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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第4章 貴族の粛正

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エリエッタ 第1回孤児院総合テスト

遂にこの日がやってきました。

本来でしたら学園に登校する日でした。


しかし、今年は絶対に負けられない戦いなのです。


第1回孤児院総合テスト。

計算問題、領の特産品、王国の地理を含む高難易度のテストです。


題目を決定したのは私です。


さすがにランキングから外れるような事は避けたいです。

そろそろ1位が欲しい所でもあります。


「エリー、気合入ってそうね。エリーゼも本気よ」

「もちろんです。今日は負けられないですから」

「もちろんです!」


馬車で会場に向かいます。

「全員が緊張しているのか、あまり会話がありません」


孤児院の中、なんて静かでしょう。

紙を捲る勉強の復習をしている音だけです。


「皆、良い気合ですね」

「ええ。学園では無かった緊張感ね。ちょっと危ない空気がするわ」


「さあ王女様達が座ったらテスト用紙を配るぞ、復習用紙をしまいなさい」

「はーい」


学園長の声で皆が動き出します。

かなり本気ですね。


「さあ、始めましょう。第1回孤児院総合テストよ。自分の実力を知って来年の励みにしましょう」


「おっし!」

「やるかー」

「はい!」


様々な気合の入った声が聞こえてきます。

騎士志望の方も室内の緊張感に、気になるのか中を覗く人がいます。


テスト用紙が裏返しで渡ってきます。


用紙の大きさは普通ですが、どんな問題か想像が出来ません。

事前に授業の無いテストは幅広い知識と、深さが求められるでしょう。


「さあ、制限時間1時間じゃ。テスト始め!」

学園長の声で始まります。


逸る気持ちを静めるため一度目を瞑り、心を落ち着かせ問題を見ます。


計算問題は大丈夫ですね。

領の特産品も勉強しました。

王国の地理は必須の項目です。


よし!

大丈夫です。


ざっと問題を見て、解けない問題は無いと判断しました。

焦らず解いていきます。


しかし、学園のテストとは難易度が違い過ぎます。

お城で勉強し続けていた私が、ぎりぎり知っている内容がテストに入っています。


しかし大丈夫。

毎日勉強してきたのです。

勿論皆も勉強してきたでしょうが、私は王女様の隣を歩くのです。


中途半端な点数を取る事など出来ないのです。


いける、いける。

自分を信じて最後まで問題を解きます。


よし!

とりあえず問題は全部解き終わりました。

後は計算ミスや記入ミスを探します。


名前の書き忘れは許されません。


大丈夫、大丈夫、大丈夫。


いける。

満点行けますよ!


「そこまでじゃ、テスト終了」

学園長の声でテストの終わりを告げました。


物凄い緊張感でした。


アリー王女様が声をかけます。

「テスト用紙を集めたら学園長とアンナ、アンネが採点して。答えは学園長から教えてもらってね」

「「かしこまりました」」


「今日中に発表よ。皆楽しみに待ちましょう」

「アリー王女様。お城に戻らないのですか?」


「ええ、落ち着かないもの。やっぱりこの緊張感が無いとね」

「確かに落ち着きませんね。大人達もテストに参加していますから、結果が分かりません」


「当然1位は私だと思うわよ?王女ですもの」

「そうですか?私が1位を今回は取りますよ。満点ですから」


「良い自信ね。結果が楽しみじゃない」

「はい。楽しみで仕方がないですよ」


王女様が少し大きな声を出します。

「2位の人が来年の問題を決めるわよ。1位が数人いた場合は次の順位の人ね」


「はーい」

「まじで難しかったぞ」

「やばい、文官として恥ずかしい順位は取りたくない」

「きつかったねー」

「範囲が広過ぎるよ」


様々な声が聞こえてきます。

本当の学園の姿がここにある気がしますね。


貴族の通う学園もこのような雰囲気でしたら良かったです。


「採点が終わったぞう。順位を張り出すから少し待っておれ」

学園長が順位表を準備しています。


「エリー、私達は1番上だから直ぐに分かるわね」

「はい、張り出された瞬間に分かります」


こんな事を言っていますが、ドキドキしています。

当然ですが怖いです。

それがテストです。


さあ結果が張り出されました。

1.アリエッタ・トリエイト

1.エリエッタ

3.クリスタ

4.ベルント(地理の先生)

5.アメリア(計算の先生)

6.エリーゼ

7.カロリーネ(薬学の先生)

8.フーベルト(総合の先生)

9.ホルスト

10.ベティーナ


「やった!やったー!ついに並びましたよ、アリー王女様」

「遂に頂きまで登って来た様ね、エリー」


流石クリスタさん。

王国を知り尽くしていますね。


諜報活動もしていたのですから当然ですが、テストも強いですね。


「ほっほっほ。上位2人は満点じゃ。やるのう」


「あのテストで満点かよ」(フーベルト)

「もっと来年は頑張る」(エリーゼ)

「教師が生徒に負けるなど、次回こそ」(ベルント)

「そうですね。負けられないですよ」(アメリア)

「よし、ランキング10位よ。流石エリエッタね」(ベティーナ)

「俺も、一桁。なんとか恥をかかずにすんだぜ」(ホルスト)


「さあ、クリスタ。来年の問題を発表よ」


クリスタさんが選ぶ題目が楽しみです。

気持の良い緊張感です。


「ええ。まさか王国を走り回った私が負けるとは思いませんでした。次回は計算問題、薬学問題、農学問題よ。学園長、お願いしますね」

「おおー、これはまた難易度の高い題目じゃの。計算問題は当然じゃが今年より難易度をあげるからのう」


「えー!」

皆から悲鳴が聞こえてきます。

私は逆にワクワクしてきました。


「さて、クリスタは推薦状必用かしら?」

「いいえ。私は特に必要ないです。大丈夫ですよ」


「まあ、そうよね。あっても変わらないわね」


「さて、来年はさらに楽しくなりそうね!」

「ええ、遂に私の単独1位が見えてきましたよ!」


不敵な笑みを交わし合い、絶対に負けられないと帰って猛勉強するのでした。

遂に名前が発表された学園の先生達です。

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