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『魔』導士大戦編11

その11


 第5休憩地の山小屋。


「あんたたち、ココまで来る前にその獣を。よく無事で……」


「この肉を買ってくれるだろ?」


「ああ、このヤマブタは大物だからいいが。雪王ザルな、斬りすぎだ。コレでは良い毛皮が取れん」


「え〜コイツブタよりちょこまか動いて倒すのに大変だったんだ」


「まさか、コイツを嬢ちゃんがやったのか?! その背中の長い剣で」


「嬢ちゃんじゃないけど、そうだ! ブタもあたしが」


「ナンム、オレ等も少し魔法を」


「あんたはヤマブタから逃げ回ってたでしょ」


「コイツ等はあまりココの上より下には降りないんだが……。もう冬眠してるのも居るし……。が、さすが魔道士一行。ケガが、なくてね良かったな。まあ傷んでるが雪王ザルも買うから安心しなお嬢さん。雪王ザルの毛皮は貴重だからな。ゆっくり休んで行きなさい」


 ココより上では無いと言う最高地の温泉があるというので。食事の前に温まろうと温泉に。


 温泉脱衣所。


「あのねぇブキ、なんであんたがココに?」


「きまってるだろ、オレも温泉に入るからだ」


「だが、ココはあたしとリフォーナさんが……」


「小屋の主人に聞いたらココは混浴だと」


「ええ、聞いてないよぉ」

「ノノ、風呂場は一つだ。仕方ないな。一緒に入ろう」

「え、いいんですかリフォーナさんは」

「べつにかまわん。見られて困るもんでもない」


「まあそうですけど……」


「ナンムは、人族と違うと言ってたな。尻尾とか生えてるのか?」


「尻尾なんて無いわ!」


「じゃ尻に口でもあるのか?」


「そんなのあるわけ無いわ。そんなに人族の裸見てないから違いはわからないけど、ほぼリフォーナさんと同じよ」


「あぁほぼだ、ブキ。期待するものなど無いわよ。ノノのヘソの下の口が見たいの?」


「え、ヘソの下にも口があるのかナンム!」


「そんなのないわよ!」


 リフォーナさんは服を脱いで風呂場へ。

 急いで脱いであたしはリフォーナさんの後を追った。


「ほぼ一緒かだが姉弟子の方が尻が大きかった……」


 後から行くと姉弟子たちは先に湯につかっていた。


 湯けむりでよく見えないが温泉は人一人入れるくらいの桶が並んでいて。ソレが四つ。二つには姉弟子とナンムが。


 オレの思ってたような混浴ではなかった。

 宿の温泉というので大勢で入れる大きな風呂かと。


「ブキ、前を隠せ! 見苦しいぞ」


 ナンムの横の桶湯に入ろうと通ると。


「男はなんで、そんなの付いてるんだ。世界の七不思議の一つね」

「知らないのか、コレは立ちションするときに役に立つ! ナンム、ちなみに世界の七不思議のあと六つは何だ?」


「ブキ、私が教えてやる。なぜ、男にふっくらとしたおっぱいが無い? 男は足が臭いし短い。頭も臭い! あと……。男は子どもを産めない」


「姉弟子、子どもは畑で……」


「馬鹿いえ、子どもは畑でとれるか。あんたの彼女はウソついたんだよ。ホントは女が産むんだ!」


「女が人を……」


「そうだブキ、だから女は偉いんだ!」


「女が偉いって姉弟子、じゃ后より王様の方が偉かったり、ウチの魔道士会の会長は男だし、コレから会いにゆく大魔道士ラン・シシィーマールも男だよね。女の偉い人はあまり見たことないのはなぜなんだ?」


「それはな、女が男を使ってるからだ。王や会長みたいな忙しい仕事は男にやらせているんだ。わかるかブキ」


「まあ、ソレはそれとして、足が臭いとか、短いのは男でなくオレのコトだよな。女でも頭や足が臭いヤツいるから。そんなの七不思議ではない!」

 

「おい、ブキ。なんであたしを見る。あたし、頭や足、臭いか?!」


「自分ではわからないんだ。よく洗っとけナンム!」


 オレはナンムの横の桶湯に入った。

 はぁ〜体があたたまる。

 いい湯だ〜。


 また、あの雪の中、山登るなんてバカバカしいな。



「おねえさん、ブキも第五休憩地でやめたくなったの?!」


「昔も今も、同じだね。ココで良い思いをしたら上に行く気なくなるよね、きっと」


「昔も今と変わらんなぁ」


「もしかしたら一般人を山にあげない手かもしれないわね。此処から先は通さないと言うより、行きたくなさせる方が効果あるのよ」


「なるほどダメだと言われたら行きたくなるもんな」



「姉弟子、なんかこの先、登るのが面倒になっちゃったよ」


「私は大魔道士ラン・シシィーマールに会ってみたいわ、そして瞬間移動の魔法を教わりたいわ」


「ブキが、行きたくないならココで待ってれば。あたしとリフォーナさんとで行ってくるわ」

「なんだよそれ、ナンム。オレは足手まといか? そりゃまだ魔法使い見習いだからな。が、師匠が、ココへ行く前に。無事に戻れば免許皆伝にしてくれると」


「それだけ、大変なコトだからよ。数年に一度ラン・シシィーマールに会いに行くのは上級魔道士だしね」


「まあ姉弟子はわからなくもないが」


 ブキがまたあたしを見てる。


「魔法使いでもないナンムは」


「ノノは私の護衛でもあるの。まあ私はまだまだの魔道士だから……。ノノが居たからあの獣たちから……」


「ああ、しかしなぁナンムっていったいなんなんだ」


              つづく

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