激闘(その三)
黒い機体が躍動する。
大きな軍配で敵の量産機を、次々と殴り倒していく。
風のごとく走り、火のごとく攻める。厚い装甲があるので、少々の被害は厭わない。
無骨にして王道。そんな戦い方で確実に敵を減らしていく。
接近戦はまずいと、敵の大軍が距離をあけた。
すると、戦い方を変える。
黒い装甲の複数箇所が展開。内部から出現した武器で、遠距離攻撃を行う。
戦艦の武器には劣るものの、連射速度なら、こちらが上だ。怒濤の攻撃で敵を撃破していく。
一方、白い機体も負けてはいない。
本体の周囲に浮遊する、四つの黒い天守閣。これらの支援機には、二つの役割があった。
ある時は矛として、敵に対して光線を放つ。
また、ある時は盾として、バリアを張って味方を守る。
最初こそ本体の周囲にいたが、今や天守閣は戦場を自在に飛び回っていた。
まるで将棋の名手が、盤上全体を巧みにコントロールしているようだ。白い機体は四つの天守閣を的確な地点に移動させて、味方を攻守両面で支えている。
四つの天守閣に翻弄された敵の一団は、ある地点へと誘導されていた。
二隻の戦艦による光線が、その地点を駆け抜けていく。これで一気に、敵味方の戦力差が縮まった。
さらに、すべて支援機任せではなく、白い機体自身も大きな弓で攻撃する。光の矢で敵を正確に仕留めていった。
「やるな」
黒い機体が言うと、
「そちらこそ」
白い機体も返す。
だが、敵の増援部隊がどんどんと集まってくる。
時間をかけてはまずい。せっかく縮めた戦力差が、またもや開いていく。
神奈川県知事と千葉県知事は決断した。
「俺たちが先行する!」
「山梨と長野は援護を頼むぞ!」
二隻の戦艦が速度を上げた。
しかし、宇宙要塞に動きがある。
巨大な砲塔の内部がいきなり輝き出したと思ったら、次の瞬間には、ものすごい光線を放ってきた。
神奈川と千葉の二隻は反射的に、緊急防御と緊急回避を併用する。
艦の真正面に高圧縮したバリアを展開させつつ、さらに艦を大きく斜めに傾けての回避を行った。
この場面では最善の対処だったと思う。
だが、被害は小さくない。




