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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第2章 王立学園1年生

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アリエッタ 2人の秘密と今後の方針

テストの順位を張り出した後の貴族は本当に酷い。


最初は貴族同士でいがみ合っていた様だけど、私達が来たら皆が悪意をエリーにぶつけた。

どういう行動原理なの?

本当に理解出来ないわ。


嫌がらせも増えるし、悪意も増すし、エリーが退学したい何て言うのも私の為よね。

エリーには見えたのよ。


自分に集まる悪意が私にも纏わり付いていたのを。

だから退学しようとした。

本当に許せない。


ディアナとエリーゼが教師を守っているみたい。

学園が休みの間は孤児院の教師にするらしい。


変な事を考えていないか私が確認すれば良いわね。

恐らく、お母様の考えだと思うから間違いは無いと思うけど。


学園から帰って少し日数も経ったしエリーも落ち着いたかな?

相変わらず綺麗に輝いている。

心は落ち着いているわね。


「エリー、秘密のお話をしましょう」

「秘密のですか?」


「ええ。私とエリーだけにしか分からない話だよ」

「そんな事があるのですか?」


ふふ、少し興味が出て来たみたい。

目の事を教えておきましょう。


「私とエリーは人と違う所があるの。それはね【目】なの」

「【目】ですか?皆と同じに見えますけど」


「私はね人の感情が色や器で分かるの。我慢強い人や我儘な人は器の大きさを見れば良い。欲深い、自分の利益ばかり考えて、人の事を考え無い人は色が濁るの。あと感情によって様々な色に変化するのよ」

「アリー王女様に嘘は付けないと言う事ですか?」


「正解!でもね、同じ力がエリーにもあるの。だから嫌な感情とかを何となく感じているの」

「なるほど、私が嫌だと思うのも目の力が関係していたのですか…」


「考え始めたでしょう。それは無駄なの。目に映らないと分からないでしょう?エリーはまだ目の力が覚醒していないみたい。でも徐々に人の感情に敏感になっているから、そろそろかなと思って話す事にしたの。いきなり感情が色で見えたら驚くでしょう?」

「そうですね。かなり驚くと思います」


「別に焦る必要も無いし、見える様になる必要も無い。そういう力があるから人の感情を感じやすいとだけ覚えておいてくれれば十分よ」

「なるほど。今までもそういう風に感情を感じた事がありますから分かります」


「この事を知っているのは王国で私達を除くと10人もいない極秘だから絶対に話したら駄目だよ」

「分かりました。極秘情報ですね。誰にも話しません」


「大切な事は、感情が見える様になると相手の感情を指摘したくなるかもしれない。でも、それをしたら駄目。私達にそういう力があると分かっちゃうから」

「確かにそうですね。気を付けます」


「私がこの力を使う時は主に2つ。悪意のある人間を遠ざける事、罪を犯した人間を調べる事」

「それ以上は使う必要が無いと言う事ですね」


「そうよ。感情が見えると皆に良く思われたいと考えてしまうでしょう?自然で良いの、これは私が今まで王女として経験してきた結論よ」

「王女としての結論ですか。物凄い説得力があります!」


「嫌われていても良い、好かれていても良い、ただ悪意を持つ人間だけは駄目。危ないからね」

「つまり身を守る事以外には使わないと言う事ですね」


「ここまで聞けば分かると思うけど、学園とか色々な場所で我慢しないで。私はエリーの心が濁ってほしく無いから心配。我慢強いから大丈夫じゃない。心はそんなに強くないから、絶対に相談してね」

「分かりました。全て分かっていたと言う事ですから隠す意味がありません。絶対に相談します」


「その言葉を聞けたら安心だわ。学園も無理に通う必要なんて無いからね」

「はい。嫌だと思ったら直ぐに相談しますね」


「約束ね。もし色が見える様になったら教えてね。その時にまたじっくり話しましょう」

「分かりました。その時が来たら直ぐに話します」


良かった。

これでエリーは相談してくれる。

我慢強いといっても限度があるに決まっている。


本当に怖いのはエリーの心が濁る事じゃない。

エリーの心が壊れてしまう事が怖いの。


エリーの心を見える事が偶に怖いの。

学園の悪意の中を平気で歩くエリーが心配で仕方が無いのよ。


エリーと会話を終えて私は両親の元に向かった。


「お父様、お母様。貴族の悪意にも限度があります。今の状況ではとても来年、学園には通えません」

「テスト結果を張り出しただけで暗殺者の死体の山が出来るのですからね。やはり理解出来ないわ。何か対策が必用でしょう。男爵を綺麗にしましょうか?」

「そうだな。どうせ子爵あたりが領地が増えて喜ぶだけだろう。貴族が減れば悪意の量も減るから、それが一番だな。真面目な貴族はいないし動くか」


「私の実家から暗殺部隊を送るわ。王国として派手に貴族を殺してると思われるのはまだ早いから。しっかりと財産も没収して未来に投資しましょう」

「そうだな。それで良いと思うぞ」


「あと、エリーに目の話をしました。我慢し過ぎるので必ず私に相談出来る関係になりたかったのです」

「ええ。良いと思うわよ。人の心はそこまで強くない。我慢する事が良い訳無いからね」

「そうだな。それにしても貴族の子供達は何を思っているんだろうな。テスト結果が張り出されたのを両親に泣きついて、暗殺者を教師に送り込む。意味が分からん」


「人を踏みつけて生きているつもりの人間が、踏んでいるつもりの人間より馬鹿だと発表されたから怒っているのよ。本当は孤児院の皆で学園に乗り込んでテストを受けて欲しい位よ。面白い結果になったでしょうね」

「そうですね。孤児院の勉強の方が難しいですから。孤児達の名前が並んで貴族の名前が見つからなくなってしまいますよ」

「それだけ馬鹿な人間に今まで屈して来たんだ。それも終わりにする時が来たという事だ」


お父様の言葉の通りだわ。

今までこんなに馬鹿な人達に搾取され殺されてきた。


絶対に変えて見せる。

私の代でこのような事は終わらせて見せるわ。

エリーの心の強さに秘密がありますが、あまりに暗い過去です。

お母様は感じています。


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