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死にゲーみたいな世界の怪力乱神巫女、霊能ビジネスに参入するも破滅案件ばかり踏み砕いてしまう  作者: ランドリ
オカルト部の問題児カエデの依頼

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第14話 異界になったビルを探索

 廊下の蛍光灯が付いたり消えたりしている。

 ジリジリと調子が悪そうに鳴く彼らは、恐らく余命幾《よめいいく》ばくもないだろう。

 そんな頼りない光源をチラチラ見上げながら廊下を進むのは、白い着物の霊装をまとったカエデだ。ちょっとだけ光る剣をライト代わりにゆっくり進んでいく。


「おい小娘。非常に納得いかんが我が付いているのだから、もっと堂々としろ。そんな調子では夜が明けるぞ」


「でも~! ここって何か出そうじゃない? さっきからずっと長い廊下を歩いてる気がするぞぉ……」


 彼女の肩には万軍の増援にも勝るであろう究極のイモムシが付いているというのに、情けないことである。


「そりゃ出るよ。さっき祓《はら》ったでくの坊が、このビルを常世《とこよ》に持っていこうとしていたからね」


「ええ!? ここって神隠しの現場なの!? ヤバくない?」


 何らかの意図があってか少し離れて歩くアゲハの言葉に、万軍の増援を肩に乗せているカエデは勢いよく振り返った。あまりの勢いに流石のイモムシもずり落ちそうになっている。ファイト一発。完璧なる接地力を持つ脚部が無ければ危ういところであった。


「平気、平気! 元凶が居なくなったから、この空間も少しずつ元に戻っていくよ! 霊的存在を狩るチャンスは今だけって事だけどねっ!」


「しゃくに障るが凶悪巫女の言ってる事は間違って無いぞ小娘。便乗してこのビルを探索中の我達が複数の霊的存在を発見しているが、少しずつ減っているようだ」


 肩に登り直して人心地ついた大きな我(イモムシ)がパーフェクトな補足をする。その通りだ。


「ええええ!? い、急がなきゃ!」


「っく! サポートしなければならない気がする! その角を右だ小娘!」


 慌てて駆けだしたカエデをまたしても謎の使命感に襲われているらしいイモムシが導いていく。

 分かれ道から偽装された通路。

 果てには、だまし絵のようになっている階段などなど。

 怪しげな障害物を次々と看破し、的確な指示で走破させていく。


 流石は我、完璧なるナビゲーション能力である。


「うんうん、やる気があるようで大変よろしい!」


 その後を巫女がつかず離れずの距離でついていく。

 たまに障害物に引っかかっているが、あの化け物を止めるには耐久性が足りないらしく。彼女が軽く払っただけで霧散《むさん》していた。何とも儚《はかな》いものである。


「そこのドアだ! 突入しろ小娘!」


「合点承知だぞ~!」


 カエデがバンッ! とドアを蹴破って部屋に突入すると、中では大勢のスーツ姿の人々がデスクでパソコンと格闘していた。

 モニターに釘付けになって、カタカタカタカタと猛烈にキーボードを叩いている様子には狂気すら感じる。


「あれ~? お仕事中……なのかな?」


「そんなわけ無かろう」


 お仕事の真面目な雰囲気に怯《ひる》んだ不真面目なカエデに、最も正しきイモムシの鋭いツッコミが炸裂する。

 会社の形が文字通り変わっても仕事を続けるとは、どんな集中力なのであろうか。


 ゆっくりとモニターから視線を外してカエデを見た人々には顔がなく。

 顔の代わりに青い炎が灯っている。

 立ち上がりキーボードを握りしめた炎頭達は、大きく振りかぶりながらカエデ達に飛びかかってきた。

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