表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/204

宿屋のケルス2

「君はフェルマイル族を知っているのか?」とエライアスが会話に割って入る。「そうなんだよ、こんな奴があの伝説の一族の末裔だなんて、あり得ないよね?」

「知っていると言っても、知り合いに同じ赤髪がいると言うだけだ。その者が自分はフェルマイル族だと自慢していた」

その赤髪は『カヴァリエリの徒』の1人だった。レーイにとっては仲の良い相手ではなかった。というより、レーイと仲の良い『カヴァリエリの徒』は、おそらく居るまい。

「ほう? 小娘、フェルマイル族の知り合いが居るのか?」

ケルスの興味がレーイに向く。

レーイはこくんと頷いて見せた。

「小娘、名と出身は?」

「名前はレーイ。出身はカムネリアだ。よろしく……」

レーイが言いかけた言葉を遮って、ばんっという音が、レストランに響いた。それはケルスが木製のカウンターを勢いよく叩いた音だった。

レーイもエライアスも、客たちも驚いて、複数の視線がケルスに集中する。しかし、ケルスはそんなものはお構いなしに、

「カムネリアだとっ!」

と叫んだ。

「……そうだが」

「ならば、エヴァと言う娘を知らないか? 歳はお前と同じくらいのはずだが」

レーイは思い出すまでもなく、即座に答える。

「2歳年下のエヴァ・アルセスという者なら知り合いにいる。その者が自分をフェルマイル族だと自慢していた者だ」

「エヴァはカムネリアに居るのか?」

レーイは、ふるふると首を振る。

「今は居ない。師の命令を受け、大陸のどこかに旅立ったはずだ。……そうか、あの者はそなたの縁者か」

赤い髪のフェルマイル族。これほど明確な血筋を示す物は他にはあるまい。

「娘だ」

と呟いて、ケルスは拳をぐっと握り込む。その顔は嬉しさと悔しさ混じり合う、不思議な表情をしていた。

長い間探していた娘が生きていたという喜び。

一方で、得た情報からは、すぐに探し出すことは無理である悔しさ。

「生きていると判っただけでも良しとしよう」とケルスは悔しさを飲み込んだ。

「エヴァに会う機会は、ある」とレーイ。

「それはいつだ?」

「判らない。だが、会うことにはなるだろう。ただし、その時は私とエヴァは殺しあうことになる」

「なんだと⁈」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ