4 *とある神達の雑談*
「あれ、またここ?……はぁ、クソ面倒」
何もない真っ白な空間に立つ、一人の『少年らしき影』。
らしき…と言うのは、彼がその姿をこの空間に定着しきれていないから。
空間に現れた時から、彼の姿は幻影のごとくブレまくっている。
「今度は何?……て言うか、すこし人使い荒くない?僕が『こっち』に来れるようになってから、呼びすぎだよ?」
何も無い空間に呆れた様に愚痴ると、少年は天を仰いだ。
『えっ………と、申し訳ありません』
そこに、澄んだ声が響いたと同時に、天が光を放つ。
そしてその瞬間、少年の前に一匹の神々しい白竜が舞い降りた。
「僕が目覚めてから回数ヤバいよね?僕だって暇じゃないんだけど」
『え、寝ていらっしゃる時間に呼んでますが?』
「だから“以前”とは違うの!人の子は寝ないと体に悪いんだから!神とは作りが違うんだから!」
神…と呼ばれる竜を叱り飛ばす少年。
誰が見る訳でもないが、もし第三者がいたらとすると、確実に腰を抜かすだろう。
『も、申し訳ありません……お会い出来るのが嬉しくてついつい』
首をうなだれ、少年に詫びる神竜。
こうなると、どちらが上か分からない。
「全く、いつまでたっても甘えたなんだから……可愛いけど」
【ツンデレか?ツンデレだな! (作者)】
『………?』
「何?」
『いえ、今よからぬ思考が?』
「………は?」
【おっとスマン、物語を続けてくれたまえ (作者)】
『…………は?』
「で、今度はどうしたの?神竜サマ」
可愛いと言いつつ、溜息混じりで問うツンデレ……ゴホン、ではなく少年。
『あ、いえ、あの王太子についてなのですが……』
少し悲しみを含んだ声色でボソリと言葉を溢した。
若干瞳にも涙が溜まっている。
美しい容姿の竜はその涙さえ絵になる。
「は?アレの話をするために呼んだの?」
神竜のセリフに、一気に膨れあがる少年の魔力。
あの王太子を「アレ」呼ばわりするあたり、彼がどれだけあのクソボンボンを嫌っているかが分かる。
「あの阿呆達については、僕に一任するって約束でしょ?ただでさえ、毎日顔見るのに、寝てる時くらい考えたくないんだけど!」
『ですが“父上”〜!』
少年の余りに恐ろしい表情に、神竜はガチ泣きで「昔の呼び名」で彼を呼んだ。
神竜は竜族。魂で繋ぐ一族は、どんなに姿を変えようと立場は変わらない。
「あのねぇ、この世界の神様があんな「小物」にいちいち感情左右されてたらダメ!僕の時はいつも冷静に観てたよ?」
やれやれと腕を組み、小首をかしげる少年に、冷静さを取り戻しつつ、彼に冷めた瞳を向ける神竜。
『父上が……冷静?他の神々からは、母上関係で散々大変だったと聞きましたが…たとえば』
「あーあーあー!きこえませーん!」
漫才のようなやり取り開始である。
「て言うか、あのジジババ連中め!次余計な事コイツに吹き込んだら、地上にあるアイツらの神殿ぶっ壊してやる!」
『父上………それは、地上でのお立場が危険ですから止めてください…あと確実に戦争になります』
「いいんだよ!バレなきゃ」




