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グンマ県、海を買う  作者: ℃


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二人の美少女

 星空(ほしぞら)の下、二人の美少女が日本(にほん)庭園(ていえん)を歩(ある)いていた。


 どちらも銀色(ぎんいろ)の浴衣(ゆかた)を着ている。


 庭園内にある大きな池(いけ)に向かって、美少女たちは歩(ほ)を進(すす)めた。


「さて、どうしよう?」


「本当にどうしよう?」


 ここは電脳(サイバー)空間(スペース)だ。現実(げんじつ)ではない世界。


 なので、「池の水面(すいめん)を歩く」ことも、こんな風に可能だ。


 実際(じっさい)にはあり得ない「お散歩(さんぽ)」をしながら、二人は秘密(ひみつ)の会話を続(つづ)ける。


 彼女たちの浴衣(ゆかた)には名札(なふだ)がついていた。右が「いばらき」で、左が「かごしま」。この美少女たちは、両県の県知事(けんちじ)の「アバター」である。


 二人は先ほど、アメリカから重要な情報(じょうほう)を「二つ」聞いていた。


「次の『フロンティア・オークション』、大変なことになりそうだね」


「そっちも大変だけど、もう一つの方も大変だよ」


 まず、一つめの情報。


 今度の『フロンティア・オークション』には、これまでにないものが出品(しゅっぴん)される。


 たぶん、激(はげ)しい争奪戦(そうだつせん)になるだろう。自分たちも参加(さんか)したい。


 しかし今回、他に大きな懸念(けねん)事項(じこう)がある。


 それが、二つめの情報だ。


 二人は同時にため息(いき)をつくと、


「こんな時に隕石(いんせき)とはね・・・・・・」


 なんと、地球に隕石が迫(せま)っているのだ。


 茨城(いばらき)県と鹿児島(かごしま)県、両方にある宇宙(うちゅう)センターでは現在(げんざい)、隕石の予想進路を計算している。


 この計算、「当日」まで続(つづ)けることになるだろう。


 なにせ今回の隕石、ただの隕石ではないのだ。


「一つでも厄介(やっかい)なのに、一度に三つとはね」


「しかも、その三つがかなり近い距離(きょり)を飛んでいるという、ウルトラレアケース」


 もしも、隕石の一つが他のにぶつかりでもしたら、それぞれの進路は大きく変わってくる。そんな可能性も考えて、予想進路を導(みちび)き出さなければならない。


 そういった特殊(とくしゅ)な事情(じじょう)が、予想進路の計算をものすごく複雑(ふくざつ)にしていた。


 はたして、隕石は地球に衝突(しょうとつ)するのか。


 その場合、地球のどこに落ちるのか。どのくらいの被害(ひがい)が出るのか。


 隕石が地球に近づくほど、得られる情報は増(ふ)えるので、計算の正確性は高まることになる。


 ただし、いくら計算が正しくても、その「結果(けっか)」に対処(たいしょ)できる時間がほとんど残(のこ)っていないかも・・・・・・。


 それでも、計算は続(つづ)けるべきだ。


 茨城県と鹿児島県は、そのことを確認(かくにん)し合った。


 そして、もう一つの方も話題(わだい)にする。


「『フロンティア・オークション』についてだけど」


「さて、どうしようか」


 しばらく会議したあとで、二人は答えを出す。


「とりあえず、自分たちのできる範囲(はんい)で♪」


「最低限の準備(じゅんび)くらいはしておこう♪」


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