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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第3章 王立学園2年生

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閑話 リーゼロッテ 姉からの依頼

姉さんは本当に変わらないわ。

絶対に無茶な事を要求する。


城内を素通りして姉さんの部屋に入る。

「姉さん。今回は何をさせたいの?」

「貴族の子に人の上に立つとは何かを教えてあげたいのよ」


ほら、無茶苦茶ですよ。

不可能な事を要求されるのには慣れてますけどね。


「さすがに無理よ。子供でも変わらないわ」

「勿論分かっているわ。ただアリーやエリーに見せておきたいの」


教育ですか。

それなら理解出来ますね。


「方法は決まっていますか?」

「ええ。男爵の文官を捕らえてありますから、暗殺者として貴族の子の机と椅子にして下さい」


ああ、嫌だ。

私が管理するんですよ。

さらに暗殺者に対応とか大変ですよ。


「分かっています。少しずつで良いんです。テストの前日に全ての貴族の子の机と椅子が、男爵の文官に代われば良いだけです。簡単でしょう?」

「姉さんには簡単かもしれませんが私には難しいのよ」


「出来る癖に我儘を言うのは相変わらずね。授業内容もテスト内容もこちらで用意しましたよ?」

「それでしたら授業中に来る暗殺者の対応もして下さいよ」


「一応王妃よ?まあ良いわ。偶には私が運動しましょう」

「嘘!本当?姉さん昔よりさらに優しくなったわね。やっぱり子供達が可愛いの?」


「それは勿論。一族の子達も、ディアナやエリーゼ、アリーやエリーも可愛いわ。それに未来の王国を4人に任せようと思っているからね」

「そこまで考えているのね。それで私の娘も鍛えている訳ですか」


「ええ。とても優秀だもの。一族に眠らせておくのは勿体無いでしょう?手元に置いておきたい?」

「夫が少し煩い位でしょう。せっかくですから広く羽ばたいて欲しいわね」


「では決定ね。襲撃者は私が対処するから後はお願いね」

「ええ。それなら簡単な仕事だわ」


本当に優しくなったわね、姉さん。

昔なら一族の修行にして全部やらせたはず。


万が一を考えているのでしょう。

姉さんが襲撃者の対応をすれば王女様とエリエッタ様は血を見なくて済むわ。

襲撃者は地獄を見る事になりそうですけど、私は楽しませてもらいましょう。


学園の初日、まさか挨拶途中に襲撃者が来るとはね。

貴族を理解する事は出来ませんが、時と場所を考えて欲しいわね。


きっと学園長室に飾ってあるわ。

取り合えず授業に行きましょうか。


この子達、私に敵意を向けているの?

殺されたいのかしら?


駄目だわ。

娘達が怯えてしまっている。

護衛の任務に支障が出てしまうわ。


ストレス発散させて頂きましょう。


文官と貴族の鬼ごっこ。

捕まった子はどうしようかしら。

想像したら楽しくなって来たわね。


ああ、駄目だわ。

娘達の顔が青ざめている。

これも訓練だと思って護衛を頑張ってもらいましょう。


決めました。

昔を思い出したらやっぱり針です。


「楽しいわね。捕まったら針をチクチク刺されて解放される。校門を出るまでに何回刺されるかしら。ああ、愉快で仕方が無いわ」


皆、逃げて行ったようね。

「お疲れ様です。今日は孤児院で汗を流して休んで下さい。明日も朝一番に来て下さい」

「わ、分かりました」(一同)


姉さんは王女様の報告を聞いてから戻って来るでしょう。

学園室に飾ってある人形がいつ動くのかしら。

相変わらずの天才だわ。


来たわね。

「ごめんなさいね。娘達も鬼ごっこを楽しんでいたわ。今後も続けましょう」

「これから文官が増え続けるのにですか?全身針でチクチクされてしまいますね」


「それ位良いでしょ?謝罪はしないでしょうから綺麗に掃除されてしまうわ。針の痛みは我慢してもらいましょう。それより、初日から多くて笑ってしまうでしょう?」

「ええ。10人もいるとはね。貴族は馬鹿だと思っていたけど、送り返します?」


「ちょっと聞いてみましょうか?あと10秒で口だけ動くから教えて頂戴」


本当にこのカウントダウンは意味不明だわ。

麻酔が回復する部分まで把握していますから。


「殺さないでくれ!俺は暗殺者じゃないんだ。貴族に脅されただけ何だよ」

「では凶器を持ってこなければ助けてあげたのに。残念だわ」


姉さんは優しいですからね。

凶器が無ければ本当に助けたでしょう。


「他の人達も口は動くでしょ?そうだ、暗殺者を送り込んできた貴族を教えてくれた1番早い人だけ助けてあげる」

「####」(暗殺者一同)


「そんなに一緒に喋ったら分からないじゃない。何も分からなかったわ。分かった?」

「ただ煩いだけだったわ。でも10人も処理するのは大変じゃない?」


姉さんは全員の言葉を聞き取っているわね。

音を脳で分けているのかしら?

本当に不思議だわ。


私は口の動きを見る事しか出来ないから3人位が限界ですもの。


暗殺者達の前を歩いてまた椅子に座ったわね。

麻酔を解いてあげたのかしら?


いや、送り主にたどり着く時間を計算した毒ね。


「分かったわ。あなた達を処理するのも大変だから帰りなさい。ちゃんと麻酔も解けるわ。その代わり、必ず依頼主にもう一度、機会をお願いしてから逃げるのよ。約束出来る?」

「####」(暗殺者一同)


「何て言っているか分からないけど約束は守ってね。はい、残り10秒で動けますから」


皆、慌てて走って逃げて行くわね。

姉さんは優しいけど暗殺者には厳しいのよ。

助からないわ。


「ちゃんと依頼主の前で死んでくれるかしら?」

「約束を守ってくれれば依頼主の元までたどり着けるけど、どうかしら?私は娘達の前に死体が無ければそれで良いから何処で死んくれても良いのよ。明日の暗殺者を見れば結果が分かるわ」


「それもそうね。学園はまだ始まったばかりですもの」

「ええ。色々と楽しみましょう」


それにしても暗殺者の数が多いわね。

毎日の様に来る。


そもそも暗殺出来る腕を持っている人がそんなにいる訳が無い。

盗賊崩れか、野盗崩れが貴族に雇われたのでしょう。


残念だけど、凶器を持ってここに来た時点で助からないの。

殺す気が無ければ素手で来れば良いじゃない。


ごめんなさいって謝れば姉さんは許してくれるのに。

3人孤児院で保護してあげたのはそれが理由。


脅されて仕方なく来て、殺し等したくない人は凶器を持って来なかったわ。

助かりたいから人の命を殺そうとする人は駄目。


殺そうとするなら殺されないとね。


最後の鬼ごっこ、針を少し太くしたのよね。


最高に楽しかったわ。

何回刺されたのか背中を見てみたいわ。

ディアナ達のお母様は怖いですね。

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