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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第3章 王立学園2年生

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閑話 ディアナ 子育て失敗

少し残酷な描写があります。

苦手な方は注意して下さい。

お母様から今年の学園での任務を聞きました。


「あなた達は全力で貴族の子の、見える雑音を全て消しなさい。授業中に送られてくる暗殺者の対応は姉さんがしてくれるわ。今年に限っては王女様とエリエッタ様に血を見せるのは禁止よ」

「「はい!」」


やばい、やばい。

王妃様まで動くのに私達がミスをしたら死ぬ。


「姉さん。本気で危険な任務になったね」

「まずいよ。私達が死ぬ可能性があるから」


本当にお願い!

馬鹿だと思うけど静かにしていて。


それ位なら出来るでしょ?

お願いします!


新入生歓迎挨拶の最中、外に暗殺者の気配がある。

10人位いると思うけど即座に反応が消えた。


嘘でしょ?

怖ろしい人が外にいます。

身内ですから余計に怖いんです。


「姉さん、何が起こったのかな?」

「恐らく叔母様が瞬殺したんだよ」


「一瞬だよ?そんな事可能なの?」

「最強だよ?可能に決まってるじゃん」


こんな状況で任務なんかしたくないんだから。

私達いらないじゃん。


駄目だ!

仕事に集中しよう。


エリエッタ様に絡む馬鹿は足を踏むだけで許してあげよう。

いや、一言声かけておこうかな。


エリーゼはどうやって対応するかな?

あえてナイフを掠らせる?


血が出たら駄目だから、投擲物があったらナイフで落とす位かな。

今年は私がメインで2人の護衛だね。


さっそくいるね。

(前見て歩け。次ぶつかったら殺すぞ!)

そして足を踏む。


教室に行くまでに20回以上やる事になるとはね。

エリエッタ様の心の強さを当てにしては駄目だ。

これは酷過ぎる。


あっと水を掛けようとしているのかな?

これは私の仕事かな?


エリーゼが器に亀裂を入れたね。

さすがに上手いや。


(また同じ事したら殺すぞ!)

そして足を踏む。


貴族からの投擲物は全て掴み相手に投げ返すと。

眉間めがけて強めに。


手紙は中身を確認。

【乞食姫の腰巾着】


本気で駄目なやつだ。

エリーゼにサインを送って2人の護衛をお願いする。


(手紙の意味分かってる?本気で殺すぞ!)

そして強めにお腹に拳をめり込ませる。


裏で殺しても良いけど今年は無しだからね。


やっぱり【乞食姫】が効果的だと思われてる。

何人殴ったか分からないや。


これは上位の貴族の指示の可能性が高いな。

ぶつかったりする人と手紙やささやき等で侮辱する人が綺麗に分かれている。


ランダムで来られると面倒だったけど今年は楽かな。

嫌がらせをする順番も上下関係があるのかな?


次は殺しても良いかもしれないから気にしないでおこう。

席に座るからエリーゼにサインを送って護衛の形を戻す。


先生が教室に入って来た。

悪魔が入って来たよ。

怖い、怖いよ。


貴族が授業内容が分からないから悪魔に敵意を送っている。


本気でやめろ。

おまえら頭が悪過ぎるだろ。

相手は悪魔だぞ?


悪魔の笑顔が深くなってるよ。

エリーゼの顔も青ざめてる。

私もきっと青ざめてる。


終わったよ。

まともな学園生活にならない。


授業が終わったら貴族が鬼ごっこしてる。

鬼が手に針を持ってね。


お母様のストレス発散だ。

凄い笑顔で眺めている。


翌日の授業から更に酷くなる。

仕事は無くなったけど異常な状況の中で授業を受けないといけないんだよ。


日が進むにつれて貴族の椅子や机が人間に代わっていく。

これはもしかして叔母様の案では?

お母様らしくない。


やっぱりそうだ。

テスト前日にわざわざ説明している。


王女様とエリエッタ様に見せてる気がする。

貴族の子は変わらないと。


椅子や机はもしかして男爵の文官かな?

貴族の考え方を身に染みさせ、ついでに改心させてるのかも。


そして、テスト当日。

この日だけは真剣にテストに挑む。


負けられない戦いだ。


去年は3位。

最低でも維持。

出来れば上昇したい。


翌日のテスト結果発表。

去年と同じ順位か。


妹に勝ったのは良いけど2人には勝てないや。

結構勉強しているから、実は少し悔しいんだよね。


皆の視線がこちらに向いた。

恐らく悪意や憎悪もエリエッタ様に集中している。


王女様が早歩きで馬車に戻ると言うので何事も無くお城に戻れた。

私は動く貴族に殺気を当てて、エリーゼは靴にナイフを刺してたけど。


私達の任務は初日だけ忙しかったけど他は特に何も無かった。


叔母様に報告しに行かないと。

「失礼します!今日で今年の学園を終えるそうです」

「そう。4人とも普通に授業を受けれたでしょう?1年位は学園生活を楽しんで欲しかったの。どうだったかしら?」


「今年は授業に集中出来ました。怖かったですけど」

「あなた達は母親が教師ですからね。来年は私が教師をしましょうか?」


ちょっと待った。

怖かったが余分だった。


失敗したよ。

どうする、どうすればいい。


(エリーゼ、お願い)

(姉さん、酷いよ)


「いえ、滅相も無いです。来年も学園を管理するのですか?」

「ふふ、怖がらなくても良いのに。今年は子爵を綺麗に掃除するから、貴族の動きが無ければ同じ様に授業をするかもしれないわ」


「ああ、そろそろ時間ね。あなた達も来なさい」

「「はい。分かりました!」」


何の時間だろう?

学園に向かうって事は。


まさか!

お母様の話にあったアレを今年も普通にやっていたの?


「ディアナ、どっちを想像しているのか分からないけど拷問はしてないわよ」

完全に心を読まれている。

お母様、最強は最恐です。


「ただいま。あら、1人増えてるわね。誰かしら?」

「姉さんが帰った後、死体を送り付けて来たから拉致して来たわ」


「せっかく送り届けたのに返品したの?酷いわね。ちょっと、リーゼ!この人、手と足の指が無いわよ?拷問されてるじゃない」

「ファクラー侯爵家当主よ。姉さんがやったんじゃないの」


「私が拷問をしたの?そんな趣味は無いけど、きっと理由があったのでしょう」

「姉さんの暇つぶしよ。それ以外の理由なんて無いでしょう」


本人がいた!

暗殺者送っちゃったの?


叔母様にぶつかって命が助かったんだよ?

国宝級の馬鹿じゃない。


でも、暇つぶしで相手に興味はないんだね。

全く覚えてないもん。


並んでいる人達は動かないけど、まさか…。

「テストの日に20人も暗殺者を送り込んでくるなんて常識が無い人は誰かしら?あと5秒で話せるから教えて下さらない?」


嘘でしょ?

いつからカウントダウンしてたの?


「####」

「皆が一緒に話したら分からないでしょ?手も動くから指差して」


全員がファクラー侯爵家当主を指差したって事は。

会話を把握したから指差しさせたんだ…。

もう理解出来ません。


「リーゼ。ここに依頼者いたみたいだし得意の鬼ごっこする?」

「20人で1人を追いかけるのは楽しそうね。じゃあ校庭に行きましょう。皆、移動させて]

「かしこまりました」


校庭の真ん中に返品された死体で櫓が組んである。

お母様の趣味が理解出来ない。


櫓を組まされた一族の人達が可哀想だよ!


「姉さん、校庭に着いたら全員1分間だけ足が動かないようにして下さい」

「本当に我儘な子なんだから。今回は特別よ」


そんな簡単な感じで出来ちゃうの?

この姉妹はおかしいよ。


「櫓と全員を短めの紐で結んでね。終わったら櫓と皆の背中に火を点けて」

「かしこまりました」


先程から命令に忠実な一族の人達もおかしい。

これは完全に異常な集団だよ。


私達が末代になるしかない!


「姉さん、せっかくだから屋根で見学しましょ?」

「そうね。火が着いたら皆、屋根に集合して」

「かしこまりました」

「「はい。分かりました!」」


「ああ、綺麗だわ。空に咲く花火も美しいけど、地上に咲く花火も美しいわ」

「リーゼの趣味は難しすぎるわ。私はシンプルが一番だもの。あなたの娘達も困っているじゃない。それと、ファクラー侯爵家は綺麗に掃除しといてね」

「かしこまりました」


本当にそうだよ。

何見せてるのよ。

子供に見せる物じゃないよ?


「そうなの?綺麗じゃないの?どうなのか教えてくれない?」

「「綺麗です!」」


駄目だ、条件反射だよ!


「ほら姉さん。やっぱり親子なら分かる物なのよ」

「そうなの。そうそう、3日後に食事会するからリーゼもディアナもエリーゼもお城に来てね」


「分かったわ。お疲れ様会みたいな感じよね?」

「そうよ。3人には頑張ってもらっているからね」


いやいや、食事の話をするタイミングじゃないよ。

下でどんどん人が焼け死んでるんだよ。


確定です!

一族でおかしいのは、この姉妹です。


お爺ちゃん、お婆ちゃん。

ちゃんと子育てしないからこうなるんだよ。


反省してよね!

天才だったので子育て放棄です!

妹は姉が育てました。

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