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5 生命とニューアースと大木



 力加減を間違えて空を飛翔した事件より数分。

 落ち着いた頭でこれからすること、また今の問題を頭の中でまとめて行く。


「ふぅー」


 多少の考えがまとまった所で、深呼吸をして結論を考える。


 改めてこの惑星、ニューアースもといこの世界には問題がある。

 まずは、太陽について。

 この世界の実質的な中心である太陽は、前の世界の太陽と比べるとやはりずば抜けて大きく、また発するエネルギーも比べ物にならない。

 その所為で、ニューアースの海の水温が高くなり過ぎている。

 つまるところ、生物が成長できる環境に適さなくなってしまい、ここで生物が生活出来なくなってしまうのだ。


 それは困る。

 世界を創るなら、やっぱり生物がいないと。

 それに、ここに住むであろうあいつ(前の創造神)に文句とか言われてなんかされたらたまったもんじゃない。

 やるなら万全を、だ。

 だがこの問題は簡単にかたが付くと思っていて、単純に創造神の力を使って念じれば、それで解決しそうだ。


 そしてもう一つ、俺が持つ知識がほぼ使い物にならなくなる頃がそろそろだということ。

 今は、高校のなんとない知識でなんとなく世界を創れたが、ここからの惑星の進歩、生物の進化が地球と同じように進むのだろうかと心配でならないのだ。


 地球とらまた違った進化を遂げさせればいい、とも思ったが、せめてニューアースの主な生物は人間であって欲しいと思っていて、もし進化の方向性を想像し過ぎると、創った世界を後々冒険できなくなってしまうのだ!

 また、進化を弄らなすぎれば、知性を持った昆虫が生態系の頂点に君臨するだなんてことがあるかもしれないし、手を加え過ぎたら過ぎたで、何でもかんでも知ってるような陳腐な世界になってしまう。


 それは本当に困るし、つまらない。

 そんな感じで、そうならないように丁度よく調整してくれる助手みたいな存在が欲しいなぁ、とそう思っているのだ。


 といった感じでうんうん悩んでいたら、雷に打たれたように解決法を考えついた。


 太陽の件は既に解決済み、知識の件は元創造神から貰った話し相手の子が育つのを待ってればいいじゃないかと。

 話し相手ちゃんがどれだけ賢いかは分からないけれど、元創造神が渡してきた種から生まれる子なんだから、きっと賢いだろう。きっとそうだ。


 そんなこんなで悩みに一段落つけた空は、その話し相手ちゃんの様子を確認する為に、創造神の空間に戻ることにしたのだった。




 フッと瞬間移動してきた空。

 その空の視界に入ってきたのは、先程までは根は普通、幹や葉は未熟な若木であった例の木が、それはもう立派な、四階建てのマンション位の大きさの大木に成長していたという衝撃だった。


「うっそぉ……」


 思わず声が漏れる。

 というか、創造神になってから前より独り言が増えたなぁ、とふと思ったがかぶりを振って、関心を一気に成長していた大木に向ける。


「俺がニューアースに行ってたのって長くてもでも二時間くらいの話だよなぁ……」

「やっぱ神が創ったものだから成長も早いとかあるのかなぁ」


 そう言って、両腕で抱きついても半周も抱けない大木をぺちぺち叩く。


「こりゃ、俺の話し相手兼相談役ちゃんの登場はもう少しかな?」


 なんて言うが、この木、まだまだ留まることを知らず成長し続けるのだが…

 話し相手のホムンクルスの女の子が登場するのはもう少し後の話。


 そうして、木の成長を見届けた空は調子を良くしたのか、太陽のエネルギーを抑える、地球で言うオゾン層の様な役割を持つ層をニューアースに創造した。

 その後に、ニューアースの時間を加速させて生物の進化を見守ることにした。

 進化に手を加えなかったのは、助言無しで一度生物を自由に成長させたらどうなるのか、実験してみたいと思った自分勝手な興味からであった。


 だがこの身勝手な興味が、これからの空の創造神としての方向性を大きく変える事柄を引き起こすトリガーになるとは、空自身は露とも思うはずもなかった。



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