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死にゲーみたいな世界の怪力乱神巫女、霊能ビジネスに参入するも破滅案件ばかり踏み砕いてしまう  作者: ランドリ
オカルト部の問題児カエデの依頼

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第15話 受けて食らってラーニング!

 燃える企業戦士風の霊的存在達がカエデ達に襲いかかってきた。

 規則的に並ぶデスクを乗り越え、椅子を蹴り飛ばしながら一直線に殺到してくる。

 その片手にはキーボードを持ち、これが俺の武器だとコードを引きちぎりながら振り回す。

 卓上の書類やらモニターを倒してしまっているがお構いなしである。


「多過ぎるぞ!? せんせー! へーるぷっ!」


「何をしているか小娘! 一歩下がれ! 地形を利用しろ!」


「あ、そっか」


 軍師のごときイモムシの指示を受けたカエデが一歩下がり部屋の外に出れば、同輩のことなど知らんとばかりに追いすがってくる燃え頭達は出入り口で詰まってしまった。流石の機転である。


「ふっふーん! チャーンス!」


 詰まっている霊的存在達を見て、ムンと剣を構えたカエデ。

 彼女が大きく振りかぶって振り下ろした剣は、真ん中で押しつぶされていた間抜けのスーツを軽く裂き、止まってしまった。


 裂かれた上着を脱ぎ捨て身代わりにした炎頭は、一抜けたと飛び出してくる。

 ジリジリと後ずさりするカエデは、確かに斬ったはずの剣を見ながら小首をかしげた。


「あれ? 効いてない?」


「違うな。多少は効いている。奴と小娘とでは霊力の熟練に差がありすぎて、効いていないように見えるだけだ。来るぞ!」


 スーツを脱ぎ捨ててワイシャツ姿になった炎頭が、一歩一歩ゆっくりと近づいてくる。更には片手に持つキーボードをかかげると、淡い光を放ちはじめた。


「わわっ! 何かしてくる気だなー!? こうなったら、突撃ーっ!」


「待てっ小娘! 早まるな!?」


 相手の怪しげな行動を見て、何故か楽しそうに笑ったカエデ。

 彼女は指揮官の命令を無視して剣を腰だめに構えると、今度こそはと駆けだした。


 彼女の突撃が肩を貫けば、反撃のキーボード振り下ろしがガチャンと炸裂する。


「あいたーっ! こんのー!」


「くっ、世話の焼ける! カーン(不動の)・オーラ(守り)」


「いいね! ファイトだよっ!」


 すぐそばで初々しい戦いを見ている巫女は、特に手を出すことなく観戦の構えである。


 刃を立てるのも忘れてブンブンと剣を振り回すカエデと、キーをばら撒きながらキーボードを叩き付ける炎頭。更には青白い盾を自在に操るイモムシ。


 本来ならば霊力差で炎頭が有利なはずの戦いは、素晴らしいフォローを連発するイモムシのおかげで拮抗している。


 何度か不毛なやりとりを繰り返した後、カッと目を見開いたカエデが剣を振り上げて淡く輝かせる。


「ビビッと来たぞぉ! カエデちゃんアターック!」


 気合いと共に振り下ろされた剣は、炎頭をキーボードの防御ごと一刀両断。

 そのまま床に深く突き刺さった。


「大勝利! 勝ったぞ~!」


 剣を引っこ抜いたカエデは、満面の笑みで剣を振り上げて勝利宣言。

 小さく剣先を輝かせるという芸の細かいこともしている。


「これは……霊力を使った攻撃を受けて霊力の使い方を覚えたのか……? なんと原始的な……獣の学習方法ではないか」


「へっへ~! 何とでも、いえーい! 勝てば勝ち軍だもんね!」


「それを言うなら、勝てば官軍だ。全く……」


「よしよし、良い調子だね! 早速おかわりだよっ!」


 楽しそうに巫女が言うや否や、三体ほどの火頭が抜け出してくる。

 内一体は巫女に挑んで破裂してしまったが、残りの二体はカエデたちに突っ込んできた。

 休む間もない連戦である。

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