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光の降臨3

「ま、まぶしい!」と誰かの声が聞こえ、その場に居合わせた全員が、手で目を覆い隠す。

数秒で光は消え去った。

「なんだったんだ?」とマルティンは目を開け、すぐに違和感に気づく。

広間のほぼ中央、テーブルの上に人が立っている。

緩いウェーブのかかった長い金髪、白い服を着たそれは、見目麗しい少女だった。

誰もが少々の突然の出現に言葉を失っていた。枢機卿の中には御使いかと思った者さえいた。さしずめ、光の天使と言ったところか。

それほど、少女の姿は神々しく荘厳に目に映った。

その少女の口から「ねえ、『テトラルカ』はどこ?」と可愛らしい声がこぼれる。

『テトラルカ』と言われてダールバイ人が即座に思いつくのは『四聖徒』のことだ。けして『四魔王』のことではない。

だが、ここに大きな錯誤があった。少女が探している『テトラルカ』は『四魔王』のことだった。そもそも『テトラルカ』という単語は、神話に登場する神々の眷族の中でも特に力に秀でた者たちを指す言葉だ。それがいつの間にか4人組を指す時に用いられるようになり、ダールバイ教でも使われることとなったのである。

ゆえに、少女の『テトラルカ』探しは盛大な勘違いなのだが、それを指摘出来るものはその場には居なかった。そしてこのことが、少女にとってもマルティンにとっても不運の始まりだったと言って良い。

誰も少女の問いには答えなかった。ただ、誰もが少女の突然の出現に出現と、それに加えて一部の者はその美貌に呆然となっていただけだ。

少女は周囲を見回す。

それほど時間が経っている訳でもないのに、少女はしびれを切らしたようにわずかに表情を歪める。

「わたしは、『テトラルカ』はこの場に居るか、と訊いているのよ? こんなに大勢の偉そうな人が居て、誰も知らないなんてことがあるのかしら?」

クヴァルティスの3人はダールバイ人達よりも早く我に返っていた。マルティンは、広間の隅に並んで立っている4人を見やる。

その視線の先に居る者たちこそ、『四聖徒』である。

『金と紅の炎聖』のペトロニウス。

『銀と蒼の水聖』のデクステリウス。

『銅と碧の土聖』のソフィステール。

『白金と紫の風聖』のカタリノフォラ。

若い男2人女2人からなる彼らーーと言ってもマルティンよりは年上であるがーーは、その『聖名』の通りの金属と色を用いた鎧や胸当てを身につけ、剣や杖を携えている。

その中の金と赤で装飾された鎧に身を包むペトロニウスが一歩前へ出て名乗りを上げる。

「我らこそ今代の『四聖徒(テトラルカ)』である。貴殿こそ何者か? 名乗らぬは無法者のすることだ。名乗るがいい!」

少女の目がペトロニウスに向く。

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