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ゆるふわふぁんたじあ(改訂版)  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画

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80話

「んーーーっ!」


「クロエ、美味しい?」


んんんー(何これー)!?んっんんんん(すっごく美味し)ーーー!」


「クロエ、お行儀が悪いですよ。」


屋敷にて、フルーツタルトを食べたクロエが全身で喜びを露にする。

そんな彼女に凛と紅葉が笑顔を向け、口元を拭く等して構っていた。


フルーツタルトは凛の領地内で穫れた小麦、苺、オレンジ、葡萄、メロン、桃、ブルーベリー、バナナを使用。

仕上げにナパージュを塗って見映えを良くし、8等分にカット。

凛と紅葉の前にそれぞれホール状のフルーツタルトが置かれ、クロエが食べるのは紅葉側のタルト。

キラキラと輝くフルーツタルトに、ダイニ(風呂から上がった)ング中(者達やハーピー達)の視線が集まった。


少しして、凛達と同じテーブルに座った美羽達もフルーツタルトを食べ始めるのだが、(こと)(ほか)美味しかったらしい。

雫は目を輝かせながら「ふおおおおお」と言い、美羽達は笑顔、来た時は不機嫌だった火燐もすぐに良くなった。




「凛様。こちら…ひょっとして卵を使用したりします?」


恐る恐ると言った感じで話し掛けて来たのは、水浸しになりながら凛に助けられたハーピーだ。

彼女はフルーツタルトから届いた卵の香りに何か思う所があったらしい。


因みに、ハーピークイーンは席を外しており、現在ここにはいない。


「うん?そうですけど、どうかされました?」


「良ければなのですが、私達の卵を使って頂けないかと思いまして。」


「卵?」


「はい。私達は卵生なので卵が産め…って、その様子ですと女王が仰っていた事は覚えてらっしゃらないみたいですね。」


「そう言えばそうでしたね。それで引っ越したと…。」


「ですです。羽とか私達自身が目的の時もありますけど、1番は卵です。それが目的で捕まった仲間もたまにいましたし。」


羽は矢の素材や高級寝具として。

それと肉食の為に気性が荒く、狡猾な性格ではあるものの、見た目は良い。


また、卵を産む女性形の魔物と言う意味では下半身が蛇のラミアも挙げられるが、味や質はこちらの方が上。

特に王族や貴族からの人気が高く、かなりの高級食材として扱われ、度々オークションに出品される。


そんな彼女達だが、上手く飼い慣らせば定期的に卵を産み、懐けば愛玩動物みたいな扱いになる場合も。

その為、テイマーだけでなく、魔物ながらオークションでの人気もそれなりにある。

ただ、彼女達は嫉妬深い所もあり、やり過ぎると痛いしっぺ返しを食らう事もしばしば。


「やはりですか…。」


「なので私達()でも()お役()に立()てる()と思ったのですが…ご迷惑でしょうか?」


「それは…宜しいのですか?」


「勿論です!あ、でも。私達は貴方様の配下ですし、堅苦(かたくる)しいのはちょっと…。普通に話して頂けると嬉しいです。」


「分かり…分かった。それじゃお願いするよ。」


「分かりました。早速準備に入りますね。(やったわ!早速役に立てる事をアピール出来た!)」


凛の相手をしたハーピーは密かに次期女王を狙っていた。

その彼女が卵の用意をしにいそいそと離れつつ、上手くアピール出来たと内心ほくそ笑む。


その去り際、卵が駝鳥(だちょう)と同じ位の大きさでハーピークイーンの卵は一回り大きくなる事。

ハーピーの卵は無精卵のみ。

ハーピークイーンは有精卵、無精卵を分けられ、必要に応じて産み分けられる事を伝えた。


ハーピーがいなくなり、凛達の様子を見ていた者達にフルーツタルトを振る舞うとなったのだが、人数に対し量が圧倒的に足りていなかった。

その為、1人当たり一口大よりも更に小さい…さくらんぼより少し大きい位のものしか渡らなかった。


だがそれでも、今回のフルーツタルトは現時点で用意出来る最高の素材を使用。

女性だけでなく男性、それも人間、亜人、獣人関係なく喜ぶ姿を見て、凛は今まで以上に頑張ろうと心に決めた。




話は変わるが、暁はクールな見た目に反し、実は男性の中で1番の甘い物好きだったりする。

反面、甘い物を食べる姿を見られるのが恥ずかしいらしく、自室でこっそりと。

それも(紅葉を含む)ほとんどの者が引く位大量に食べる。


最近だと出発前日の夜の事。

凛が打ち合わせをしようと思い、暁の部屋のドアをノックして中に入った時の話だ。


「暁ー、これからについて言い忘れてた事があるん…だ…け………。」


そう言って、凛が目の当たりにしたもの。

それは丁度暁がフォークに刺したチョコレートケーキを口に入れる瞬間だった。


暁は左手に直径15センチのチョコレートケーキが乗った皿を所持。

しかもそれだけでなく、彼の周りには幾つもの皿が。

その皿は空だったり、同じ大きさか少し小さめのチョコレートケーキが乗っている。


「ほう。中にオレンジが入るとこんな感じになるのか。こっちは苺…と。さっき食べたのはビターにホワイトだったな。成程、奥が深い。」


等と呟き、かなり集中している様だった。

それこそ、凛が訪ねて来た事に全く気付かない程に。


「ごめん。どうやらお邪魔だったみたいだね。」


凛はドアノブを持ったまま閉めようとし、そこでようやく凛の存在に気付いた。


「…ん?あっ、凛様!?こ、これは違うんです!!」


暁は自らの醜態を他人に、しかもよりによって最も敬愛する凛に見られてしまった。


「予想ですが、これからチョコレートの時代が来ると思うんですよ。だから俺は尋ねられても分かる様に、予め勉強をですね…って。凛様、聞いてらっしゃいますか?凛様ー?」


暁はぐるぐると目を回しながら説明し、凛に分かって貰おうと必死に説得した。

…口の周りにチョコレートを付けたまま。


凛はそんな暁にただただほっこりし、彼の弁明はほとんど耳に入らなかった。

或いは、普段真面目な暁の意外な一面が見れて安心したのかも知れない。




程なくしてハーピー達が戻って来た。

それぞれ所持していた卵を凛に渡し、そのお返しに(極小量ではあるが)フルーツタルトを貰う。


そしてフルーツタルトのあまりの美味しさに興奮し、普通の卵でこうなのだから、自分達の卵だともっともっと味が良くなるのではと追及する内に、おやつの時間を終える。


そこで解散となるのだが、今のフルーツタルトで幾分か溜飲は下がったものの、火燐の雫に対する恨みはまだまだ残っているらしい。

その憂さ晴らしも兼ね、再び死滅の森へ行くと行って席を立った。

凛を含む先程のメンバーが彼女の後を追い、紅葉は暁達の所へ戻る事に。


その際、凛は暁達の分のフルーツタルトは無限収納内にある旨を紅葉に伝え、合流してすぐ話した。

暁は顔に出さなかったものの、フルーツタルトの存在に内心ガッツポーズしながら喜んでいた。




午後6時前


この時点で、凛と美羽を除く全員が進化可能となった。


死滅の森散策再開後、途中まで午前中の続きを。

しかし火燐からの全然物足りないとの意見を受け、凛は鬼王の様な存在が今後も出るかも知れないとして同意。

ポータルによる移動を何回か重ね、少し深い場所での散策が行われた。


そこからは2人1組で行動。

魔物も神輝金級から神輝金級中位の強さの者が度々出没した結果こうなった。


ただ、時間的にもうすぐトーマス達が帰宅し、そのまま晩御飯となる流れ。

凛がそろそろ切り上げるかどうかを問い、美羽がもう少し粘りたいと返す。


そこから30分を過ぎ、美羽が中心となって魔物を倒すも状況はあまり変わらなかった。

なので、(鬼王達を倒した時に得たのを含め)今まで貯めた大量の魔素を美羽に与え、更に数体の魔物を倒した所でようやく進化の兆しが見えた。


美羽は大手を振って帰れると笑顔になり、凛の手を引いてポータルを潜る。

火燐は美羽の変わり様に呆れ、雫は眠気から「んー」と言いながら目を瞑り、翡翠達は苦笑いに。


帰宅すると、クロエが迎えに来た。

クロエは午後5時になるまで魔力操作と魔法の訓練を行い、中級までなら扱える様になったとの事。


(余程魔法が使えたのが嬉しかったんだな)


満面の笑みで報告するクロエに、凛達が思ったのはそれだった。


クロエは前々から魔法の訓練をやりたかったのだが、生前はそこに至るまでの体力がなかった。

それが今は紅葉や亡くなった者達の後押しに加え、凛達の加護もある。

長年の夢が叶ったのも重なり、今が楽しくて仕方ないのだろう。




夕食後、トーマスがニーナ、ウタル、サムを連れて凛の元にやって来た。


「凛様、ちょっと相談があるんだが…。」


「それは全然良いけど…何かあった?」


トーマスの左頬には、誰かから叩かれたばかりであろう跡がくっきりと残っていた。


「悪い、出来ればこれには触れないでくれ…。」


「? 分かった。あ、でも少し待って貰える?」


「あ、ああ…。」


「ノア、ちょっと一緒に来てくれるかな。」


「? はい、分かりました。」


(あー、いつものアレ(・・)か。)


凛は先程目覚めたノアと共に、地下(ディレイルーム)へ降りて行った。

10分位で戻り、やり遂げたとばかりにさっぱりとした表情を浮かべる一方。

ノアは下半身をがくがくと震わせ、シルバーウルフとモリガンに支えられてようやく歩ける状態だった。


ただ、保護された時はぼさぼさだった髪や尻尾が綺麗に揃えられ、毛の艶や質感も段違いに良くなっていた。


(やっぱり。)


満足げな凛、それと疲れながらも艶々になったノアを見た者達はそう思った。


凛は日本にいた時、()()()()()と呼ばれていた。

その手腕は噂に(たが)わず、篝やシンシアと言った女性獣人は勿論、キール達男性獣人もメロメロに。


しかもそれだけでなく、凛はトリミングやブラッシング技術も超一流。

初めて受けた者は確実に腰砕けとなり、2回目以降は受けないと落ち着かなくなる体質に変えられてしまう。


それらは夕食後に行われ、今頃の時間になると獣人達は凛にやって貰いたいとそわそわし始める者が多い。


トリミングやブラッシングは別に後でも良さそうなものなのだが、凛はこの時間にやると決めていたらしい。

また、トーマス達と話をしている間、ノアの事を考えない様にとの配慮から先に済ませたそうだ。


改めて凛は4人と向き合い、話を聞いた。

その1時間後にトーマス個人からも相談を受け、この日を終えるのだった。

これで章が終わります。

登場人物紹介も併せて記載しますね。


美羽達が進化し、サルーンがこれから益々発展…となるのですが、すみません。


今週からしばらく毎週火曜日だけの更新とさせて頂きます。

家族から最近ずっと疲れた顔してると言われたのと、作品の出来に全然満足していないのでまた最初から修正したいなと(苦笑)

なので今週金曜日はお休みで来週火曜日に最新話、それ以外のどこかで手直しと言う形に。


改訂版を更に改訂と言う形にはなってしまいますが、何卒ご理解して頂きたく、、、

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