表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ(改訂版)  作者: 天空桜
王国の街サルーンとの交流

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/325

29話 ~7日目

当座の予定を済ませた1行は、次の目標地である大きな木の方向へ直進。


凛、美羽、紅葉達は地上を走り、雫、翡翠、楓、エルマ、イルマは凛達より少し上を飛行。

その更に上空にて、この中で最も足の遅い小夜を火燐が抱いた状態での移動だ。


道中、何回か魔物達からの襲撃があったものの(火燐と小夜以外の者で)全て撃退、ないし討伐。

戦闘が終わるや、話したり談笑する場面(シーン)も見受けられた。




紅葉達は救出された当時、一般的なゴブリンやホブゴブリンだった。

しかし今や紅葉は妖鬼に。

暁達もオーガやレッサーオーガへと進化し、各々がそれに準じた大きさとなっている。


体が大きい=体重もそれに比例して増える。

そう考えた紅葉達は、凛の運ぼうか?との提案をやんわりと拒否。


次に出たのは、凛が1足先に目的地へ向かい、ポータルを使って戻るとの主張。

しかし、今度は主想いの美羽と紅葉を中心にゴネられ、こちらも却下される。


以降も様々な意見を出すも、どれもしっくり来ないとして中々決まらない。

ならば皆で一緒に向かおうとなり、結局真っ先に出た案が1番無難だとして落ち着いた。




(およ)そ2時間でゴブリンの集落を抜け、最初にオーク達と戦った大きな木がある場所に到着。

マラソンを走る位の速度での移動の為、そこそこ掛かったとの計算だ。


時刻はお昼過ぎ。

凛達は木の根元にブルーシートを敷き、飲み物片手に拠点をどこに置くかを議論。

5分程で現在地より少しだけ東へ進んだ地点に建てる旨が決まり、昼食を摂るとの運びに。


そこで、活動を始めた初日。

つまり昨日だけでもエルマ達や紅葉達の計7人が新たに加わり、今後も多くの仲間が増えるのではで考えが一致。

凛は取り敢えず50人が住める位の大きさの家を建て、今後も人が増えそうなら増築するとの流れで纏めた。


尚、凛達が話し合っている間。

火燐は(オークの肉を用いた)カツ丼を。

雫は色んな種類のフルーツサンドをひたすら食べ、話し合いにはほぼ参加していなかったりする。




昼食後、凛は土魔法と万物創造。

それと森羅万象を組み合わせ、3階建ての家を建設。


うんうんと唸り、軽く2時間以上を(ついや)す形で完成させたそれは、淡黄蘗(うすきはだ)とでも言おうか。

薄いながらも明るく(あわ)い黄色の壁に、黒い屋根の造り。


家と呼ぶには大きく、最早屋敷に近いまである。


満足げな凛とは裏腹に、「おー!」と大きく興味を示したのは美羽、雫、翡翠の3人。

他の面々は唖然、若しくはいやいや…と絶句に留まっている。


南側が入口、入ってすぐ左側に客間との名目で20畳程の部屋。

正面には、60畳程のリビングダイニングルームが。


リビングダイニングルームの左側にはキッチン。

そのキッチンの端にドアが設けてあり、ドアを通じて客間との行き来が可能に。


リビングダイニングルームの東側には脱衣所兼洗面所と40畳程の浴室、北側には階段が備え付けてある。

階段から上がった2階と3階には『エ』の形で廊下、及び10畳の部屋が並ぶ。


キッチンにレンジやオーブン、脱衣所にはドライヤーや洗濯機が追加。

いずれも、神界にはなかったものだ。


それらを含めた案内を凛はするのだが、事ある毎に誰かしらから質問だったり追求され、逐次返答。


約30分後、屋敷の全容。

更には道具(家電)類の使い方の説明、並びに体感を終えた凛達はリビングダイニングルームへ。

今度は部屋割りについての話し合いとなり、その際凛が全員にどこが良いかを尋ねるも、美羽から凛の部屋を決めるのが先だと返答。

同意とばかりに火燐達からも頷かれた。


1団のトップだから最も高い3階だったり、分かりやすい場所、集まりやすい場所が良い等の意見が出た。

しかし、凛が『2階に上がって真っ直ぐ進んだ部屋が色々と丁度良いかも』とふいに漏らした事で部屋が決定。


次に、誰が彼の両隣になるかを決める訳なのだが…これが揉めに揉めた。


10分を過ぎても全く終わる目処(めど)が立たず、凛はまだまだ掛かりそうだと判断。

断りを入れ、自室となる部屋へと向かう。


彼の予想は当たり、その後30分。

1時間、2時間が経っても決まらず、最後の手段として選ばれたのはじゃんけんだった。


これは昨晩凛が教えた事で、デザートを巡る争い時に初実践。

勝者である雫は控えめながらVサインをし、決勝戦で負けた火燐はぐぉぉぉぉ…と悔しがり、他の参加者達が落ち込んだのは記憶に新しい。


今回のじゃんけんの結果、最後まで勝ち残った美羽が凛の左隣。

彼女に負けた雫は右隣となった。


「やったー!マスターの隣ですー♪」


「…ぶいっ。」


美羽が跳び跳ね、全身で喜びを表現。

(意外に運が良い?)雫はじと目無表情のまま、顔の前でダブルピース。


「くっそーー!納得いかねぇーーー!」


それに対し、美羽、雫との決勝戦で負けた火燐は思いっ切り憤慨。

悔しそうに地団駄を踏む。


『………。』


早々にじゃんけんで負けた翡翠達にも悲壮感が漂い、見事なまでに明暗を分けるとの結果に。


その後、凛の部屋の斜め右向かいが火燐の部屋。

廊下を隔てた隣が、エルマとイルマの2人部屋。


上記以外として、翡翠、楓、紅葉は1人ずつ。

エルマ達に(なら)い、暁と旭、月夜と小夜の組み合わせで2人1部屋。

2階奥側のスペースに全員が集まる、との謎の構図で落ち着いた。




美羽達が喜んだり悲しんでいる頃。


凛は自室のドアから入ってすぐ右の位置に、20センチ四方の箱を開いた様な形状の白いコン()テナ()を。

コンテナの内側に野球ボール位の大きさの魔石を設置。

両手を前に(かざ)し、魔石に魔力を送っているところだった。


「…ん?皆の声が聞こえる…って事は、部屋割りが今終わったのか。予想していたとは言え、(時間が)結構掛かったな。」


美羽達が話しながらこちらへ歩く様子が聞こえた凛。

入ってすぐセットした壁掛け時計へチラリと視線を移し、あのまま残らなくて正解だったなと微苦笑を浮かべる。




因みに、凛が現在行っている作業。

それは魔石を動力源、コンテナを端末と称し、それらを介して屋敷内の照明や冷蔵庫等の家電━━━改め魔道具(マジックアイテム)と接続。

いつでも気軽に使用出来る様にすると言うものだ。


魔石はバッテリーみたく魔力を貯蔵するとの性質を持ち、満タンで1週間使い続けられる計算を元に創られた大きさ。

仕組みについては神界のリビングやキッチン、それとマクスウェルから得た情報を参考にしている。


また、脱衣所に設置した全自動洗濯機は今後の為に用意。

少しでも魔法の心得がある者なら重宝するであろう、生活魔法の1つこと清浄(クリーン)

身体だけでなく衣服もある程度綺麗にしてくれる効果を持つが、あくまでも『ある程度』。


泥や返り血等はうっすらと残るし、どんな仕様か重ね掛けしても意味はなく、キチンと落とすには手揉み。

若しくは洗濯板を使っての手洗いしかなく、石鹸はあるが高価の為強めに擦りながら洗うがほとんどを占める。


必然的に服へのダメージは大きくなり、すぐにボロボロと化す。


その点、凛が用意した洗濯機型の魔道具は違う。

ボタン1つで全てが片付き、ダメージをそこまで与えずに洗うとの点から服が長持ちするとの期待が寄せられ、ついでに速乾機能も利用した美羽達から早速称賛の声が。


ついでに、先程出た清浄以外の生活魔法として。

火種を出す『点火(イグニッション)』、飲み水を確保する『呼び水(プライミング)』、照明代わりの『明かり(ライト)』が存在する。




美羽達の入浴が終わり次第、凛も済ませての夕食中。

(おもむろ)に凛が席を立ち、キッチン横にある冷蔵庫へ。


そこから、予め冷やしておいたコーラやサイダー。

カル◯スや◯ん◯んグルト等の乳酸菌飲料、各種紅茶やお茶が入った500ミリリットルのペットボトルを取り出し、それぞれテーブルの上に置く。


「…それじゃ今日は、僕の世界の飲み物について教えるね。」


そう言って、凛はコーラのペットボトルの蓋を開封。

発せられるプシュッとの音に全員がビクッとなり、炭酸についての説明をしてなかったと謝罪の言葉を述べながら次々に振る舞っていく。(試しになので1口分だけだが)


「何だこれ!?口ん中がパチパチする!だがまた飲みたくなる…あれ?」


最初に口にした火燐は、コーラをいたく気に入った模様。

驚きに目を見張った後、手にしたカップを上から覗き、反対の手をペットボトルのある場所へと伸ばす。


しかし、掴んだペットボトルは既に中身が空っぽの状態。

半分近くはあったはずなのに誰が…と思うよりも早く一気飲みする音が聞こえ、ゆっくりとそちらを見てみる。


「ぷふぅー。ん、悪くない。」


犯人は隣に座る雫だった。


飲み終えた彼女が満足そうな顔でカップを置き、持っていない方の手で口元を拭う。

そんな同僚を、火燐はショックを受けた表情で眺めるしかなかった。




2人はそんな感じだったものの、翡翠、楓、エルマ、イルマは紅茶。

紅葉、暁、月夜は緑茶、旭と小夜はオレンジジュースを好んで飲んでいた。(それも和気藹々(わきあいあい)としながら)


「好みの飲み物を見付けられたみたいだね。次は、皆が選んだのに合いそうな食べ物を出していくね。」


凛はなくなってしまったコーラを追加で冷蔵庫から出しつつ、無限収納からジャンクフード、ケーキ類、和菓子類を出し、それぞれの前に置く。


「うめーーーっ!」


「凛…ぐっじょぶ…!」


「このケーキ、紅茶と合うねー!」


「こちらの和菓子…と言うのも、お茶と良く合います♪」


火燐はハンバーガーやフライドポテトにコーラ。

雫はショートケーキとコーラ。

翡翠達はフルーツを使用したケーキに紅茶。

紅葉達はどら焼きや団子と緑茶等を組み合わせとして選び、笑顔で楽しむ。


「飲み物は冷蔵庫に用意してあるから、飲みたい人は各自で取ってねー。」


右手で冷蔵庫を指し示す凛。

はーい!と元気の良い答えが返り、次は何飲むー?と言った話で盛り上がりを見せるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ