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何人いる?  作者: 山奉行
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逃避行と逆襲

 イザベルが学園に呼び出されたので、マチアスの使者にこう答えておいた。

「じゃあ、今から領都まで早馬を出しますので、四日ほどお待ちください」

居ないものは仕方ないよね。

「嘘はいけません、イザベル様は邸内にいらっしゃるはずです。城門から出ていく人にイザベル様がいらっしゃらなかったのは記録として残されております」

 まあ、仕方ない。王都では貴族の出入りは常に記録されて居るから『城門から』イザベルが外に出ていないのはその通りだし。

「では、好きなだけ家探しされるといいでしょう。我々は庭でお待ちしております」

使用人たちも全員連れて外に出ると、屋敷の塀の外は兵士で固められている。逃がさないためだろうけど御大層な事だ。あいつ等馬鹿だろう、外を固めているからって使用人を人質に取らないとかありえない。

 とりあえず、庭に掘ってある秘密の通用口で三軒先の空き家まで逃げ出させて頂くとしよう。まさかマチアスと一年も敵対してて、脱出する準備してないとか思ってないよね。ビッチが馬鹿だから手下も馬鹿になるのかな?

 空き家には懇意にしているマフィアの方々がいらっしゃいました。この方々はビッチが取り込んだマフィアと敵対している別組織の方々で、マフィアの中じゃかなりマトモな方だ。ビッチの情報を集めるために背接触して、ビッチの魔法についての情報とか今までしてきた悪事の情報をもらう代わりに銃や魔法陣を供給してあげている。

「ボスがお待ちです、兵隊に見つからない道を用意しましたのでこちらへどうぞ」

顔見知りの幹部さんに案内されて彼らのボスの所まで向かう

 ミレーユがこっそり俺に耳打ちする。

「ねえ、この人たちがヒロインに取り込まれてるとかそういう事は無いの?」

まあ、当然の疑問だけど俺と幹部さんが同時に答える。

「「ビッチの人形にされた奴は判別できるから大丈夫」」

 驚いたミレーユにどうやって判別するか聞かれる…ちょっと答えたくないんだけど、まさか幹部さんに言わせる訳にはいかないから俺が答える。

「ビッチと最後までやっちゃうと(男の大事なもの)に魔法陣が刻まれるんだ。だから身体検査で判る」

その魔法陣を研究した俺の地獄を理解してくれとは言えない。

「だから、最悪どうしようもない時は切っちゃうと正気に返るんだよね」

「何を?」

「ナニを」

…何でこう、ナニを切ったり蹴ったりする話は、自分も何となく嫌な感じがするんだろう。

 アジトの客間に使用人達を置いて、俺とミレーユはボスの部屋へと向かう。そして部屋の中にはボスと城の魔法学者の先生と…イザベルが居た。

「イイイイイザベル?何でまだ脱出してないの?」

「お嬢さんは大将、アンタと一緒じゃないと嫌なんだってよ。ここで大将を待つってさ。正直、勘弁してほしいんだ、お嬢さんが聖女過ぎてウチの連中がどんどん真人間になってっちまう」

まあ、イザベルは地上に降りた大天使だから仕方ない。

「いい事じゃないか、いっそのこと堅気になっちゃえよ」

「冗談じゃない、人形の連中をようやく追い詰められたんだ。今はまだビッチを油断させるために止めさしてないが、ここで俺が手をひと振りするだけで、連中は全員俺達と別れの挨拶することになるんだぜ」

婉曲な表現を使ってくれてありがとう、イザベルはよく判ってないみたいだ。

「まあ、その辺はタイミングを見てやってもらうとして、俺達の脱出は問題ないんだろうな」

「当然だ。大将の領都にももう使いを出している。護衛も何人か付けておくよ」

 その夜、俺達は王都そばの林の中まで地下道で移動して、そこから領都まで向かった。




 アルベルトと彼の家人達と領都を脱出して五日後、予想通り国境の砦は封鎖されていた。砦から大体200メートル位離れたところでアルベルトが聞いてきた。

「ミレーユ、検問を迂回するのと強行突破するのとどっちがいいと思う?」

そりゃ、迂回だと思うんですけど。そう口にしたら彼は拡声器(地球の拡声器とほぼ同じ、動力は魔法陣だけど…昔から転生者がいたのかな?)を手にして、

「こちらはミレーユ姫と家臣一同である。直ちに開門させよ」

と砦に伝えてしまう、バラしてどうするの。

 案の定、砦の上に司令官らしき人が現れて、

「ミレーユ姫を攫った悪党アルベルトとその一行であるな、ただちに姫を開放して降伏…」

彼は最後まで発言する事が出来なかった。いつの間にかしゃがんで銃を構えたアルベルトが素早く撃って、200メートルも離れているのに頭を撃ち抜いちゃったのだ。

 さらに、慌てて大砲を構えだす人たちを2人程撃ったら、後ろから大きな音が聞こえだして砦がいきなり陥落した。

 魔法を使って戦う準備までしてたのに正直訳わかんない、誰か私の変身を無かった事にしてください。




 怪しい男が持ってきたアルベルトからの手紙にはこうあった。「全軍用意して三日後に国境の砦で銃声が聞こえたら砦に襲い掛かってくれ」

 全くこき使ってくれる、時間の余裕が全然無いじゃないか。1日で集められるだけの兵を集めてもう1日で砦から500メートルくらいの森に2000人ほど兵を伏せる。残りの8000はさらに後方で待機だ。

「モブ隊長、全軍動かさなくていいんですか?」

部下がそう聞いてくるんで答えてあげる

「全軍動かしたらどこに兵を伏せるんだ。あそこの砦は500人いないんだ、挟撃になるならこれで十分」

 銃声が聞こえたんで、大砲で城門を壊して兵を突入させたらあっという間に砦は落ちた、どうやら司令官が真っ先に狙撃されたらしい。そりゃあ、楽な訳だ。

 アルベルトと合流して、彼に尋ねる

「これからどうする、王城まで引くか?」

「いや、ここで迎え撃とう」

次の話として用意してある閑話は、書きあがったんですが見直してる余裕がない(眠い)ので明日投稿します。

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