ep7. 正式に冒険者として認められたので、装備を整えました。
「正式に冒険者になった訳だし、まずは武器やら道具を揃えよう」
「いいですね〜!それっぽくなってきましたよ〜!!」
冒険者ギルドで正式に登録を終えた俺は、装備を揃えるためにまずは武器屋へ向かった。
「いらっしゃい。おや、あんたは初めて見る顔だねぇ。どこから来たんだい?」
武器屋にいたのは逞しい体付きをした女性だった。年齢的には若そうで、日に焼けて筋肉質な体だ。
「あ、あぁ異世界から転生してきた。」
「そう言うことじゃないよ。どこの町から来たんだい」
そうか、俺は珍しいパターンで転生してきたが、他の者は町を転々と旅して来るのか。
「実は魔王城の近くで転生されてしまって。だからついさっき冒険者登録をしてきたんだ。」
「そんなことがあったのかい。災難だったねぇ」
いや〜そこからゴブリンに殺されたり死に戻りしたりで大変だったんですよ等と話そうとしたがそういえば俺は武器を買いにきたのであった。
「それで武器を買いに来たんだが…何か良いものはあるか?」
「武器と言われてもねぇ…職業適正と属性適正を聞かなきゃわかんないよ」
職業適正…?なんだそれは。初めて聞く言葉だ。
「職業適正と属性適正いうのはですね…」
ここぞとばかりにティナが補足する。長くなるのでティナからの話を要約すると、適正職業というその人に合った職業というのがこの世界にはあり、その職業に就くことで適正外の人が就くよりも成長率が高い等の利点がある。おそらく大体の人間はその職業に就くのであろう。適正属性…の前に属性についてだが、この世界は基本的に炎・水・風・土の四属性で構成されており、そこから派生して雷・氷・光・闇等が存在するらしい。そして属性適正は大体2つ持っていることが多く、片方をメイン属性、もう片方をサブ属性として操る事が多いらしい。そしてステータス画面で確認できる。…こんな感じだ。
それで俺の職業は…、
“カミヤ レイ 職業適正:アーチャー 属性適正:風・水”
「風と水、アーチャーが適正らしい」
「風と水のアーチャーかい。それならこのクロスボウがいいかね。矢は100本ずつで売っているよ。今なら100本タダでオマケしといてやるよ。」
“風波のクロスボウ 風と波を纏いし石弓。 特殊効果: 微風の石弓『矢の飛翔速度上昇・小』”
“木の矢 木でできているごく普通の矢。”
「微風の石弓…?」
なにやら特殊効果がついているようだ。名前はあまり強くなさそうだが、飛翔速度上昇か…悪くなさそうだ。
「属性武器には基本特殊効果が乗っているのさ。今回のは飛翔速度が上がる効果があるね。…そこまで恩恵は感じないと思うがね」
マジか…。まあ初心者向け装備なんてそんなものだろう。
「それじゃあこのクロスボウと矢を500本程頼む。あとこれを見せると割引されると聞いたんだが…いくらだ?」
そう言って俺は冒険者カードを見せる。ギルド嬢が言うにはこれで割引されるらしい。
「矢の100本オマケと冒険者割引をして…2300ゴールドだね。そこの小さいお嬢ちゃんは何もいらないのかい?」
2300ゴールドか…。相場がわからないがこの後諸々買ったりする分と今後の宿代などを差し引いたらどれぐらい余裕があるのだろうか?ティナは…戦うタイプじゃないって言ってた気がする。
「小さいお嬢ちゃんとはなんですか!私の名前はティナです!それに小さいのは変身しているだけで私の役割はレイさんにこの世界を案内することなので!!…おそらく2300ゴールドであれば買っても大きな負担にはならないですよ?」
ティナが小さいのって変身していたのか…。大きくなったらどうなるんだろ。
ティナが言うには買うことによってそこまでキツくならないのであればこのまま買いだな。
「これで頼む。」
「はいよ。これはお釣りだよ。…ティナと言ったね。失礼な事言って申し訳なかったね」
お釣りとクロスボウ矢を受け取る。クロスボウは金属と木でできているようで少し重みがある。滑車と弦の部分に風を水を纏っていてなんだかオシャレだ。
「いっいえ私こそ怒ってしまってすみません…さぁレイさん!次は道具屋に行きますよ〜!道具屋での買い物は私に任せてください!」
こうして俺たちは武器屋を後にし、道具屋へ向かった。…ティナが買い物とか大丈夫なのか?
「すみませ〜ん!回復薬と魔力瓶を買いに来たんですけど〜!」
ティナが道具屋の店員に話しかける。…こいつ誰に対してもハイテンションだな。
「回復薬と魔力瓶か。どのサイズが欲しいんだ?」
どのサイズと言われてもな…。そもそも回復薬と魔力瓶ってなんだ?俺にはさっぱりわからん。
「それぞれ小を10個ずつ、中を3つお願いしま〜す!あっあとこれ見せておきますね!」
そう言ってティナは冒険者カードを見せつける。
「そうすると3080ゴールドだな。」
「は〜いお願いしま〜す!」
手際良くティナは買い物を済ませる。なんだか手慣れているな。
「ありがとうございました〜」
こうして店を後にした。
「なぁティナ、回復薬と魔力瓶って一体なんだ?」
「あっ!そういえば説明していませんでしたね〜!うっかりしていました!」
ティナが説明するにはこうだ。回復薬とは、魔物から受けた攻撃などで傷ついた身体を癒すことができる薬で、今回たくさん購入した小サイズのだと擦り傷などが癒えるらしい。魔力瓶とは、スキルや魔法を使用するのに必要な魔力を回復できる薬で、小サイズは少し回復するらしい。…魔力瓶に関してはイマイチわからなかったが便利な薬があるものだ。現状、スキルも魔法も俺は未習得なので使用するのはまだ後だろう。
「それとティナ、随分と手慣れていたようだが…」
「妖精は世界の案内だけでなく買い物の知識もあるんですよ!すごいでしょ〜?」
買い物の知識…。妖精の世界とは不思議な物だ。
「さ、レイさん!そろそろ宿屋で休みましょう!」
「それもそうだな」
今日は色々あって疲れたな。…そういえば転生してから一度も休んでいない。なんだか急に疲れがどっと押し寄せてきた。
そう思いながら今度は宿屋へ向かった。
「泊まりに来ました。一部屋お願いします。あとこれを。」
「はい。かしこまりました。」
こうして俺は部屋を案内されベッドで休んだ。今まで色々あったなぁ等と考えていると、俺はいつの間にか深い深い微睡みの中へ沈んでいった…




