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夏が来て、パパとママと遊びに出かける ④

 

 調味料を幾つか購入して、お店の外に出る。人気のないところで、収納庫にしまう。わたしのような子供がこんな魔法具を持っていると下手に注目を浴びてしまうもの。

 だからそのあたりはちゃんと考えているの!



 自己防衛って大事なんだよ。特にパパとママと別々で移動している時はね。

 そう思っているので、そのあたりはちゃんと気を付けているの。

 食べ歩きもしてみることにする。



 屋台などもあったりするんだよ。屋台に売られているもの、沢山の種類で何を食べようかなとワクワクする。

 わたし、そこまで沢山のものを一気に食べられたりはしないの。朝食もいっぱい食べたし、その後に作ったものの味見とかもしたしね。



 そう考えるとわたし、食べ過ぎているかも?

 太らないようにはしないとなぁ。わたし、綺麗なものが好きだからまだ綺麗なままの方が嬉しいもん。太りすぎていると思う存分動き回ったり出来なかったりするもんね。わたしは身体を動かすことも好きだから、自分のやりたいように出来るようにはしたい。


 愛想よく笑いかけたら、店主の人達も嬉しそうに笑ってくれる。ちなみにちょっとおまけしてもらったりもした。




「美味しい」



 魚を揚げたものを口にすると、自然と笑顔になる。

 美味しいものを食べるとにこにこしてしまう。食べ歩きをするのも楽しくて大好き。




 そういえば学園に行ったら、学生主導のお祭りなども行われたりするんだって。そう言う話をニコラドさんから聞いている。

 まるでこの街の様子って、お祭りが行なわれているみたいに賑わっているんだ。




 それにしても恋人を作ろう的なイベントも見かける。わたしは子供だから誘われたりすることはなかったけれど、もう少し年を重ねているお姉さんやお兄さんたちは「参加しませんか?」と声を掛けられていた。

 そのままその誘いに乗って、イベントに参加している人達も楽しそうだなぁ。



 恋人を作るきっかけってきっと色々あるんだろう。わたしが想像出来ないぐらいに沢山のきっかけが。

 街の人に色々聞いて回ったら、凄く幸せな気持ちになれるような馴れ初めを聞くことが出来るかもね。

 ちなみに喧嘩している男女も見かけた。幾ら恋人の聖地と呼ばれていて、仲良くしている男女の方が多かったとしても仲違いをする人ってやっぱりいる。ただ街のコンセプト的に喧嘩している男女ってよく見えないのかも。



 すぐに周りが仲裁に入っていた。ただしヒートアップしていたようで、なかなかおさまっていなかった。

 そのためどこかに連れていかれていた。大通り以外で喧嘩してほしいんだろうなぁ。それにしても恋人同士の喧嘩って結構派手な感じのが多いんだな。あんなに物を投げたりしていてびっくりした。




 魔法使い同士の喧嘩とかだともっと凄そう。……というかパパとママも魔法でやりあったりよくしていたらしいし、周りからしてみれば大変だっただろうな。ママはパパが好きだから、ちょっかいをかけていたわけだけどそんなことは周りには分からないし。

 わたしも誰かと喧嘩したら、手を出してしまったりしてしまうかな。



 いや、なるべくどれだけ感情的になったとしても手は出さないようにした方がいいに決まっている。わたしはなるべく冷静でいられるように心がけておこう。

 ああ、でもわたしは……パパの身に何かあったら怒ってしまう気はする。




 わたしはママのことも大事だし、ニコラドさんのことも好き。契約しているユキアやシミーレのことも。それにこれまで出会った人たちも。

 けれどわたしにとってはパパって、凄く特別なんだ。だってわたしはパパが居なかったら、いまここにはいないから。



 身体から追い出されて、そのまま消える予定だったわたし。パパが居なければ、わたしはそのまま独りぼっちで、居なくなっただろう。




 パパはわたしよりもずっと強くて、パパに何かあることはないって思う。それでも何かあった時、わたしはパパに何かした人を許せない気はする。

 例えばわたしに恋人が出来たとして、パパとどちらをとるかなんて究極の選択を取られたら――パパを迷わず取るだろうなとも思う。

 そんな選択はそもそもされないとは思うけれど……。どちらかとしか一緒に居られないとかだったら、パパのが大事。




 でも恋をしたら、その感情におぼれて冷静で居られなかったりすることってあるらしいから実際にその時がこないと分からないけれどね。




 そんなことを考えながら食べ歩きを続ける。

 いっぱい食べている気がする。

 楽しいと、あっという間に時間も過ぎていく。もう少しぶらついて、そのまま帰ろうかなと思っていたら泣き声が聞こえてきた。

 込み入った路地の方を覗き込むと、大人の女性が座り込んで泣いていた。



「大丈夫?」



 わたしが声をかけると、女性は顔を上げた。


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