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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第3章 王立学園2年生

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アリエッタ 学年末テスト

私達は休まずに学園に通う事が出来ました。


明日はテストです。

エリーと隣の席に座り瞑想します。


「今日は良い天気ですね」

「本当にそうね。エリー」


何故こんな事になっているのでしょうか?

お母様が考えている様な気がします。

明らかに異常ですから。


発想が異常です。

実行出来る行動力も異常です。


私達4人以外の机と椅子は暗殺者に変わると言う異常事態。

2人の大人丸まった大人に座り、四つん這いの大人を机とする。


なるほど!

異常です。


先生が普通に授業を進めるのも異常ですけど今日は違うみたいです。

お話があるようです。


「さて、いよいよ明日がテストですね。今日は真面目な話をしましょう。王女様が人の上に立つ話を入学式や新入生歓迎の挨拶でしたと思いますが、あなた達、貴族の子は今の状態をどう考えていますか?人の上に座り、人の上に荷物を置く。そして目の前の状況には分からないの喚き、努力しようとも改善しようともしない。誰かの責任にするだけ。あなた達は自分の親と同じ姿で勉強している訳です。どうですか?普通の机と椅子に座りたいですか?孤児や平民が使う机と椅子です。あなた達の親は自分の失敗を誤魔化す為に民を殺します。貴族の子に聞きますけど、机と椅子を殺したいですか?教えて下さい」


完全に戸惑っていますね。

先生の言っている事が間違っていない為、私は冷静になれました。


なるほど。

言葉だけで無く行動で示してみたという事なのでしょう。


「あなた達が座っている椅子や机に謝って普通の机と椅子を今から持ってきても良いですよ。それとも自分の親に、暗殺者が暗殺ミスをしたから殺して来たと報告しますか?授業が終わるまでに判断してくれれば良いですからね。放課後には机と椅子は死にますから。救えるのは貴族の子が謝罪するだけです。私は楽しくこの状況を観察させて頂きます」


謝罪する生徒はいるのでしょうか?

机と椅子になっている人達は恐怖でいっぱいです。

震えて泣き出している人もいます。


「親が怖いなら孤児院で保護しても良いですよ?後は授業を進めるだけです。終わるのを楽しませて頂きますね」


そして授業が終わりました。

「あなた達の決断を私はそのまま受け止めますよ。安心して下さい」


誰も動きませんでした。

この状況でも人の上に座り続けるのですね。

そして人が死ぬ事も何とも思わないのですね。


戸惑っていたのは、親に頼まないと殺す事が出来ないからですか?


この日は最後まで残っていました。

結論を見たかったからかも知れません。


「お疲れ様でした、机と椅子さん。さて、あなた達はどうしますか?孤児院で保護されたいですか?殺されたいですか?答えて下さい」

「孤児院で保護をお願いします」(一同)


「良い答えです。全学年の方達も同じ答えだと良いですね」


「先生、机と椅子にされていた方達は男爵家で働いていた文官ですか?」

「さすが王女様、正解です。暗殺者を王女様達の近くに置いたりしません。文官の人達も自分達が誰の為に働いていたのか良く理解出来たでしょう」


帰りの馬車の中、私には今日の現実が少し悲しかったです。

「貴族の子は、あの状況に何も感じていないのですね。明日になれば普通の机と椅子になるから良いとしか考えて無さそうです」

「エリー。考えるのは止めましょう。明日のテストは本気で勝負ですよ」


「はい。それを楽しみに勉強を頑張ってきたのです」

「今回も負けるつもりはありませんよ」


お城に着き、お互いに少し悲しく笑ってから別れました。


翌日、学園に着き席に座ります。

「本当に全ての机と椅子が元に戻っているのですね」

「そうですね。実は今日も変わってないのでは?と思っていました」


先生が教室に入ってきてテスト用紙を配ります。

やはりこの瞬間はドキドキしますね。

「テストを開始して下さい」


さあ勝負!

む、難しいですね。

さすがお母様が考えたテスト。


しかし条件は皆が一緒です。

テストに必死で貴族の子達の感情など気にしていられません。


「終了です」

先生の声でテスト終了です。


「厳しいテストでしたが、日頃の勉強の成果が出ている気がします」

「エリーも自信がありそうですね。しかし、私も勉強していますからね」


「満点の自信はありません。何となくで答えた問題もありました」

「では、私の勝ちですね。全ての問題の回答が分かりましたよ」


「本当ですか?結果が楽しみですね」

「ええ。楽しみにしていなさい」


帰りの馬車の中はテストの話題でとても楽しめました。

明日のテスト結果が楽しみです。


やはり緊張します。

ドキドキですね。


「おはよう、エリー」

「おはようございます。アリー王女様」


馬車に乗りテスト結果を見に行きます。


1.アリエッタ・トリエイト

2.エリエッタ

3.ディアナ

4.エリーゼ


去年と一緒、上位独占です。

周囲の感情を見ていると、やはり敵意や憎悪がエリーに向かい始めます。


「さあ、今年も学園を終えましょう」

「はい。来年こそ勝ちますからね」


私達は少し速足で馬車に乗ると学園を後にしました。

「本当に強いですね。私も勉強を相当頑張っているのですが」

「エリー。私は王女ですよ?勉強も国で一番頑張っているのです」


「格好良いです。今のセリフは素敵ですね」

「そうでしょう?今思いつきましたから」


「ふふふふ。なかなかやるではありませんか」

「あははは。私に勝とうなどまだまだ甘いですわ」


お城に戻りエリーと別れ、両親に報告します。

「今年の学園生活は奇抜でしたが結果的に楽しめました」

「それは良かったわ。1年位2人には学園を楽しんでもらいたかったですからね」

「そうか。それは良い事を聞けたぞ。じゃあお茶会だな」


何で?

エリーがお気に入りですか?


そんな気がしてきました。

エリーに会う口実がお茶会しか無いから…。


「お父様、偶には食事会でもしましょうよ。デイアナとエリーゼと叔母様も呼んで」

「そうね。今年は大変だったでしょうし労いましょう」

「そ、そうか。2人がそんな事を言ってくれるとはな、食事会を3日後に決定だ」


ああ、確実にエリーに会いたいだけですね。

お母様も呆れています。


エリーは私から離しません。

少なくともお父様だけには絶対に渡しません。

国王様はエリーがお気に入りです。

別に結婚する気はありません。

娘の様な気持ちです。

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