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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第4章 貴族の粛正

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リーゼロッテ 最後の任務

遂に最後の任務の日が来たわね。

姉さんからの呼び出しだから間違いない。


お城に入り姉さんの部屋に行く。

「姉さん、遂に終わらすのね?」

「ええ。一族最後の仕事として子爵家を綺麗にしてきて頂戴。暗殺だけで良いわ。資産の回収と文官の捕縛等は衛兵を派遣するから、当主関係者を殲滅ね。同時に騎士達も伯爵家を攻める。そちらは気にしないでね」


一族としての任務を終える事がようやく出来る。

絶対に犠牲者は出さないわ。


「意識していると思うけど、犠牲者は必要無いわよ。楽勝でしょう?」

「勿論、この仕事を終わらせて、後は中央が整うのを待たせてもらうわ」


王女様が私達の居場所を作ってくれるみたいですからね。

姉さんの悲願が達成される瞬間だわ。

仕事も調査任務になるでしょう。


「エリーゼはどうするの?エリーはお城で厳重に守るわよ?」

「最後ですから本人に確認するわ。終わったら報告に来るわね」


「ええ、素早くお願いね」

「勿論よ。それが私達じゃない」


「行ってくる」

「頼んだわよ」


私は軽く里まで走るとエリーゼに声をかける。

「エリーゼ、最後の任務どうする?エリーは姉さんが守ってくれるらしいわ」

「そうですね。一族の人間として最後だけは参加します」


「そう。じゃあ一緒に行きましょう」

「はい。お母様」


「全員集合!」

「はっ!」


姉さんに綺麗に粛正されて少なくなったわね。

残ったのは20人程。


でも、これで良かったのよ。

新しい時代に残せたのだから。


「最後の任務、子爵家の掃除よ。関係者の殲滅だけで良いわ。当然ですけど、犠牲者はありえない。無傷で終わらせます。襲撃に遭った事すら悟らせずにやるのが私達よ」

「はっ!」


「5人1班でそれぞれの領の子爵家を殲滅します。では予定通りに散開」

「はっ!」


「エリーゼ、私達は一番危険なアーベライン領よ。爆弾を流した馬鹿が里にいたからね。領内は全て持っているかもしれない。使う暇もなく、気が付かせる事も無く終わらせるわよ」

「はい。お母様」


「でわ、向かいます」

「はっ!」


私達に爆弾なんて関係無いわ。

気が付く事なく死んでいるのですから。


「私と娘で当主一族を粛正します。分家は任せましたよ」

「かしこまりました」


「エリーゼ、行くわよ」

「はい!」


今のエリーゼは既に私より強いのかもしれないわね。

動きに隙がほとんど無くなっている。


「いたわね、一気に行くわよ」

「勿論です」


「エリーゼ、行きなさい」

「はい!」


エリーゼも毒や麻酔を使う様になったのね。

麻酔で眠らせ毒で殺す。


声を出す事すら出来ないでしょう。


ナイフの届く距離なら即殺出来る様になったのね。

もう室内に突入している。


最後に娘の仕事を見学して終わりそうだわ。


本当に静かだわ。

足音も声もしない。


鳥の鳴き声が良く聞こえるわ。


私が入ると邪魔になりそう。

そろそろ出てくるでしょう。


出て来たわ。

本当に強くなった。


「終わりました。生存者はいません」

「お疲れ様。仲間が集まるのを待ちましょう」


これだけ強くなっても、まだ足りないのよね。

この国に姉さんより強者はいないと思う。


それでも万が一がある。

それを防ぐために地獄を歩く。


恐らくエリーは今のエリーゼよりも強い。

それが分かるからエリーゼも歩き続ける。

本当に悲しい事ね。


でも、悲しい連鎖もやっと終わらせる事が出来る。

姉さんが色々考えて改善しても、粛正しても終わらなかった。


娘達の代で終わるのは嬉しい事。

でも、私達の代で終わらせたかった。


全てが綺麗に整った後、娘達の仲が戻れば私としては最高ね。


「終わりました」

「お疲れ様。では里に戻ります」


里の粛正をせずに最後の任務をしたら本当に危なかったわ。

一族で殺し合いをする所だったのだから。


犠牲を貴族のせいにして戦いを長引かせる。

一族で殺し合いをしていたら終わらないわね。


貴族がここまで増長したのは王族の責任だけど、一族の責任もある。

暗躍して有能な人間を殺していたのでしょう。

だから姉さんが城に入って止めた。


結果だけ見れば全て姉さんの思惑通り。

ただ、王女様の改革の規模が大き過ぎたのは想定外。


でも嬉しい誤算でしょう。

新しい時代を感じる事が出来るのだから。


貴族がいなくなって終わりじゃない。

違う国の形を娘達が見せてくれるのだから。


私はお城に入り、姉さんの部屋に行く。

「終わったわよ。姉さんの思惑通りにね」

「そうね。娘が孤児院の改革をするまでは、思惑通りだったわ」


本当に面白い物ね。

孤児院の改革が王国の改革まで発展するのだから。


姉さんが思惑を外されて満足そうなのは初めて見るわ。

姉さんの思惑を外した人は今までいないのだから余計に面白いわ。

綺麗にして終わりです。

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