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ゆるふわふぁんたじあ(改訂版)  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画

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83話

「はー、やっと帰って来…れ……た………。」


そこへ、タイミング悪く(?)疲れた面持ちのジェシカがリビングへ。

彼女の後ろには、少しふくよかな体型で赤い顔をした女性を抱き抱えた暁。

次に旭と(ぼこぼこにされたと思われる)男性5人の順番で立っている。


凛とカリナが手を取り合う風景(シーン)を前に、ジェシカは何か凄いものを見た的な顔で硬直。

男性5人組は美人✕とんでもない美少女との組み合わせに、めちゃくちゃ興奮していた。


「お嬢さん方。俺…いや(わたくし)、本日よりこちらでお世話になる者なのですが、色々とお話を伺っても?」


その中の1人。

如何にも軽薄そうな感じの男性が凛の元へ向かい、やはりキザったらしい言い方で声を掛ける。

凛とカリナ、2人の手を包み込む形で両手を添えて。


「もし宜しければ、貴方方の事も教えて頂け━━━」


ゴッッ


だが言い終えるより早く、前方へと倒れる彼。

後頭部に殴られた形跡があり、すぐ後ろでワナワナと拳を構えるジェシカの姿が。


「馬鹿!ディック、お前が軽いのは分かっちゃいたが、来て早々口説く奴があるか!!この馬鹿!それに、そこにいる小柄な方が代表の凛様!しかも男だ!馬鹿たれ節操なしが!!」


「…は?いやいや、待って下さいよジェシカの姐さん。どう見たって女の子でしょう?」


「確かに凛様は物っっっ凄く可愛い。そこは激しく同意するよ。女であるあたしでも羨ましいと思える位にな。」


これに、大きく頷いて同意を示す美羽達女性陣。

凛が困った笑みを浮かべ、カリナは目をパチクリ。


「けどね、この御方は紛れもなく男性なんだよ。あたしよりも先に住んでる方々全員、それを認めてる。」


「な、ん…だと………。」


男性ことディックは愕然とした表情で崩れ落ち、ウタル達。

ついでに火燐と一緒に来た者達もショックを受けていた。


ジェシカはそんな彼らを放置。

凛の前に立ち、その場で跪いてみせる。


「凛様、あのどうしようもない馬鹿はディック。見ての通り女(たら)しで軽い性格だが…盗賊団にいた時は斥候の役目に就いててね。腕は悪くなかったから連れて来た。」


「斥候か。うちじゃ僕や翡翠が辛うじて出来る位だからなー…あ、風を使えばリーリアも可能か。」


翡翠がへへー♪、リーリアがうふふ…♪と気持ち得意気になる一方。

ある程度予想が付いていたのか、「そんな事だろうと思ったよ」ジェシカが肩を竦める。


「ま、あいつの事は気にしないで、目一杯()き使ってやってくれ。」


「分かった。ディックさんから色々と学ばさせて貰うね。」


凛とジェシカはニヤリと笑い、見られたディックが心身共に震えたのは言うまでもない。




その後、凛はアルファを喚び━━━初めて登場した時と同じ登場の(空間から足が伸び)仕方(るやり方)だった為、大体の者に驚かれたが━━━、美羽達、ウタル、サム、ジェシカ、ニーナ、トーマスで情報交換を行った。


翡翠達は区画から10キロ程離れた場所までの魔物を駆除。

ジェシカは詰所や奴隷商を回り、ディック達を購入。

ただ、何故かイケメンである暁にジェシカを取られたとの勘違いから嫉妬心を燃やされ、彼に戦いを挑むも即返り討ち(瞬殺)等々。


ジェシカは慌てて説明。

しかし視線がチラチラと旭に向いていた事から、今度は旭に矛先が。

そこをふくよかな体型の女性ことコニーが体を張って止め、どうにか収まるも足の置き場が悪かったのか(くじ)いてしまう。

当事者である旭が抱えようか?→ジェシカがダメ!との理由から、消去法で暁に抱えられる形になったとの事。


火燐達が赴き、救出したカリナを始めとしたメンバーで奴隷の購入。

並びに近隣に住む貧しい者達の援助をしてはどうだとの意見を受け、(凛と目が合った)カリナが力強く頷く。


その後凛、サム、ウタルの順番で口を開き、ふと気付けば午後6時を回っていた。

玄はかっくんかっくんと船を漕ぎ、翡翠と楓も眠そうな目付きな事から、続きは夕食と風呂が済んでからとの運びに。

夕食を終え、凛は皆を連れてお風呂に…と思いきや、暁から待ったが掛かる。




小学生時に家族で行った銭湯を最後に、同性との入浴は1度もない。

理由は彼が美少女風の見た目だからで、腰にタオルを巻いた女の子が紛れ込んだのかと男湯で大混乱に。


騒ぎを聞き付けた姉達がバスタオル姿で男湯に乱入。

更に場がカオスとなるのを無視し、(良く分かっていない)凛を回収。

以後、めげずに又行きたいと話す凛を姉達が猛反対、入浴は自宅のみか貸し切りの旅館等だけとなった。


なので、大人数で入るのを密かに楽しみにしていた凛。

だが暁に続き、ニーナ達からも懇切丁寧に説得されては諦めざるを得ず、誰の目から見てもがっかりした様子に。


暁が「申し訳ありません…ですが、これは必要な事なのです」

ニーナは「にしても、本当に私と同世代?1回り位離れたの間違いでは…」と少し離れた位置から呟いたのが印象的だった。


話は戻る。

トーマス、暁、旭の3人が、使い方を説明する形で男性陣と入浴。

彼らが上がり次第、凛が入るとなった。


「はぁ…。」


湯船に浸かりながら溜め息をつき、今までだって諦めなかったんだ。

明日もトライしよう…等と凛が考え始めた矢先、脱衣所の方からドタドタドタ…と足音が聞こえて来た。


「…ん?何だか(脱衣所が)騒がしい様な━━━」


「凛。励ましに来た。」


凛が呟きながら脱衣所の方に視線をやった瞬間バーンと扉が開き、中から雫が現れた。

…真っ裸の状態で。


「雫!?いつも言ってるけどせめてバスタオルを巻いてから入ってくれない!?」


彼の叫びを雫は無視。

堂々とした足運びで進んで行く。


「そうだよ雫ちゃん!!女の子がはしたないよ!?」


「と言うか、自分の服はご自身で畳んで下さい!!」


それから、少し遅れる形でバタバタと美羽や紅葉が乱入。


と言っても、彼女達はしっかりとバスタオルを装着。

雫が脱ぎ散らかした服を畳んだのが遅れた理由らしい。


「…私は凛になら全てを(さら)け出せる。2人にその覚悟はある?」


浴槽の手前にて、全く悪びれた様子を見せない雫が振り返り、自信満々に言い切った。


2人は彼女の貫禄。

自信満々な態度に「う"っ」と固まり、これからどう動くべきかアイコンタクトを送り合う。


「…格好良く言ったつもりなんだろうけど、実はバスタオルを巻くのが面倒ってなだけでしょ。」


ただ、凛だけ。

彼のみが雫の意図を見抜き、苦笑いで1言。


「何故バレたし。でも、曝け出せると言うのは本当。」


「そうなんだ。まぁ、表現を変えれば、それだけ信頼してくれてるって事にはなるのか…ありがとう、雫。」


「ん。分かれば良い。」


「…念の為に聞いておくけど、普段から服を脱ぎ散らかすなんて事はしてないよね?」


「し、してない…と思われる。」


(あ、これは日常的にやってるな。)


しれっと隣にまで雫が近付き、思いっ切り目を逸らされる始末。


「紅葉ちゃん、どうしよう。マスターと雫ちゃんが良い感じになっちゃってる…。」


「私達も(バスタオルを)取るべきでしょうか…。」


仲睦まじい(と見えた)美羽と紅葉がそれぞれポツリ。

その場に腰を落とし、神妙な面持ちでバスタオルに手を伸ばす等の話し合いを始める。


そうこうしている内に動きが。

雫が凛に抱き着き、挑発的な目線を浴槽の外へ。

気付いた2人が「あーーー!」と声を上げ、負けじと凛へピッタリ。

最終的に、凛を引っ張り合う事態にまで発展。

その彼が逃げる様にして浴室から去り、残された側は呆然と入口の方を眺め続けた。




そのまま自室へと逃げ込んだ凛。

疲れを癒すはずが逆に疲れたと、自然と溜め息が漏れる。

しかしすぐに気を取り直し、作業用に設けた机に座って(先日の進化の影響で体の大きさが変化した)旭、月夜、小夜の武具製作に入る。


玄の分も作ろうかと思ったが、実際に見てからとの理由で保留に。


オーガの集落攻略の際、真っ先に。

しかも素早く動く旭の様子から、稲妻みたいだなと凛は考えた。

なので『紫電』と名付けた2振りの小太刀、それと暁の色違いとも言える和服を。


月夜は普段からお姉さん的なポジションで皆に接し、何事にも率先して動くのを(小夜から聞く等で)知っていた。

故に、この先も皆を明るく優しく照らして欲しいと願いを込め、『月影』と名付けた両手槍。

それと、紺色の生地に満月と(すすき)の絵柄を刺繍した和服を。


現在戦闘が出来る者の中で1番幼い小夜(実は、ああ見えて玄の方が少しだけお兄さん)は、最も弱い。

本人もそれを自覚しているらしく、月夜を始めとした先輩達の言う事をしっかり聞いている。


いつか他の者達を守れる位に強くなって欲しい、加えて鬼繋がりも兼ね、2振りの短槍『夜叉』を。

又、月夜のデザイン違いとでも言おうか。

月夜は秋の風景なのに対し、小夜は春風に舞う夜桜の風景をイメージしたデザインの和服をそれぞれに渡した。


最後に旭、月夜、小夜の3名はオーガとの戦いに()いて、手持ちの得物を相手へ投げるのを耳にした凛は、腕輪もセットで用意。

この腕輪を装備中に武器を投擲、若しくは素手の状態で『来い』と念じれば、腕輪を嵌めた側の腕の掌に現れる仕様となっている。


更に、月夜の月影には細工が施してあり、魔力を籠めて『伸びろ』『戻れ』と念じる事で、柄の部分が如◯棒みたく伸縮が可能。

この機能を用い、相手を纏めて凪ぎ払えるとの戦い方が実現可能となった。




作製後、凛は旭、月夜、小夜を自身の部屋に招き、作製したばかりの武具を下賜(かし)

3人は恭しく受け取った後に部屋から出、嬉しそうな様相で自室へ。

一連の様子をエルマ、イルマ、篝、そしてリーリアと玄の5人が羨ましそうに眺め、残念がり、自分達もいつかはと決意を新たにする…様子を、旭達を見送りに来た凛が見ていた。


凛はエルマとイルマはもう少ししたら進化するだろうからその後に、リーリアはまだ伸び代がある為に未定。

篝と玄は戦う様子をまだ見た事がないからと言う理由で保留と判断。


その様な思惑を胸に、凛はゆっくりとドアを閉めるのだった。

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