入学の準備を少しずつ進めよう ②
「よし、この寮にする」
私がそう言って決めたのは平民寮の中でも比較的寮費が高いもの。それで一人部屋にするのでかなりの額だ。とはいってもわたしがこれまで錬金術などで作って売った金額よりは全然少ない。
……わたし、自分のお金でも結構色々購入しているつもりだけど、やっぱりパパとママに買ってもらったものの方がずっと多いもんなぁ。
「なら、そこに入れるように手続きはする。もっと暮らしやすいように色々道具作るか?」
「いや、パパ。もう既に色々身に着けているし、これ以上はいいよ。わたし、他の人と同じように色んなことをしたいし」
パパはやはり過保護すぎでは? なんてわたしはそんなことを思ってしまう。なんだろう、わたしのことを心配しすぎてしまっているからこそこんなにも色んなものを与えてくれようとするんだろうな。
こうして考えてみると、わたしってパパとママから沢山のものをあたえられている。わたしもパパとママにもっと色んなものを渡せるようになりたいな。
学園生活で経験した様々なことを伝えたらパパとママは喜んでくれるだろうか。
「そうか。……そもそもあれか、ベルレナは自分でそういう道具が欲しくなったら作れるか」
「うん、確かにそうかも。お友達と一緒に作ってみてもありかなーって思ったりもするよ。そういうのでも成績付いたりするのかなぁ」
正直ちゃんとした学園の仕組みは入学してみないとわからないかもしれない。でももしそういう作成をするだけで学園でも評価してくれるなら素晴らしいことだよね。
でもどうなんだろう? 普通は魔法学科の人達は道具作ったりしないのかなぁ。わたしはニコラドさんと一緒に杖なども作ったけれど、普通は作らなかったりするんだろうなぁ。
わたしは自分で作った方が望む形に近づけると思うからその方がきっといいなぁって思うかな。もちろん、考え方は人によって違うから強制することは出来ないけれど。
「評価はされるんじゃないか?」
「でも学科的に違うかなーって道具作る学科も別にあったはずだからそっちじゃないと評価されないのかなーって」
「どうだろうな? その辺はニコラドに聞いた方がいいかもしれない」
なんかわたし、魔法が一番好きだけれどもそれ以外のことも沢山行いたいなって思う。だってその方が楽しいし、パパとママに近づけそうな気はする。
「ニコラドさんと学園長に色々聞いてみる! でも学園長はわたしがパパたちの娘だからって萎縮してしまったりするかな? 無理にわたしだけを特別扱いされるのは嫌だなって思うし、ちゃんとそれも伝えないと」
学園長は魔導師であるニコラドさんを師として慕っているからこそ、余計に魔導師のことを特別に思っている感じだった。だからわたしがこうしたいああしたいとか口にしたら、何でも頷いてしまいそうな危うさはあるなって思った。
そう言うの嫌なんだよね。
わたしは当たり前の学生として過ごそうって思っているし。そもそもわたしだけ特別扱いされていたらきっと色んな人から妬まれそうな気はする。
「あー、まぁ、それはあるかもな。ちゃんと言っておいた方がいい」
「そうだよね。あと学園長とももっと仲良くなりたいなって思っているけれど、何か贈り物とかしたら賄賂みたいに思う人もいそうだよね……」
何だか純粋にニコラドさんの弟子の学園長とは仲良くなりたいなって気持ちはある。それでも下手に贈り物をして問題になったりしても困るなっても思う。
贈り物をあげたから、優遇してください! みたいな思考で、何かプレゼントする人っているみたいだし。
あとは貴族の子供達だと、少し成績が足りないとかあった場合に寄付をして入学しやすくしたりとかはあるって聞いた。
正直、少しだけ勉強が足りないならどうにでもなるけれど、基礎的な知識が足りないとかだったら……うん、結局追いつけないんじゃないかなとは思う。あとはそうだよね、そう言う風なことで学園を卒業でもしたら、ズルをする人っては認識されそう。それはその子自身にとっても凄く大変なんだろうなってそうも思うよ。
「別に賄賂と思われても気にしなくていいけれどな。そんなものなくてもベルレナは問題ない」
「まぁ、そうだけど! でも周りから変な目で見られるのも嫌でしょ? でもわたし、どうしても譲れないことがあったら絶対に譲らない気がするなぁ。周りからどう思われたって気にしない! って突き進みそう。その時は周りの人達に相談してどうにか出来たらなって思うけれどね」
わたしは譲れない部分があったら、絶対に譲らないだろうなぁ。何か言われたとしても頑固に言い張りそう。
……でも周りの考えと反発していたらどうしよう? ちゃんと話し合いはしようとはするんだろうな。
色んな人が居れば反発なども沢山ありそうだよね。
だからどうしようかなってそんな気持ちには今からなっている。
「そうだな。何かあれば相談しろ。すぐにかけつける」
「もう、パパはやっぱり過保護だね? 本当にピンチの時はパパのことを呼ぶけれど、それ以外の時はちゃんと一人で解決するからね」
わたしがそう言って笑えば、パパは頷いてくれた。




