激闘(その六)
二隻の装甲艦は速度を緩めない。このまま要塞に頭突きしそうな勢いだ。
というより、本気でそれを狙っているのかも。
茨城、鹿児島、神奈川、千葉の混成艦隊は、一塊になって敵陣を突き進んでいく。
一方、山梨県の黒い機体と、長野県の白い機体は、あとを追わなかった。
装甲艦の陰からでは、攻撃可能な角度が限定されてしまう。
それよりは、今いる場所から遠距離攻撃で味方を援護した方がいい。
混成艦隊の要塞接近に伴い、敵の攻撃は激しさを増した。特製の霧によって、各量産機の動きは鈍くなっているものの、その効き目は徐々に弱まってきている。
そんな中、二人の美少女が無言になった。ひたすら要塞へと向かっていく。
ここまでで装甲艦の体力ゲージは、大幅に削り取られていた。もう長くはもちそうにない。
しかし、さらなる加速をして、ぎりぎりで届く。
要塞はすぐ目の前だ。
「よしっ!」
二人の美少女が叫ぶ。
と同時に、緑色の装甲艦が躊躇なく、紫色の要塞に頭から突っ込んだ。
これまでのお返しとばかりに、そこにある扉の体力ゲージを、いくらか削り取る。
自分たちの役割をしっかり果たして、装甲艦が電脳空間から消滅していった。
これに二隻の戦艦が続く。
「全攻撃を叩き込め!」
「そのあとは突撃だ!」
茨城県と鹿児島県が切り開いてくれたチャンス、ここで絶対に決めてやる!
「神奈川県の本気を!」
「千葉県の本気を!」
全力でぶちまけるのだ!
戦艦の甲板に並んだ砲列、それらが惜しみない攻撃を一斉に加える。
その上で、要塞への突撃も敢行した。電光石火の強襲である。
ものすごい衝撃によって、電脳空間が激しく揺れた。
今の猛攻で、要塞の扉を突破できたのか。
さらには、東京都の秘密兵器を止めることができたのか。
離れた場所から、山梨県知事と長野県知事は様子を探る。
要塞及びその周辺では、電脳空間の画質が大きく乱れている。なかなか状況を確認することができない。
少しして、二人の県知事は目撃する。
要塞の扉は・・・・・・今も健在!
あとわずかだが、体力ゲージが残っている。四隻による突撃でも、完全には削りきれなかった。
よって、東京都の秘密兵器は今も動き続けている。
山梨県知事と長野県知事はすぐさま決断した。
ここで東京都を止めることができるのは、もう自分たちしかいない。
しかしながら、この二機の通常攻撃では、あの扉に十分なダメージを与えるのは難しそうだ。
戦艦二隻の一斉攻撃、あれによるゲージの減少具合から考えると、あの扉、かなりの防御力を有していると見た。
こうなったら、奥の手を出すしかない。
「『合体』だ!」




