ep9. 自爆されたらレベルが上がったので、特攻でレベリングしてみることにしました。
俺はスライムに爆殺されて、この世界に転生してから三度目の死に戻りをした。
「ここは…街を出たすぐの所か?」
どうやらスライムを発見する直前に戻ったらしい。
「レイさん、大丈夫ですか?」
「あぁ、問題ない。この通り元気だ。」
爆殺されたが、死に戻りした後の体になんら異常はない。ピンピンしている。
「あの…そうではなくて、精神的に色々しんどかったり…」
なるほど。そういうことか。確かに俺が読んだようなラノベキャラ達も死に戻りをする度に凄惨な死を遂げていたりする。だが俺の場合ワンパンだからな…一瞬で意識が持ってかれる。
「俺が弱すぎて逆にしんどくない…みたいな?なんてな。」
「そうですか…?もししんどくなったらいつでも私に言ってくださいね?」
ティナもティナなりに心配してくれているのだろう。
…弱すぎてしんどい思いをするような死に方をしないというのもなんだかな。
「ありがとうティナ。だが大丈夫だ。引き続き魔物討伐を…と…?」
「どうしたんですか?やっぱり無理をなさってるんですか?」
…そうではない、そうではないのだ。
「レベルが…上がっている…?」
どういうことだ。俺は何も討伐していないぞ?レベルが上がるようなことは何も…
「もしかして、スライムが自爆したから…?」
ティナが考えたように呟く。
その可能性が一番高そうだ。
「…よし!もう一回自爆に巻き込まれてみるか!」
「ちょっ?!レイさん?!それ本気で言ってます?!」
…まあ確かにな。やってること自爆特攻だもんな。
「心配するな、さっきも言っただろ?今の俺は弱すぎてなんも気にする必要がないんだよ。」
少し自嘲気味に笑いかける。ティナも納得したように、心配など不必要だと察知したのか明るく言う。
「そうですよね!まだ弱っちぃレイさんじゃ何度死んでも問題ないですもんね!」
「それはそれで結構酷いな?」
なんだこいつ。急にボロクソ言われたんだが。
「ふふっ。冗談ですよ冗談。さっ!レベリングの時間ですよレイさん!」
冗談か…そうとは思えない暴言だが。さてと死に戻りしたと言うことは…。
「やっぱり、ここにいたか。」
スライムは死に戻りする前の時と同じ位置にいた。
「いくぞ!うぉぉぉ!!」
全力疾走でスライムに突撃しながら矢を放つ。するとスライムは敵意を露わにして自爆の構えを取る。
「来いッ!スライム!!」
するとスライムは俺の言葉に応じるかのように…自爆した。
「ぐっ…」
しんどくないとは言ったが衝撃と灼熱がキツい。…これはもう何度もできないな…
「…戻ってきたか。」
さっきと同じ景色だ。同じ地点に戻ったのだろう。どこかセーブ地点のようなものがあるのだろうか?
「大丈夫ですかレイさん?」
「あぁ…大丈夫だ。ティナの方は平気なのか?」
俺が何度も死に戻りしている時、ティナは巻き込まれたりしていないのだろうか。
「全然大丈夫ですよ!ゴブリンに殺されてた時に私は攻撃を受けてないですし、スライムの爆発はレイさんと違って私は非常に強力な耐性がありますからね!」
「そうか…それなら良かった。」
俺とは違ってという表現に少しイラっとしたがまあ大丈夫なら良いか。
「さてレベルは…」
ん?どういうことだ?死に戻りする前とレベルが変わっていない。…自爆特攻じゃレベルは上がらないのか?
「レベルが上がっていない」
「どういうことですかレイさん?!」
どういうことって言われても俺もわからないが…
「おそらく、自爆特攻しに行ったのが原因だと思う。」
まあレベルが上がっただけマシと思おう。
「それにレベルが上がった影響で色々スキルが解放されたみたいだ。」
「本当ですか?!」
色んな種類のスキルが解放されている。…これがこの辺の魔物共に効果があるかは不明だが。
「あぁ。中にはなんだか面白そうな物もある。このスキルをこの辺の魔物で一回試してみよう。」
「おぉ〜!いいですね〜!もしかしたら最強スキルが眠っていたり…?!」
そんな事があれば苦労しないんだけどな。
「そこまで期待しすぎるなよ?カススキルの可能性だってあるんだからな。」
ティナにはこんなことを言ってはいるが、どこか楽しみな自分がいることに少しおかしく思ってしまった。




