『魔』導士大戦編15
その15
「今日のお話しは長くなってしまったわね。続きは午後からね。あ、午後は酒場での公演しないといけないから……。ごめんなさい皆さん続きは次の休日になってしまうわね」
「おねえさん、あたしたちは学校行ってないから、いつでもお話し聞けるよ」
「オレ等も!」
「あんたらは畑の手伝いすんだよ」
「でも、一日中やってるわけじゃないだろう。母ちゃん。おねえさんの話の続き聞きたい!」
「坊主、ワシ等も聞きたいんじゃ。おねえさんは次の休日にと言ってる。ただで聞けるんだ贅沢言うな!」
「大人は酒飲みながらおねえさんの歌や踊りが見れてイイよなぁ」
「あなたが大人になったらまた来るから見に来てね。それでは今回のお話しはここまで」
おねえさんは最後に楽器をポロロンと。弾いた。
おねえさん、ローラ・レイさんはボクの親がやってる宿に泊まってる。
朝、おねえさんが、お話をするから来てとボクに。
父さんはもう宿から出たので帰らないと思ったらしい。
ボクとおねえさんが帰ってきたので驚いてた。
「ごめんなさいね、ホントは町を出るつもりだったの、つい長い話をはじめてしまい終わらなくて」
そんな話を父さんに。
「また、泊まれるかしら」
出るつもりだった。じゃ夜の予定はウソ?
「大丈夫だよ、酒場の連中はまだあんたが街を出ないなら大喜びだよ。今夜も舞台に立ってくれるかい」
「ええ、そのつもりです」
部屋に行くローラ・レイさんの荷物を持ってボクも二階の部屋に。
「ありがとう、ハイ」
「なんです?」
「チップよ、少ないけど」
「チップ?」
「ある所ではお世話になった宿の人達に軽いお礼のつもりで差し上げるのよ。ここはないのね」
「ココはそんなのある所ではありませんし、よけいな代金いただくとボクが父さんにしかられます」
「そうか、じゃ畑から一緒に荷物を運んでくれた代金よ。お小遣いにでもして。キミはいくつ?」
「ボクはまだ、成人式もしてないけど子どもでもありません」
「十三か十四? たしかこのあたりは十五が成人式よね?」
「町の人間は適当なんです。まだ、子どもでも仕事させたり、なかにはいい年して子どもだからと言って遊んでたり、あの丘で集まった子どものなかにはボクより歳上が何人も居ました」
「そういう場所、見てきたわ。まあ所変わればね、この町には学校はないの? ソレらしい建物見てないけど」
「有りますよ。けど、勉強する人間はだいたいお金の有るウチの子どもです。簡単な読み書きは、だいたい親や兄弟が教えます。ウチみたいな商売をしてる所は、読み書きと計算とかも」
「農民の人たちだって作物を売ったりするでしょ」
「まあなかには賢い親や農業ギルドとかの人が教えてくれます。農民の友人が言ってましたね、あとボク等みたいなできる友だちからおそわったりと」
「そうなんだ。で、子どもたちが学校行かないと。お金持ちしか行かない学校か、まだまだ多いわね、そういうトコ」
「それではボクは」
「あっごめんね。お夕飯食べるから部屋に持ってきていただける」
「ハイ、下じゃうるさいですからね」
そうね、昨日の公演のときも、「あんたいくつだ!」とか、うるさかったわ。前に来てるから、あの頃の人たちが覚えてるのよね。、あと二、三十年してからくれば良かったかしら。
畑の向こうに見える山々を見たらついあの話をしてしまったけど、長くなったわねもう少し簡単に進めるべきだったわ。別に見た話じゃないのに。
瞬間移動か、出来たら便利よね。
理由は知らないが次の休日は三日後だった。
その日は早起きしてジローに乗り農場へ。
丘に登ると、もう数人の子どもたちが来ていた。丘でナニか食べてる。朝食?
「おはようみんな! ココで朝食?」
「そうだよ、早く来ておねえさんを待ってたんだ」
「そのあなたたち下の毛布は、もしかしてココで寝たの?」
「そうだよ、ここは町で一番星がキレイに見えるんだ。だから星を見ながら……」
「みんな、ちゃんと寝たわよね。お話しの途中で寝ないでよ」
「大丈夫だよ、おねえさん」
「そうか、じゃおねえさんと一緒に体操しようか」
「体操?」
「知らないの!?」
「なんだ、ソレは?」
「夕べ寝てかたまった、からだを動かしてほぐすのよ。じゃおねえさんのマネをしてね」
体操も、知らないんだココの子たちは。
お金がかからない学校が有ればな。
「はい、1、2、3、4」
「おう、子どもたちなにやってんだ? ローラさん早いなぁ〜」
「おじさんタイソ〜っていうだよ。おじさんも」
「あらあら、みんなで楽しそうね? なんの踊りかしら」
踊り、大人も知らないのね。
いつの間にか丘に人が集まり大人数の体操を。
つづく




