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『魔』導士大戦編6

その6


 北部の上空。


「姉弟子、雪が」

「そうね、もう北部の山岳地帯だからね」


 あ、アレはシロタカだわ。


「姉弟子、ドコに!」


『ホー、タカよ。黒い竜を見なかったか?』


「タカに聞いたのか。で、なんだって?!」


「こんな竜は居ない場所に、あの大きい黒いのが飛んでれば目立つからね。見たと」


「そうなんだ、でヤツは?」


「ホラ、あの谷へ入ったと。雪が本降りになる前に行くわよ!」


「おっ、速い。姉弟子、キリーの実なんてずいぶんカッコわりいのに乗ってるよな。まあホウキよりは乗りやすいだろけど……」



「ねえさん、キリーの実って畑のアレか?!」


「ええ、他の国ではアレに足を付けて馬みたいに。あの現物のままじゃないわよ、魔法で人が乗りやすく大きくしてね」


「なるほど、で、ホウキより乗りやすいね」

「おねえさん、昔はホントに魔法使いはホウキに乗ってたの?」


「正確には、乗ってた魔法使いもいたと」


「婆さん魔法使い……。あの魔女だね」


「まあ見たわけじゃないけど、魔法使いは個人で一番合う物に乗ってのよ」


「女魔道士がキリーの実って、なんか好きもんって感じだなぁ〜」


「なにいってんの、子供の居るトコでアンタ」

「そうよ、ココは酒場じゃないのよ!」


「お母さん、キリーの実がなんなの? 子どもはナニがダメなの?」


「キリーの実の好き嫌いはだめって話よね、お母さん。では、続きを」



 両方が断崖絶壁の谷だ。こんな狭いトコをダークドラゴンが。

 進んで行くと谷川が曲がる断崖に大きな穴が。


 私たちは穴の入口に着地した。


「デカい穴だな、コレならダークドラゴンも入れる。ヤツは中かな?」

「さあ……。中は寒い。住めるトコじゃないわね」


「だな、冷風が中から、寒っ!」

 

 ブキはハッグからマフラーを出し首に巻いた。


 私も。魔法使いは常に魔法具を持ち歩いてるので肩掛けバッグは皆持ってる。

 私もマフラーを巻いて巨大な洞窟の中に。


「うわぁ~中はもっと広くなってる」


 洞窟は下へ道が。所々岩が崩れてるし、鍾乳石が折れてる。ダークドラゴンが通った後だわ。


「やはりココへドラゴンは……」

「ブキ、黙って話し声が聞こえわ……。私のイヤリングが反応してる」


 しばらく降りてくと話し声も。


「ち、地下の広場にドラゴンが」

「まって、ブキ。ココから確かめよう。アレは赤い肌のドラゴンよ、ヤツじゃないわ」


 ダークドラゴンと違う肌の色で暗闇でもなんとなくわかる。

 マフラーを目にあて呪文を。コレで闇でもよく見える。


「姉弟子、呪文忘れた……」

「まったく、マフラーを顔に巻いて」

「姉弟子、ソレじゃ息苦しい」

「自分で調節しなさいよ。コレで。カシウ、ナノニタ、ノゼカ!」

「おお、昼間のように見える! あの赤いドラゴン鎖でつながれてないか」

「近くに頭が赤い小さなドラゴンも」



『約束だ妻と子を離してもらおう』


『いや、まだだマンサ・モーン様が戻ったらという約束だ!』


「あの、ダークドラゴンと話してるのシードラゴンよね。なんか人みたいな体だけど顔はシードラゴンよ。偉そうに鎧を着てるわ」

「そうなんだ、オレは姉弟子ほど博識じゃないからわからねぇが。あの赤いドラゴンと小さいのが親子で捕まってるのはわかる」

「まわりの醜い魚顔の槍を持った兵士たちはシードラゴンの兵かしら。マンサ・モーンって誰?。まああの状況からするとダークドラゴンの妻子が捕まりダークドラゴンが妻子を救うために王都を襲ったって感じね」


「さすが姉弟子」

「あの会話聞けば誰でもわかるわよ。ブキ、あの妻子を見張るオコゼ頭の兵士どもを、頼むわ。私はあのつながれた鎖を切る。そうすればダークドラゴンも。行くよ!」



「ん、?! なんだこの棒は?あたっ」

「うわっ!」

「ひぃ~」

「ぐはっ」


「ナニが?!」


 なんだあの棒の様な物は!


 このブキ・ジュナーブル様の杖操演術を見るがいい。

 

 ブキの先がとがったねじれた太綱の様な杖が洞窟内を飛び回り兵士たちを突きまわす。

 先は尖ってるが殺傷機能にはかけてるが相手を倒すコトは出来る。


「貴様、何者だ! ダークドラゴン、アヤツを殺れ!」


『そんな約束はしてない。お前が殺れ!』


 うわっ、頭がシードラゴンの男は三股の槍を持ちデカいタツノオトシゴに乗りこっちに。



「タツノオトシゴってなんだおねえさん。シードラゴンってどんな顔なの?!」


「あ、この辺は海がないからわからないか。タツノオトシゴって小さな生物でね。シードラゴンと呼ぶ所もあるわ。だからシードラゴンの頭をした男はタツノオトシゴみたいな顔なんだけど……。わからないよね、あホラソコの木の枝見て、口が細長く伸びてるのよ。あんな形なの」


「おねえさん、海にそんな変な顔の生き物が居るのね」


「オレもソレ聞きたかったんだ、タツノオトシゴかぁ名前も初めて聞いた」



 オレは杖に飛び乗り広い洞窟の中を飛び回るが、タツノオトシゴに乗ったヤツは、追いかけてくる。


「海の中でもないのになんでそのデカいタツノオトシゴが飛び回れるんだ!」


「おまえの杖と同じだ。私も魔法で飛ばしてる!」


 地上なら杖を剣代わりに使うが、乗ってるから無理だ。ヤツの槍をかわさないと、姉弟子早く鎖を。


                つづく

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