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31 ファンタジーと冒険者と依頼

急いだけど隔日投稿できませんでした、すみません……



 とりあえず情報収集にどこか村や町へ行くのがいいと思い、山脈が広がっている方とは別方向の草原へと進んで行く空たち。

 見渡す限りでは道らしい道は無く、遠くの方で何やら草を食っているらしい小さめの生き物は見えるが、それ以外は広い草原が広がっているだけだった。


「なぁイヴ、バグについてはどれ位分かってるんだ?」


 草原を進んでいる途中、暇を持て余している空がイヴに質問する。


「バグについてはニューアース上で六体存在するのを確認しています。確認出来たのは存在だけですので、人か魔物か、どんな見た目かどこにいるかなどは分かっていません」


「そっかぁ、じゃあやっぱりそれっぽい奴を探して改心させるしかないんだな」


「ですがマスター、改心でよろしいのですか?原初の創造神様は解消と仰っていました。つまるところ、殺害でも構わないという意味だと思ったのですが……」


「うん、そういう意味だと思うよ。でも、バグになったとしてもこの世界の一つの命なんだからあまり殺したくはないなって」

「もしどうしようもなくて他に被害が出るってなったら、その時は俺が責任をもって殺す。でもそれは最終手段だけどね」


「はい、私もそれがよろしいと思います」

「それとマスター、お体の調子はどうですか?ニューアース上ではバグの妨害のせいで創造神の能力が落ちている筈なのですが」


「あー、確かにちょっと全力が出ないっていうか、あの空間での体感とは違うってのはすごい感じるね」


「それもバグが消えれば少しずつ収まってくるそうなので、兎にも角にもバグを探し出さなければですね」


「そうだね」


 少し盛り上がった丘を何度か越え、空たちの前に土が押し固められて出来た畦道(あぜみち)が見えてくる。

 近付いてみると、最近付いた車輪の跡などもあり、この道に沿って行けば町に着くのは間違いなさそうだった。

 長い道のりの中、また空が色々とイヴに質問をしていく。

 空はイヴや元創造神がバグの抑え込みをしていた時には特訓三昧だったので、外の世界では何年ほど経ったのか、ニューアースがどうなっているのかなどの情報は一切知らなかったからだった。


「イヴ、今のニューアースってどういう時代なんだ?」


「はい、今のニューアースはマスターが最後に転移した時から500年経過しています。世界の様子はバグの妨害のせいで分かっていませんが、人間社会にとっての500年ですと、マスターが最後に見た人間社会とは全く違ったものになっているかと思います」


「500年…………」

「待ってくれイヴ、俺たちがいた空間では100年しか経ってないんじゃないのか?」


「はい、私たちがいた創造神の空間では100年でしたが、バグのより世界を混沌にさせる能力が働き、世界が加速されているのだと原初の創造神様は仰っていました」


「そんなこともしてるのか……確かに時間を進めて世界の管理をおごそかにさせて崩壊を狙うってのは、こっち(創造神)側からしたら痛いな……」


(ん?……何かバグっていうには作為的すぎないか?気のせいかな)


 自分が言ったことを反芻し、少し疑問を持つ空。

 そんな空を察してかは分からないが、イヴが話し出す。


「マスター、これは原初の創造神様が仰っていたことなのですが、今回のバグは少しおかしい、とそう呟いていたのを聞きました」


「それはバグに意思があるように見えるっていうそういう意味か?」


「はい、原初の創造神様が以前に対応なさったバグには、時間の加速といった妨害はなかったと」


「そうか、何かが意図的に俺の世界を壊そうとしてるってこともあるのか……」


 誰が、どのような意思で、何故ニューアースでその意思が生まれたのか、そんなことを思考しようとしたその時、畦道の遠くに石で作られたような塀が囲む町が見えてくる。

 目的の町があることが分かったならば早速情報収集を、そう思い思考を切り替えイヴに言う。


「イヴ、町だ。魔法使って飛ばすぞ」


「畏まりましたマスター。安全のために私が前を行きます」


 練った魔力を体内で高速循環させ、運動能力を向上させて走り出すイヴ。

 蹴り出した地面が轟音と共に抉れる。

 どんどん姿が遠くなっていくイヴを見て、空が思う。


(あの速さなら、こんくらいかなぁ)


 息をするように魔力を練り、体内で循環させ、イヴを追いかけるように駆けだす。

 風と一体になったような空が速度を上げ、メイド服のスカートをたなびかせながら走るイヴのすぐ後ろへと追いつく。

 先に町に着いて安全を確保しようと思っていたイヴが、全力で走り出したイヴに追いつき同じ速度で後ろに付いて来ている空に気付き、驚く。


(マスター!?この速度は私の全力ですよ!?そんな涼しい顔で付いて来ないでください!)


 バグ発生前の空では、イヴの全力と同じ速さで付いて来るのが関の山だったので、離れた距離を一瞬で詰め、スキップ気味でイヴの後ろに付いて来る空はイヴにとっては驚愕の対象だった。

 自身の訓練不足を悔やむイヴなのであった。 








 そんなこんなで町の防壁のすぐそばで立ち止まる。

 入口の門の前では町の兵らしき人間が検問を行っており、ちょっとした行列が出来ていた。

 止まる際に空が減速をし損なって大転倒したが、音を消す魔法と重力を操る魔法を瞬時に使い、兵にはバレなかった。

 やがて並んでいた空たちの番が来る。

 ニューアースで人間と話すのは初めてなので少し緊張している空。

 

「次の者!こちらに!」

「職業とこの町に来た目的を」


 ガタイのいい門番に答える。


「旅の者です。こっちは俺の従者で、この町には食料や水を補充しに来ました」


「冒険者か、持ち物は……」


(ニューアースって冒険者っていう職業があるのか……)


「ん、お前のその腰のものはなんだ?剣か?見せろ」


「はい、乱暴にはしないでくださいね」


 鞘から刃を抜こうとするが上手く抜けない様子の門番。

 力自体は強そうなので、無理に抜かれて壊されたらたまったもんじゃないと思い、刀を返してもらい空自身が抜いて刃を見せる。


「おお、これは美しい剣だな」

「ふむ、問題は無さそうだな。通ってよし!ようこそアルドーへ!」


「ありがとうございます、では」


 町の名前を知り、門の奥へと進んで行く空たち。

 その視界に広がったのは、大通りの横に広がる食品や装飾品などを売っている市場、道の真ん中を通っているのは馬車。

 その馬車を牽くのは馬だったり、馬ほどの大きさの鳥やトカゲのような生き物だったりと様々だった。

 さらに目を惹いたのは、そこを行き交う人々。

 人間の他に、獣の耳や尻尾が生えている獣人や、ずんぐりむっくりのおっさんや耳が鋭く尖っている者、トカゲ人間など、空のよく知るファンタジーの世界がそこには広がっていた。


「おぉ!すげぇなぁ!」


「これがマスターの思い描いていた光景ですか?大精霊の方々と比べるとあまり変わり映えがしないように感じるのですが……」


「あいつらと比べちゃ駄目だよ……」


 喋る巨大トカゲや水人間などを最初に見ていたイヴにとっては刺激が薄い光景だったようだが、ザ・ファンタジーのような光景に興奮する空。


(そうそう!これが異世界って感じだよなぁ)


 その後も、市場の中の出店や道の端の店に入って異世界を堪能していると、いつの間にかに離れていたイヴから声が掛かった。


「マスター、市場の方々からお話を聞いてきました」


「いいね、でもこんな人がいる所で単独行動したら迷子になるぞ」


「私はそんな子供ではありませんよマスター……それに制限はありますが検知能力はまだ健在です。この周りには異常な魔力等はありませんでしたので、情報収集を優先した方がよろしいかと思いました」


「俺が間違ってました……」


 口答えしたことを少し恥じる空。


「で、聞いてきた話っていうのは?」


「はい、最近は冒険者の方が増えて来た、とそう言っていました。それと、もっと具体的な情報を知るなら冒険者ギルドに行くのがよいと」


「冒険者ギルドかぁ!異世界って感じするなぁ。よし、案内してくれ」


「畏まりましたマスター、こちらです」


 イヴに連れられて町の中心部にあるという冒険者ギルドに行く空。

 進むこと数分、空は、今いる場所の基本情報をイヴから教えてもらっていた。

 空たちが下り立ったのは緑の国ティードニルム、という国らしく、大森林を国内に持ち農耕や森林での狩りを中心として栄えて来た国家らしい。

 他にも、赤、青と隣接している国があるそうだ。

 現在空たちがいる町は、アルドー。緑の国の首都に行くにはもう一つ町を跨がないといけないらしいが、地方への物資の輸送を中心として作られた町らしく、商業が盛んな町なのは市場の盛況具合でも判断することが出来た。






 そんなことを教えてもらいながら、いつの間にか冒険者ギルドの前まで着いていた空たち。

 その冒険者ギルドは、周りの建物よりも大きく、ギルドの印らしき物が扉のない大きな玄関の上に付けられていた。

 何やら中が騒がしいので、なんだと思いギルドへ入っていく空。

 

「かかってこいやこの女猪が!」


「あ゛ぁ゛!?それって私のこと!?いいわよ、ぶっ倒してあげるわ!」


 ギルド内の一角、酒場になっている場所で筋骨隆々の大男と短い髪の全身鎧を着こんだ女の子がにらみ合っていた。

 その周りを

「いいぞーやり合え!」「ゲイルやってやれ!」「イレイナちゃん頑張れよ!」と外野の冒険者たちがはやし立てていた。

 皆酒のせいか顔が赤らんでおり、にらみ合っている二人も同じだった。

 そんな二人が酒場の中心にあるテーブルで手を組み合う。

 どうやら腕相撲で決着を付けようとしているらしい。

 一見女の子の負けが確定しているように見えるが、自信ありげな女の子が気になったのでその様子を見ようと思っていたが、後ろを付いて来ていたイヴに、


「ま、す、た、ぁ?早く受付を済ましましませんか?」


 と咎めれるように言われ、泣く泣く受付をしてくれるであろうカウンターに進む空。

 そろそろ始まりそうだったのに……とそう思いながらカウンターの受付嬢に話しかける。


「あのー、アルドーの周りで何か異変とかないか知りたいんですけど」


「異変、ですか……」


 カウンター下の書類を少し(めく)りながら考え込む受付嬢。

 ああ、と何かを思い付いたようで空の方を向き言う。


「リール山脈の麓の森林で異常現象が発見されたというのがありますね。精霊の姿が確認されたのもあって、調査依頼が出ていますね」


「本当か!?その依頼受けたいんだが!」


「そうですか、では……あ、申し訳ありません、ギルドの印を見せてもらってもいいですか?」


「ギルドの印?そもそもギルド入ってないからないなぁ」


「あー、でしたらギルドに登録してからになるんですが、この調査依頼って準2等級の方でないと受けられないので、登録したての……えっとお名前は」


「空です」


「空様は4等級からのスタートになるのですぐに受注するのは不可能ですね……」


「そこを何とか出来ないか!?その準2等級にすぐ上がれる試験とかは!?」


「何度か特例で2等級スタートの方はいたそうですが、私の判断で何とも……」

「そういったことに対応出来るギルドマスターも現在は不在ですので……」


「そっか……」


 折角の手がかりらしい手がかりが見えたのに何も出来ない空。

 その不甲斐なさに無意識に拳を握りしめていた。



 そんな時、ガッシャーン!!!と大きな音が酒場から響いてくる。

 急いで音のした方を見ると、腕相撲をしていた大男と女の子がいたテーブルは真っ二つに割れており、そこには腕相撲をしていた大男が頭から突っ込んでいた。

 誇らしげな顔をしながら空たちの方へ歩いてくる全身鎧の女の子。

 驚いている空たちの前に来るなり、胸を張って言う。



「話は聞いてたわ!その調査依頼、私も付いていく!」



1、準1、2、準2、3、4、5等級となっています。

4等級スタートなのは5は子供がなれる冒険者見習い的なやつだからです。

仕事の手伝いとかが出来ます。


頑張って書いたからほめてくれ……

隔日投稿来週まで続きます、ストックない人間なのは許してください……


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