表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亡国の天才魔術師レルゲンの成り上がり~孤独だった俺を救ったのは、命がけで護った敵国の王女でした~【19万pv作リライト版】  作者: 雪白ましろ
第二部 高難易度ダンジョン編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/202

95話 突然の幕引き

 セレスティアが頷き、即座に魔術で性質変化させた大小様々な氷の塊を生成する。

 それをレルゲンが念動魔術で操作し、次々とカイニルに向けて高速で飛ばす。


 剣で叩き落とせる大きさのものだけを斬り払い、その他の氷塊は涼しい顔をしながら、カイニルは最小の動きで回避する。

 術師であるセレスティアに刃を向けようとしたが、自身の影よりも何倍も大きい影が、地面を覆っていることに気づく。


 即座にカイニルが上を見上げ、超巨大な氷が落下を始めていた。


「こっちが本命ってわけね!」


 カイニルはこの圧死攻撃を後ろに跳んで回避するが、地面に落下し、少しの地鳴りがする。

 だが、その氷塊は意思を持っているかのように、カイニルに向かって地面を削りながら突き進んだ。


 ――これは間違いなく念動魔術による追撃……!


 迫り来る氷塊を一度は受け止めようと、カイニルは足に力を込めて地面を抉ったが、地面が線を引くように後退させられていく。


「ぐぅ……!!」


 カイニルを轢く、あと一歩のところまで追い詰めたが、天歩の加護で上空に逃れ、氷が行き場を失い、粉々に崩れた。


 カイニルが一息付くように息を吐き出したが、レルゲンたちのコンビネーションは止まらない。


 セレスティアが風の上位魔術――テンペストを無詠唱で発動し、同時にテンペストをレルゲンが持つ黒龍の剣に、念動魔術で固定する。


 纏った風の上位魔術で、空中にいるカイニルへ斬りかかり、一合打ち合う度にカイニルの薄皮が切れて軽く血が飛んでいく。


 しかし、負った傍から勝手に回復していき、これでは意味がないとカイニルは思ったが、それでもレルゲンは斬り込みを止めない。


「それ以上やっても無駄よ。私には自然治癒の加護があるの」


「やはりな。加護の複数持ちだとは思っていたさ」


「じゃあ無駄なことってわかるわよね?」


「どうかな、左腕を見てみな」


 打ち込みの追加攻撃で切れたところ。自然治癒の加護が発動していても、治るのに時間がかかり、完全修復まであと少しの時間がかかる。


「自然治癒の加護は光のリジェネライト・ヒールが常時かかっているものだ。であれば、連続で深い傷を与え続ければ良いだけのことさ」


「やるわね……?」


 黒龍の剣から繰り出される風の追加攻撃に意識が向いた中で、カイニルが一度距離を取ろうとするが、レルゲンもここは引かずに食らいついていく。


「オオォォォオ!!」


「……!!」


 気合いが込められ、自身の魔力を黒龍の剣に付与した一撃の速度が上がる。


 激しい剣戟の応酬が続いていき、二刀によるフェイントを織り交ぜた動きにカイニルは変更したが、咄嗟に出来た隙を浮遊させた鉄剣で防いでいく。


「厄介な戦い方ね……! でも素敵だわ」


「相変わらずのイカれようだな」


 お互いに少し悪い笑みを浮かべながら、一段と速度を上げて剣戟の応酬が続き、剣と剣の衝突音が響いた。


 セレスティアはレルゲンの邪魔をしないように、静観し見守っている。


「勝ってください! あなたならやれるはずです……!」


 その思いがレルゲンに届いたかは定かではないが、剣戟が止まり鍔迫り合いの状態になったとき――黒龍の剣に纏わせていたテンペストを解除し、風の上位魔術を無防備状態のカイニルに当てることに成功する。


 全身を風の刃で切り裂かれたカイニルは、血が滴る手の甲を見て怪しく笑い、舐め取ると傷が既に消えている。


 そして、カイニルが攻守を逆転させようと「秘剣……」と呟いた。


 また神仙――雪中花が来ると思い、レルゲンは剣の軌道上に帯同していた剣で防御の体制を取るが、今度は違った。


「二の舞――」


 とレルゲンに近づいた瞬間、どこからかテクトの声が聞こえてくる。


『せっかくのデート中に申し訳ないが、そこまでにしてもらおう』


「どこから見ているか知らんが、余計な口を出してんじゃないよ――テクト!」


 カイニルがテクトに抗議を上げるが、テクトは続ける。


「準備が全て終わったんだ。だから君たちの素晴らしい戦いも、これで全て無意味になるということだ」


「何が無意味だ。姿も見せない奴が戦場を語るな」


 レルゲンも戦いを続ける意思が十分にあり、カイニルも同じ気持ちだと思っていたが、そうではないらしい。


「あーあ、白けたわ。レルゲン・シュトーゲン。楽しかった! ――またお互いに生きていたら遊びましょう?」


 とだけ残して、カイニルは天歩の加護でその場を後にする。

 カイニルが去った後に、ほどなくして大きな地震が発生する。


 揺れを感じ取ったセレスティアが、ダンジョンからの距離から考えても大きすぎる揺れに怯えていた。


「こんなにダンジョンから距離が離れているのに……! この大きさは……!!」


「一体ダンジョンで何が起きているんだ……?」


 不安そうなセレスティアの肩を抱き、落ち着けていると、テクトが高らかに宣言する。


『お待たせしたね。この私の最高傑作。七段階目の魔物の登場だ! 実に素晴らしい力だよレルゲン・シュトーゲン! 早く君に見せてやりたいくらいさ!』


「七段階目だと……! セレス、知っているか?」


「いいえ、見たことも聞いたこともありません」


 首を振って否定するが、その表情は暗く


「そんな、ありえない……」


 と零すだけで、セレスティアは思考が止まってしまっていた。


「ともかく、ヨルダルクのダンジョンへ急ごう」


 レルゲンは念動魔術で飛翔し、ヨルダルクのダンジョンへと速度を上げた。

読んで下さってありがとうございます!

もし続きが気になりましたら、ブックマーク、評価をお願いします!

ぜひ皆さんで作品を盛り上げて下さいね!

よろしくお願いしますー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ