮断と言った、役に立ちそうなスキルを複数与えてある。

凛と一緒に過ごす機会がかなり少なくなったものの、夜に時間を確保するからと一応は納得して貰えた。




合流後、美羽達が軽く微笑むのに対し、水色髪の少女。

雫だけが見るからに落ち込んでいた。


「皆、お疲れ様…雫だけ何か凹んでない?」


それが気になった凛。

彼女達を労いつつ、雫に視線をやる。


「んとねー、雫ちゃんのところに来た人数が少なかったのが原因みたい。」


「えっと、エルマ達や紅葉達も対象だったんだよね?ならそれなりの数になると思うんだけど…。」


「…4人。」


「え?」


「私の元へ来たのは、たったの4人…。」


「それは…ごめん。」


「大丈夫…。」


加護の多い順番として、狐人達が全員来た火燐がダントツでトップ。

次いで、土に良く触るからが理由なのか村人を中心に楓、その次に翡翠、最後に翡翠の半分以下だった雫の順。


火燐が茶々を入れ、彼女以外の面々で雫を宥める事しばし。

映像水晶越しに、ガイウスから連絡が入った。


『いきなりすまんな。』


「いえ、どうされました?」


『そこに火燐はいるか?』


「火燐ですか?近くにいますけど…。」


『ならば話が早い。ジラルド伯爵の娘がこちらに来てな、先程から火燐を出せ出せとうるさいのだ。』


「ジラルド伯爵の娘…確かデイジーさんでしたね。もしかして昨日の件でしょうか。」


『昨日の件…?分からぬが、とにかく早く頼む。』


その言葉を最後に映像が消え、元の透明へと戻るのだった。

真ん中位のところにある全面白い空間の部分ですが、

全面 白い空間ではなく

全 面白い空間と最初見えてしまった件w

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