ep15. 新米冒険者、初めてクエストを受注しました。
「よし、行くぞティナ!!あの時の雪辱を晴らしにいく!!」
異世界に転生し、死に戻りの原因となったスライムを討伐した俺は、もう1つの原因であるゴブリン討伐をすることにした。
「…ところでレイさん、そのゴブリンは一体どこにいるんですか?」
ティナが俺の顔を覗き込みながら尋ねてくる。
…どこにゴブリンがいるかとかそういった見当は付かないんだよな。あの時俺を殺したゴブリンはラストリアから30分近く歩いたところにいたし。
ま、その辺にうろついているだろ。多分。
「今から探しに行くところだ。」
それなら、とティナが俺に提案してくる。
「一度ギルドに行って、クエストを探してみませんか?その方が報奨金がたくさん貰えてお得ですし。」
まあ一理あるか…。クエストがなくともギルドの人はこの辺に生息する魔物に詳しそうだし。
唯一の懸念点は俺程度の冒険者でもこなせるようなクエストがあるかどうかだが。
「一応確認してみるか。」
こうして俺達は一度ギルドへ戻ってみることにした。
「えっと…クエストは…」
ギルドの壁に沢山の張り紙がある。聞いたことのない地名や魔物に関する依頼ばかりだ。
この世界の文字は読めないんじゃないかと思ったがどうやらティタ…なんとか様の加護で読めるようになっているとティナが説明してくれた。
「それじゃあ私は奥の方から見てきますね〜。」
そう言うとティナは一人でパタパタと飛んで行ってしまった。
一人で大丈夫なのだろうか。
ゴブリン討伐のクエストはどこかな…と探していると、横から先程から近くにいた冒険者パーティらしき集団の一人が俺に話しかけてきた。
「お前、あんま見ない顔だな。新人か?」
なんか少し嫌な奴って感じがする。具体的にどうって訳じゃないが生理的に嫌いなタイプだ。他人を見下していそうな。
「あぁそうだ…。つい最近この辺に来たばかりだ。今はゴブリン討伐に関する依頼がないか調べているんだ。邪魔しないで貰えるか?」
するとまたコイツは話しかけてきた。めんどくさいなぁ…。
「先輩冒険者に対してそんな言い方ないだろ〜?ゴブリン討伐か…お前、レベルいくつなんだよ?」
どうせ俺を笑い者にしようとしているんだろ。多分。
「…32だが。」
そう言うとそいつとそのパーティメンバーは俺を指差して笑い出した。
「さっ、さんじゅうに…っ!ふはははっ!笑わせるなよふはははは…。」
思った通りだ。俺は不快感を露わにする。
「悪かったって…っ!それじゃあ俺達はクエストに行くからっ…。ま、まあせいぜい死なないように頑張ってくれっ…!」
そう言い残すと奴らは笑いながら出て行った。
さっきのパーティメンバーと思しき女の子が此方を見ている。一体こんな弱小冒険者を見て何がしたいのだろうか。
「おい!さっさと行くぞ!置いてかれたいのか?」
奥からアイツの声がすると、女の子は一礼してその場を足早に去ってしまった。
…ちょっと可愛かったな。あの子。
「レイさ〜ん、クエスト見つかりました〜?」
するとまたパタパタとティナが飛んで来た。
「なんか嫌な奴に絡まれてな。あんま見れていないんだ。」
そう言うと訝しげな目をしてティナが質問してきた。
「…それにしては随分と鼻の下が伸びていたように見えましたが。」
なっなんのことだろうな…。決してさっきの子に見惚れていたとかじゃないんだがな。
「そんなことないぞ。ほら、ティナもクエストを探すのを手伝ってくれ。」
半ば強引にクエストを探すのを再開する。
「もう…。しょうがないですね〜…」
呆れた様子でティナもクエストを探し始める。
…やっぱりさっきの子、可愛かったよなぁ…。
「ありましたよレイさん!」
ティナがご機嫌で依頼書を持ってくる。
「どれどれ…?『依頼内容:ゴブリンの討伐 報酬:10000ゴールド』か。悪くないな…。」
スライム討伐の報酬は5000ゴールドだった。それの2倍と考えるならだいぶ良いな。
「よし、このクエストを請けよう。」
依頼書を片手にギルドカウンターへ進む。
「すみません、この依頼を請けたいんですけど。」
すると、ギルド嬢は恐る恐る尋ねる。
「あ…あの…、カミヤ様のレベルは確か32ですよね…?本当にこの依頼を請けてよろしいんですね…?」
俺のレベルがクエスト難易度と合っていないのだろう。心配するのも無理はない。…だが、俺はやると決めたのだ。
「はい。問題ありません。この依頼対象はどこにいるんですか?」
ギルド嬢は俺の覚悟を感じ取ったのか頷いた後、丁寧に教えてくれる。
「まずラストリアを出て…」
きょ、距離が近い…。あれでもなんかちょっと良い匂いがするような…。この人も可愛いな…。
「ちょっとレイさん、ちゃんと案内を聞いてるんですか?全くもう。」
ティナに怒られてしまった。…こいつは、うん。まだ幼いしな。
「レイさん?」
半分上の空ではいたが、案内が終わった。
「…それでは行ってらっしゃいませ。御武運を。」
ギルド嬢に見送られながらギルドを後にする。やっぱり…、これ以上は怒られるな。やめておこう。
「よし、それじゃあティナ、早速クエストの時間だ!行くぞ!!」
こうして俺は初のクエスト攻略に向けて出発した。




