入学の準備を少しずつ進めよう ①
学園の試験に合格したわたしは、パパとママと一緒に学園入学の準備を進めているよ!
なんというか、もうすぐ学園に入学するんだなって思うと常に顔がにやけているかも。わたし、凄く楽しみなんだよ!!
「ベルレナ、これを」
そう言ってパパから渡されたのは、足首の下に身に着けられる目立たない道具だ。
「これは?」
「帰りたい時にすぐにこっちに帰ってこられるように作ったものだ」
「ああ、そっか。パパはわたしに週末ごとに帰ってきて欲しいって言ってたもんね」
「学園長にはニコラド経由で伝えてもらっている。寮で自由に使って構わないと言っていた」
「ありがとう、パパ!!」
パパって決まりとかは守らなくてもいいかって思ってそう。でもわたしがちゃんと学園長にも許可をもらった上でじゃないと使いたくないって思っているのを知っているからこそだろう。
「わたし、学園に入学したら何度も帰ってくるよ。パパとママには会いたいもん。でもあまりにもかえってきすぎても自立出来ないなって思っちゃうから我慢はするよ?」
「我慢する必要はない」
「もうパパってば、そういうことを言って……。パパがわたしに会いたいだけでしょ?」
わたしはパパがわたしのことを大好きなんだって知っているんだからね!!
パパはね、わたしに会えないって思っているの、きっと寂しいんだと思う。出会った頃は研究のために使うなんて言っていて、わたしが消えたとしてもどうも思わなかっただろうに。
今はすっかりわたしに何かあるのは嫌だって思ってくれているし、わたしが居ないと寂しって思うんだろう。
「……ああ」
「パパがそんなにわたしに会いたいっていうのなら、ちょくちょく帰ってくるよ。わたしもパパに会えないの寂しいもん。学園に入学するまでの間、パパにべったりくっつくからね?」
パパとしばらく会えない分、パパにべったりしたい。もちろん、ママともね。
「ねぇ、パパ。わたしが学園に入学している間、ママと仲良くしてね? わたしに母親が居た方がいいからって理由で家族にしたのも知っているけれど、わたしが居ないからってママに冷たくしちゃだめだよ?」
パパは何だかんだママのことをそれなりに大切には思っているとは思う。少なくとも家族として認識はしている。
それが恋愛感情であるかどうかというと微妙だけど、家族愛はある。
わたしが居ない間に、パパとママがもっと仲良くなって欲しいなってそんな気持ちでいっぱい。
「ああ」
「わたしはね、帰ってきた時にパパとママが喧嘩してたりするの嫌だからね? そんなの見たら、わたしがパパと喧嘩になっちゃうかも」
「……ベルレナと喧嘩」
「想像しただけでショックを受けているなら、そんなことはしないでね? 本当にどうしても耐えられなくてママと一緒に居られないって事態になる前にちゃんと私に相談して?」
わたしが幾らパパとママと仲良くなって欲しいと思っていても、それって強制出来ることでは決してない。
だからどうしてもどうしようもないってなる前に相談してほしいなと思う。
二人で互いに話し合いをしてそのまま家族じゃなくなるならそれはそれだと思うけれどね。
「ああ」
パパが頷いてくれたので、わたしはほっとする。
パパってわたしとママと家族をやっていることを楽しんでいて、居心地が良いとは思ってくれているからこのまま何もなければわたしたちはずっと家族で居られるんだろうなとはそうも思っている。
わたしはパパがママに恋愛感情を持ったらいいなってずっと思っているけれど。
「寮の資料は見たか?」
「うん。どこがいいか悩むね」
入学試験に受かったので、寮に入るための準備もしているの。寮は幾つかあるから、何処に入るか悩む。貴族用には入らないとして、平民向けで生活しやすいものがいいなとは思っている。
ただ学生の数が多い分、寮も幾つかあるんだよね。
それに寮に入らず住み込みで下宿する人もいるみたい。わたしは下宿はするつもりはないけれど、特に平民だと生活費を稼ぎながら学園生活を送ることになるからそういう仕組みがあるのは良いことだよね。
あの学園は学生たちが生活しやすいようにする補助や仕組みが盛りだくさんあるのだ。
「どの寮も良さそうなんだよね」
そこまで寮費がかからない寮でも問題なく過ごせるだけの心地よさはありそう。わたしは一人部屋がいいし、パパとママが問題ないって言ってくれているから良い寮に入る予定!
わたしは誰かと共同生活はしたことないけれど、どれだけ生活音とか聞こえるんだろうか?
学園長に相談をしてから、部屋の中で防音の魔法とか使ってもいいかは聞いておこうかな? わたしは割と日常的に魔法を使っている方だけど、そう言う人は少ないって聞いているし。
いちいち許可を取るのも大変だし、纏めて色々聞いとくのがいいよね。




