表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ(改訂版)  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/325

77話

それを合図に、凛達は屋敷の敷地内へ。

訓練の為の移動なのだが、見物人達も(終わりだと思い興が醒めたのか)一斉にいなくなった。


(アルファは常時サーチを展開し続ける…だっけ。僕にはとても真似出来そうにないや。)


道中、凛は自身の横で軽く浮いているアルファを見ながら、そんな事を思う。


サーチを展開すると、一帯にある地形は勿論。

範囲内にいる生物、それこそ大勢の人や魔物が脳内に表示される。

そして生物である以上、その場に立ったままか座るかでの食事や休息等を行っていない限り動き続ける訳で。

サーチを展開している間、常に(色ごとに表示された)丸い点が(うごめ)く構図となる。


その感覚が凛はどうも苦手で、サーチを展開してはたまにぞわぞわと寒気を覚えたりするものの、まだ短時間ならどうにか我慢出来る。

しかし流石に長時間は困難を通り越して無理の域に達し、同様の想いを美羽達に味わって欲しくないが教えない理由として挙げられる。




一方のニーナ達。


「凛様はあのアルファとか言う女性を『創った』とか仰ってたわよね?」


「ああ。それに美羽もアルファもイメージしたのは僕…みたいな事も言っていたよな。」


「となると、アルファさんだけでなく、美羽様も凛様に創られた存在…に当たる(該当する)のでしょうか。」


「…どうでも良いんだけどさ。死滅の森の魔物を簡単に倒せるだけの存在が、ここには沢山いるって方が問題じゃないかい?」


「俺達、とんでもない人達に目を付けられてしまったんだなぁ…。」

「もう放っておいてくれよぉ…。」

「村に帰りたい…。」


凛達から少し離れた位置にて、ニーナ、トーマス、コーラル、ジェシカ、ダニー達の順番で述べ、難しい表情だったり落ち込んだ様子で呟く。


「…ところでトーマス。さっきのあれは何なの?」


「あれ?」


「下着の話で鼻の下を伸ばした件に決まっているじゃない。」


「そうですよ。トーマスさん、不潔です。」


「ちょ、ちょっと待ってくれ。美羽様はともかく、俺はただアルファさん絡みで(鼻血を噴き出しながら)倒れる人がこれからも出て来るんじゃないかと思っただけで…。」


「白い下着を見てかしら?」


「そうそう。アルファさんは顔だけじゃなく下着も綺麗なんだろうなぁ…あ。」


この言葉でニーナはナナを抱き寄せ、コーラルと共にトーマスから距離を置いた。


「最低ね。」


「最低ですね。」


そしてゴミでも見る様な冷たい目付きをトーマスに向ける。


「あんた、真面目そうだと思ったのにそんな事考えてたのかい。全く…男ってのはしょうもない生き物ばっかだねぇ。」


ジェシカも呆れ顔。

(アルファが綺麗なのは同意との意味から)したり顔で何度も頷くダニー達を見て溜め息をついた。


「ちょっ!今のは口が滑っただけ…。」


「あ、ごめんなさい。変態が移ると嫌なので、今後一切私達に話し掛けないで貰えます?」


「そうね。これからは私達に近付かないで頂戴。あ、勿論ナナもダメだから。」


「そんな!お願いだから俺の話を聞いてぇぇぇぇぇぇ!!」


トーマスは2人に弁明するも、距離を取られるだけで全く聞き入れては貰えなかった。

更にジェシカも距離を置き、ダニー達は自分達にまでとばっちりを喰らっては堪らないと他人の振りをする始末。


やがてがっくりと項垂れるトーマス。

そんな彼を見たニーナは片目を閉じながら舌を出し、隣のコーラルがクスクス笑う。


どうやら、ニーナはトーマスに一泡吹かせようと悪戯を仕掛けたらしい。

原因はアルファに対して綺麗だと褒めた…つまり嫉妬から来るもの。

作戦は成功。

今は満足げな様子を浮かべ、そのやり取りが筒抜けだった凛達も苦笑いや笑みを零している。




その後神界へ向かい、ジャージに着替えた1行は30分程訓練を実施。

ニーナ達は遠慮だったり、やる気が出ないのか壁際でしばらく眺めるに留まった。


しかし凛が「訓練を続ければ、いずれ先程の自分達位にはなれる」と告げたところ、真っ先にダニー達が反応。

自ら進んで訓練に加わり、そこにジェシカ、トーマス、ナナの順番で美羽達の元へ。

ニーナとコーラルは最後まで渋っていたが、ここに住まわせて貰う以上、あまり反抗的な態度を見せ、再び売られでもしたら困る…とでも思ったのかやや不承不承気味ながら訓練へ参加するまでに。


約1時間後、凛がストレッチ等で体を解す指導をニーナ達へ行い、エルマ達や紅葉達は自主練するとの光景がそこにはあった。

残りの面々、特に美羽と火燐はアルファと斬り結んでは彼女が持つ大剣の重さに負けて吹き飛び、めげずに何度も挑む様に応援の声がチラホラ上がる。




「今日は新しい家の用意をしようと思う。美羽、火燐、雫、翡翠、楓は、僕と一緒に来て貰っても良いかな?」


「はーい♪」

「おう。」

「ん。」

「はーい!」

「はい…。」


「残りの皆さんは、僕達が戻るまで自由にされてて下さい。」


『はい。』


「はーい!」


訓練後、皆を屋敷のリビングに集めた凛が予定を告げ、各々だったり揃って応えられる。

ただ1拍遅れての、しかも誰よりも元気の良い仕草と返事のナナに注目が集まって生じる笑い。

当人は「えへへー♪」とご機嫌だったが、親のニーナだけは少し恥ずかしそうにし、縮こまっていた。


敷地内にあるポータルを用い、新しく居住予定地となるオーガの集落へ移動した凛達。

中心部へ向かい、オーガキングが住んでいた建物等を無限収納に仕舞う。


続けて、凛は「これから自分は屋敷の作製に入るから、集落内の片付けや整地をお願い」と美羽達に告げ、彼女達はこれを了承。

それから1時間程で凛は屋敷や門等を用意。

美羽、雫、楓の3人を中心に、女性陣は直径2キロ位はある荒れた集落を更地に変えた。


その後、凛は集落の中央に構えた屋敷から東西南北へ真っ直ぐ道を延ばす。

その道を境界線代わりに北西、北東、南東、南西の4つのエリアへ分け、土を元気にしたり柔らかくすると言った環境作りを全員で行う。




30分後


「…うん、取り敢えずはこんなところかな。それじゃ、これから住む屋敷を皆で見に行こうか。」


集落の南西エリアにて。

凛の提案に美羽達が沸き、そこへ(迎えに行った)藍火とナナも加わって少々テンション高めに新しい屋敷。

その正面まで1行は移動。


屋敷の造り自体は同じ。

ただ規模は異なり、横幅100メートル、奥行き40メートル、5階建ての高さへ。


現在住んでいるものより一回り、いや倍以上に大きくなった建造物。

これが今後新たな拠点…と、感慨深かげに見上げる美羽達。

そんな彼女らを眺め、一足先に歩いてから玄関を開けた凛が後ろを振り返る。


「新しい屋敷は今のより大きくなったけど、中の構造とかは…って、もういなくなっちゃった…。」


そして説明を開始してわずか数秒後、ドアを開けた=GOサインが出たとでも思ったのか、駆け足で入って行った美羽達。

揃いも揃って興奮した面持ちだった為、或いはちょっとしたテーマパークにでも見えたのかも知れない。


彼以外に残ったのは楓、紅葉、暁、月夜、小夜、トーマス、ニーナ、コーラル、ジェシカの9名。

控えめな性格だったり、大人の立場や考えから残ったとの形だ。

イルマはエルマの手を引かれ、小夜とトーマスとコーラルは幾許(いくばく)か行きたそうにしていたが我慢したとも。


その彼ら彼女を連れ、凛は苦笑いで屋敷の中へ。

キャッキャと(はしゃ)ぎ、屋敷内を走り回る美羽達をリビングで待つ事に。


新しい屋敷は見た目より大分ゆとりがあり、現在凛がいるリビングダイニングキッチンに至っては100畳程の広さ。


浴室は男女別で各50畳ずつ、4つの浴槽(その内の1つはジャグジー機能付き)とサウナが。

地下には『ディ()レイ()ルーム』と称し、流れる時間を遅らせる部屋が何種類か。

それと、2階から上は各100部屋ずつあり、(凛の部屋は別として)1部屋当たりの広さは20畳程となっている。


これらは美羽が持つ時空間操作スキルを凛の万物適性上昇スキルで底上げし、空間を広げたもの。

元は1畳分程しかなかった個室も、凛とナビの協力で20畳位にまで拡張された。




それから10分後


リビングにて、静かに緑茶を啜る凛の姿が。

ソファーに座るのは彼1人。

誰しもが大なり小なり新しい環境に対して好奇心を抱き、凛の気遣いにより席を外した為不在となっている。


《マスター。間もなく午前10時となります。解体用の道具をワッズ様へお返しするのに丁度良いタイミングかと。》


「おっと、もうそんな時間か。」


湯呑みをテーブルへ置いた凛が立ち上がり、丁度階段を降り切った雫や楓と目が合い、挨拶もそこそこに玄関へと向かう。


「ちょっとサルーンに行って来るねー!!すぐ戻るからー!!」


声を張り上げ、横幅10メートルはある玄関の端にポータルを設置。

起動し、空間を潜ってその場を後にする。


直後、上の階にいる美羽がドタドタドタ…と急いで駆け降りて来た。


「わー!マスター待って待ってー!!…って、いない…。」


主は既におらず、美羽の声は彼に届かないまま虚しく消えた。


「…ドンマイ。」


「まさか凛君が美羽ちゃんを置いて出掛けるなんて…(移動を始めた時に)無理にでも引き留めておけば良かったですね…。」


「ん。私も、まさかとの思いが強過ぎて動けなかった。」


アダムとの例が出た以上、凛1人での行動は控えさせると裏で話し合ったばかり。

ガックリと肩を落とす美羽の背中へ雫が手をやり、楓からは心配そうな雰囲気で慰められるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ