表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ(改訂版)  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/326

76話

いつもありがとうございます。


遅くなりましたが、アルファはヴァルキリープロ○ァイルやワルキューレの○険みたいな感じ。

そのスリットなしのスカートver.だと思って頂ければ

「ぶふぉっ!」


直後、凛の斜め左後方の位置で何者かの叫び声が。

続けて、地面に倒れる音も届けられたとの点から(かんが)みて、誰かが発作でも起こしたのだろうか。


そんな想いを抱き、凛達は音がした方向に視線をやる。


「アダム様ー!お気を確かにーーーっ!!」


アダムだった。


彼は仰向けの状態で気を失っており、盛大に鼻血を噴き出しながらもその顔付きは非常に満足したもの。

一片の悔いなし…とばかりに倒れる彼の周りには10人程の兵士が心配そうな顔を浮かべ、その内の1人から激しく揺さぶられ、声を掛けられるも一向に起きる気配はなかった。


やがて兵士2人に抱えられ、他の兵達と共にサルーン方向へと運ばれて行った。


そんな彼らを、凛達や見物客達は何とも言えない表情で見送るしか出来なかった。




アルファを作製したのは凛とナビだが、双方をしてモノ作りに一切妥協しない性格の持ち主だ。

そんな2人(?)が機能性だけでなく、造形美にまで(こだわ)ったのがアルファ。


凛、美羽、火燐達、紅葉、リーリアには1歩2歩及ばないものの、そこら辺ではまず見ない程に整った顔立ちなのは当然の事。

そこに気品や神々しさが加わり、仮に女神だと評されても納得のいく出来とは本人達の談。


そのアルファが前方へ倒れた際、彼女のドレスアーマーのスカート部分の中身が、近くの者達に見えてしまったらしい。

(今は幾分か立ち直ったみたいだが)少なからず鼻血を出していたり、顔を真っ赤にして顔を逸らす者がほとんどだった。




凛は起き上がろうとするアルファに手を差し出して立たせた後、気まずそうに見物客達がいる方向を見やる。


凛はなるべく空中戦は森の上でしか行わないよう心掛けていたし、何回か美羽達の真上に来た時も高速、且つすぐに離脱していた。


「ナビ、アルファのスカートの中って…。」


だから地上では悟られていないだろうとの懸念から呟きが漏れてしまうのだが、これに逸早(いちはや)く美羽が反応。

シュタッと右手を挙げた。


「あ、ボクバッチリ見えたよー!」


どうやら美羽はしっかりと見えていたらしい。


「白だった!」


しかも白だった模様。


美羽が答えてすぐ、あちこちから『ぶっ!』と吹き出す声が。

これに凛達、それと見物人達が聞こえた方向…ダニー達やトーマス、それと一部の男性見物客達に目線が集中。


ダニー達や見物人達は刺激が強過ぎた、又は先程の倒れる光景を思い出しでもしたのか、ボタボタと垂れる鼻血を左右どちらかの手や両手で押さえていた。

トーマスは顔を真っ赤にしながら思いっきり背を向け、そんな彼の背中にニーナとコーラルの物凄く冷たい視線が突き刺さる。(尚、暁、旭、玄は特に興味がないのか無反応だった)


「因みにー、ボクは白と緑のしましm…。」


「わー!美羽、そんな報告いらないから!!」


しかも今度は美羽自身について語り始めた為、凛が慌てて美羽の口を塞ぐ。


膝丈位かそれよりも短いスカートを履く女性もそうだが、彼女はスカートの下にペチコートを着用。

なので下着を見られる心配はないのだが、凛達以外でこの場にいる者達はペチコートの存在を知らず、下着自体もドロワーズか近いものであると認識。


「縞々…」と口に出した者が何人かいたものの、すぐに(これ以上は色々と耐えられそうにないとの意味から)聞かなかった事にした。




手合わせしていた時から見物していたアダム1行…実は凛、敢えて分かった上で行動。

もっと言えば、昨日のやり取りからしばらく経った後、(冷静になったのか)サーチ上に敵意を持つ赤で表示された事も把握済み。


日付が変わり、アダムは7時過ぎにサルーンを出る。

そして10人の兵士を連れていた事から、自分達の分析に来たのではないかがナビからの報告。


続けて、「いつもの神界ではなく、誇示(アピール)も兼ねて屋敷の外でアルファをお披露目してみては」との意見が(もたら)され、今に至る。


結果、次元が違い過ぎる戦い振りにアダムの心を折るのは良かったものの、何故か喜びながら気絶させるに至ったのは予想外も予想外。

微妙に後味が悪い終わり方を迎えてしまった。




話は戻り、再び溜め息をついた凛が口頭ではなく思念越しにナビへ話し掛ける。


(ナビ…アルファが転んだのって偶然だと思う?)


《私にも分かりません…。この場で再調整致しましょうか?》


(んー、取り敢えず保留で。単に(つまづ)いて転んだだけって可能性もあるし。)


《畏まりました。(くっ、何たる失態…。)》


凛は改めて辺りを見回し、未だ混沌とした空気を変えようと咳払い。


「んんっ。何故アルファが転んだのかは置いておくとして。バトルマンティスやフォレストウルフ位なら任せても全然問題なさそうだね。美羽に渡したのと同じ、シールドソードビットを上手く扱えてるみたいだし。」


「あ、やっぱり。ボクが使うのと同じだった。『シールドソードビット』って名前にしたんだね。それに何となくだけど、ボクとアルファちゃんって雰囲気が似てる気がする!」


「そうだね。美羽もアルファもイメージしたのは僕だし。一応、違いを持たせる為に(人化した姿の)藍火を参考にしてはみたんだけど。」


「へー、それでお姉さん風の見た目なんだ?確かに、言われてみるとどこか藍火ちゃんっぽいかも?」


美羽と凛が藍火を見たのを合図に、全員が彼女を注視。

当人は辺りを見回し、凛達だけでなく見物客達にまで意識を向けられたのが恥ずかしくなったのだろう。

素早い足取りで、ササッと凛の後ろに隠れてしまう。


《アルファは現在、マスター、美羽様に次いだ3番目の強さとなっております。しかしアルファはマスター方とは異なり、既に限界まで強化した状態。ですので、アルファが何体魔物を討伐しましても残念ながら成長する見込みは全くございません。》


「え?そしたら折角魔物を倒しても無駄になるんじゃあ…。」


《ご安心下さい。アルファが得た魔素は、リンクを通じ全てマスターの元へ還元される仕組みとなっております。》


アルファに関しての情報量はあまりにも多い。

また難しくもあった為か美羽が右手の人差し指を額にぐりぐりと当て、難しめの思案顔に。


「待って待って、一旦整理させて。えーっと…要約すると、アルファちゃんは現在マスター、ボクに次ぐ3番目の強さ。今以上に強くなるのは不可能だけど、マスターが代わりに…って事?」


《はい。大凡(おおよそ)その認識で合っております。》


(勝手に魔素が送られる。ナビからその説明を聞いた時は、一種の不労所得みたいで何だか申し訳なく思ったんだよなぁ…。)


つい今しがたアルファがバトルマンティス達を倒した際、本来であれば彼女が得るべき魔素。

自身の強化に充てられる50体分に元々凛へ送られる等倍分を合わせた51体分✕倒した7体…つまり合計357体分の魔素が送られて来た。


これらは何物にも染まらない素の状態。

なので消費した魔力を回復させる手段としても用いれるし、相手へ与える事で強化も可能。

凛から見て、ちょっとした小遣い(若しくはボーナス)みたいなもの。

使い勝手の良い消耗品を得る手段が…と言えばお分かり頂けるだろうか。


《又、マスターとのリンクを介し、念話による会話や魔素(エネルギー)補充(回復)が行えます。更に、マスターの魔素を僅かに消費する事にはなりますが、自動で本体、及び武具と衣服が修復されるよう組み込まれております。これはアルファ自身が大破しない限り有効となります。》


『え…?』


ナビのあまりにも型破りな説明に火燐の頬は引き攣り、美羽達が固まる。


それは(奴隷の首輪にナビの声が聞こえるよう細工を施してある)ニーナ達も同様…と言うか。

割と最初らへんから硬直し、全く話に付いていけないとの状況。


話の流れが全く(つか)めない見物人達は不思議そうに眺め、話の内容が難しい為良く分かっていないナナはただただ不思議そうにニーナ達を見上げるばかりだった。




ややあって、真っ先に冷静さを取り戻した美羽がアルファへ追及。

そこへ火燐達も混ざる事で、少しずつ話し合いの声が大きくなっていく。


ともあれ、紅葉達やエルマ達は(周りへの配慮と移動の可能性があるかもを根拠に軽めではあるが)各々で訓練へ移行。

藍火や玄、ニーナ達、それと見物人達は紅葉達の様子をじっと見詰める。


「失礼致します。少し、お時間を宜しいでしょうか。」


手持ち無沙汰の凛へ、見物人に紛れて1人の男性が凛に声を掛けて来た。


彼は商国から来た商業ギルド員で、オークキング等の魔物を買い取った人物でもある。

サーチでは好意を持つ青で表示され、凛は何かしらでアクションを起こすだろうと踏み、彼が動くのを待っていたとも。


凛は来たか…と思いつつ後ろを振り向き、男性と軽い会話からミスリルとアダマンタイトの商談へと移り、最後は案内状を差し出された。

曰く、様々な素材を買い取らせて頂いたお礼と、これからはもっと親密な関係でいたいが為に用意したものだそう。


それを凛は額面通りに捉える。

等と言う事はなかったものの、多少なりともメリットがあるのは確か。


彼が「ありがとうございます」と案内状を受け取るや、男性は満足そうな様子でこの場を後にするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ