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邂逅ーークヴァルティス将軍2

8/4に更新したはずなのですが、反映されてませんでした。これは8/4分です。

読者もお判りだろうから、そろそろ素性を明かすが、青年はマルティン・アル・クヴァルティスだった。

マルティンはレーイが警戒しているのに気付いていたが、少し会話するつもりだった。レーイがあの少女、すなわちイエッタの関係者なら、何かしらの情報を得たいところだ。

「君は旅人ですか?」と問うマルティンに対して、レーイは「そうだ」と答える。

そのぶっきらぼうな口調は少女の外見には似つかわしくなく、マルティンは面食らったが、すぐに態勢を立て直す。

「どこの生まれなんだい?」と訊いたところで、マルティンは自分が自己紹介していないことに気付く。

「申し遅れた。俺はマルティン・クヴァルティスと言う。クヴァルティス人だ。現状、この国を預かる将軍の立場にあるが……それは気にしないでくれ」

マルティンはそう言ったが、平民ならば平伏するところだ。

しかし、レーイにその素振りはなかった。

「初めまして、クヴァルティスの将軍。わたしが育ったのはカムネリアという村だ。生まれた場所は判らない。名前はレーイ・カムネリア。カヴァリエリの徒の1人だ」

「カヴァリエリの徒!」

その肩書きはイエッタも名乗っていたものだ。

「どうかしたか、将軍」

マルティンは言葉に詰まる。訊いてしまって良いものかどうか、迷ったのだ。訊くことで状況がどう転ぶか全く想像が付かない。敵対されたら、おそらくマルティンに勝ち目はない。

だが結局、意を決して訊いていることにした。

「君はイエッタという白い服を着た金髪の少女のことを知らないか?」

「なぜ将軍がイエッタを知っているのか?」

レーイは質問に質問で返した。カヴァリエリの徒を知る人間に遭遇するとは、まったく想像すらしていなかったので、つい出てしまった反応だった。

その応対が礼を失するとレーイは思い直し、自己紹介する。

「すまない。イエッタにクヴァルティス人の知り合いがいるとは知らなかった。質問に答えよう、確かにイエッタ・カムネリアはわたしの知り合いだ。友人とは言いがたいが」

「彼女はイエッタ・ルキスと名乗っていたが」

「ルキスはあざ名だ。わたしもレーイ・カリゴニスと呼ばれることがある」

「なるほど……」

どうやらイエッタの知り合いというのは本当らしい。となると、是非とも、このレーイから情報を入手したいとマルティンは考えた。

イエッタ事件対策には頭を悩ませていたところなのだ。

幸い、レーイはイエッタほど気性が激しくはないようだし。

「レーイさん、少し時間をもらうことは可能だろうか? イエッタさんと君とカヴァリエリの徒について、教えて欲しいことがある」

「要は四聖徒の殺害について聞きたいのではないのか?」

「どうしてそれを?」

「街で聞いた。犯人は魔術を使う白い服の少女だと言うから、おそらくは……と思っていた。同胞が迷惑を掛けたようで申し訳ない」

レーイがぺこりと頭を下げる。

やはりこの黒い少女は白い少女と違って話が判るようだとマルティンは判断する。

「どうだろう、俺の屋敷がすぐそこにある。時間を見て、そこで話を聞かせてもらえまいか?」

「実は今日早くにこの街を立つ予定になっている。だが、そなたには聞く権利があると思う。時間は限られるが、これから伺わせてもらっても構わないだろうか?」

レーイとしては同胞とは言えイエッタがしでかした責任を取るつもりは毛頭ない。だが、魔術が衰退しきったこの世界にあっては、イエッタの所業は理不尽以外の何物でもあるまい。

そんな不条理に直面した人間に対して、魔術を修める者としてできる限りの情報を伝えることは、責務なのではないかとレーイは考えたのである。

「願ってもないことだ」

マルティンは軽く頭を下げて感謝の意を示す。

二人は連れだってマルティンが拠点とするグライバ邸へ向かった。

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