『魔』導士大戦編9
その9
「このあたりは、たいして暗くならないのね」
「そうね、日が沈む頃を過ぎているよねリフォーナさん」
「おお、見えた。あそこが麓の村か!」
「山の入口に宿があると聞いたわ。ソコで食事もできると」
「村から少し離れた大きな建物じゃない。遠くに見える」
「アレだ、村の中で一番大きな建物だ!」
リフォーナさんのキリーの実に乗った、あたしは一足先に降りた。
建物の扉には『ポロロ亭』と書いてるあった。
あたしはドアをたたき。
「しつれいしまーす! 旅の者です」
すぐにドアが開いた。
「はい、どーぞ。旅のお客さん」
「すみません! トイレかしてください!」
「あら、お嬢さん。トイレは奥の右の通路よ」
あたしは、走って店の奥に。意外と広い店だ。ココを右と、扉がある。ここね!
「ナンムのヤツ、一人で先に」
「あの子、いつも薄着だから冷えたのよ」
「そんな寒いならオレのポンチョ毛布貸したのに」
「いらっしゃい、さっきのお嬢さんの連れの方ね」
「え、魔道士会のマーリンガルド師匠の弟子の者です。ココで食事をと師匠に」
「魔道士会の方ですか、お祖母ちゃん。魔道士会のお客様よ」
「いらしゃい。ほぉ〜。コレはお若い方がたじゃ。たまに来るのは爺さん婆さんの魔法使いだがな。やはり山の」
魔道士会の連中は、ココを常宿にしてるのね。
「はい、山の隠居老人に」
一般の人には山に入った隠居老人をあの大魔道士ラン・シシィーマールとは言ってないと。
「アレもワシが若い頃にはよく顔を。何度も店に来てたがな、最近は。ワシより早くくたばりよったかな来ないな」
「え、山の隠居老人はもう」
「知らんよ」
「お祖母ちゃん、そんな事を。あの山のご隠居さんの仕用人の方が買い物にみえますから御健在だと……」
「噂の仕用人か。あ、まあそういうコトで来たんだ。すまないな食事と休憩をしたいんだけど」
「この時期登山者は居ないのでガラガラだよ、ドコにでもかけな」
「こんなトコなんで食事は、コチラのおまかせでいいですか?」
「腹いっぱい食えるものならなんでもイイよ。オレは腹ペコだ」
「外は寒かったでしょ温かいタウ鹿のシチューをお出ししますわ」
「ふーっ」
「おい、ナンム。おしっこ間に合ったか?!」
「ブキ、そんなコトを大きな声で」
「い〜じゃないか、他に客居ないし」
「あ〜。ギリ間に合った。あんたみたいな厚着着てたらヤバかったわ」
「ノノ、そんな薄着だから冷えるのよ。山登るときはコートとマフラーを」
「オレのポンチョ毛布貸しやるぞ温かくて軽いからいいぞ」
ポンチョ毛布か。それくらいなら。あんまり着込むと動きが鈍るからイヤなのよね。
いつもより厚手のタイツ履いてきたから下半身はまだイイとして。
「ポンチョ毛布貸してもらおうかなブキ」
「あのな、おまえはオレより年下なんだろ、ブキじゃなく兄弟子と呼べ」
「あたしはマーリンガルドの弟子じゃないから、兄弟子じゃないわよあんたは」
「まあそうなんだが、ナンムおまえいくつだ。オレより年下だろ」
「ブキこそいくつよ?!」
「え、オレは今年で18だ。ナンムは14くらいかな?」
「1万と14よ。あたしを人族と一緒にしないで」
「1万だって、そんな婆なのか!?」
「ブキ、ノノの冗談よ。ノノはあぁ見えて24だっけ?」
「そうね、リフォーナさんのトコにあずけられたのは7才くらいだったから、そのくらいかな?」
「そうなのか、オレより歳上なのか……。ナンムって。オレはてっきり」
「ホラ、あたしはエルフほど長くないけど、とんがり耳なのよ。髪で見えないけど」
「人ではないのかノノ・ナンム」
「その言い方は、イヤだな。化け物みたいで。見た目はほぼ人だから」
「お待たせ、タウ鹿のシチューよ。ソレからパンよ。ウチのは柔らかくて美味しいわよ。このジャムでも、シチュにつけても美味しいわよ。おかわりも出来ますからね」
「お茶はあるかしら?」
「サカオの実で作った物があるけど、口にあうかしら? 少し苦いわよ」
「サカオ茶ね。いただくわ」
「サカオ茶、初めて聞いた」
「ブキはまだ子どもだからな、サカオ茶は大人の味だ。体があたたまるけど」
「ナンム、オレは18だ。子どもじゃない。結婚出来る歳だ!」
「さっき言っていた娘はいくつなのブキ」
「オレより上の20だけど……」
「なるほど、で、ブキに。あんた、子どもあつかいされてない」
食事をし終えた、あたしたちは、部屋をとり寝て明日早朝に山に登ることに。
二人用の部屋にあたしとリフォーナさんが。
一人部屋でブキ・ジュナーブルが。
ドンドン
ノック音だ。誰だろう?
「開けてくる」
あたしは寝床から出て。ドアを。
「えっ。ブキ、どうしたの?」
「独り寝は寒いんだ一緒に寝てイイか?」
「ブキ、嫁入り前の二人に言う事?!」
「姉弟子たちは、二人で暖かそうだ……」
「イイけど、あんたは隅の壁際よ。部屋に人が居るだけで違うでしょ。隅で枕でも抱いて寝なさい!」
「そうだな、三人だと少しは違うか……」
「ブキ、あたしはイイぞ。一緒に寝よう」
「イイのかノノ・ナンム」
私はノノと抱き合い、ブキはノノと背中合わせで寝た。
二人ともまだ子どもね。
つづく




