表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/47

痺れる朝の二度寝 (ミニ)

私は渋々、口の中のブツを噛み砕き始めた。

……うん。確かにもの凄く、猛烈に、吐き気がするほど不快な食感だわ。

まるで生きたカタツムリかナメクジをそのまま奥歯で咀嚼している気分。噛むたびに、この世の終わりみたいな最悪の後味が容赦なく溢れ出してくる。

ようやくの思いでそれを飲み込んだものの、喉を通る時でさえ数十個の細かい破片に分裂して蠢いているようで、ちっとも落ち着かない。

最悪。さっきよりも余計に水が飲みたくなってきたじゃない。

もちろん、全身にぶちまけられるんじゃなくて、ちゃんと口から飲むまともなやつをね。

――と、そこへシズエが水の入ったコップを差し出してきた。

小さな手足で一生懸命にコップを支えながら、ヨロヨロと危なっかしい足取りで運んできてくれたのだ。

私は彼女の負担を減らすべく、ありがたくその貴重な贈りコップを受け取ることにした。

シズエは「ふぅ」と重たげに、けれど同時に安心したようなため息をつくと、ぺこりと一礼した。

そして瞬時にちびっ子たちのグループへと戻り、遠巻きに私の苦しむ姿を観察し始めた。

……うん、いい子ね。私の苦悶の表情を特等席で観劇したいだけのことはあるわ。

とはいえ、冷たい水はまさに救いだった。

喉を潤すたびに、口内を支配していた地獄のようなアゴニー(苦痛)がほんの少しだけ和らいでいく。

完全に渇きが癒えたわけではないけれど、無いよりは遥かにマシよ。

――あ、大脳の感覚領域が何かを感知したわ。これがモニカの言っていた効果ね。

両腕の感覚がじわじわと麻痺し、完全に消えていく。

……ただあの女、腕だけじゃなくて『足まで』完璧に痺れて動かなくなるなんて、一言も言ってなかったのだけれど!

「あと数時間は寝てなさい。まあ、どのみちこれからの4時間は指一本動かせないでしょうけどね!」

モニカは愉快そうに高笑いすると、私の身体を新しい寝床へと横たえさせた。

さっきの場所はまだ水浸しだったからね。

私のこの完全に無力化した状態に付け込んで、あの濡れネズミ用の絨毯の上に放置しなかったことだけは、素直に感謝しておくべきかしら。

私はそっと目を閉じた。

まぶたの透過スキルは任意でオフにできたから、外の光が睡眠を妨げる心配はない。

……さて、それじゃあ。

おやすみなさい、素敵な朝の始まりに。

お読みいただき、本当にありがとうございます!

今回のエピソードは他の話の半分ほどの長さになってしまったため、タイトルに【ミニ】と付けさせていただきました。残りの文章をどこに挟むべきか悩んだ末の、少し変則的な判断となります。

もしこの物語を少しでも面白いと思っていただけましたら、ページ下部からブックマーク登録や星(★)評価をしていただけますと幸いです。趣味で執筆しているアマチュアの私にとって、皆様からの応援は最大のモチベーションになり、作品の大きな支えとなります。

また、ご感想もお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ