72話 試合が始まるようです
フィールドAでは次の試合が始まろうとしていた。
対戦相手の35番は、服装は黒のローブ、黒の帽子。
見た目は魔法使いだが、帽子のわずかな隙間から見える反射とローブ越しに見える筋肉。中身は立派な戦士みたいな人が今から始まる試合の相手である。
と姿遠くから見えたのでこう話したが、俺は今持ち込み検査を行なっている最中でもうすぐ終わろうしている時なのである。
「持ち物の検査を終えました。この試合では短剣しか使わないという事でしょうか?」
「そうだけど。何か不満でもあるのか?」
「魔法使いが杖を使わず剣を使っているものですから不思議に思いましてね。」
「まぁ、言いたいことがわかるが訳ありでな、杖は使えないんだよ。」
「……そうでしたか。……今から、このフィールドに入って審判が合図をしたら、試合開始です。もし仮に相手を怪我をさせたとしても待機しているスタッフが回復魔法を使い治療いたしますので安心して試合を楽しんで来てください。」
「人を殺めてしまいそうだから安心したよ。それで試合を安心してできたそうだ。」
フィールドは地盤が石できただけの簡易的なフィールドで、魔法がもしフィールド外に来た時は近くにいる魔法使いが撃退するみたいだ。
結界、バリア?そんな物はこの国のある人しか使えないとかも審判人が言っていた。
結論 そんなもんはねぇよとの事だった。
対戦相手は目の前で体を伸ばして戦闘に向けての準備を行なっていた。俺は確認のために
「ヘェ〜。あんたが俺の相手か?」
と相手に質問をした。
「そうだ。この試合は簡単に勝てそうだな。」
「ーーーーー」
「だってお前。魔法を効率よく打つため使う杖使っていない。杖を持たないそんなガキに負けるわけないと言っているんだ。ザゴ……言っている意味わかるか?」
「モブのクセに口数が多いな」
俺は短剣を強く握りしめて渋く銀色に光る鋭い刃を相手向ける。
「……こいよ肉ダルマ!俺の経験値にしてやる。」
「舐めた事を言うガキだ….…いいぜ。大人の力を見せてやるぜ!!」
「試合開始!!」
相手は杖を構えて魔法を唱える。言葉一つを組み立てて杖の先に魔力を込める。
「オレの風魔法をくらえ!エアスラッシュ!!」
「よぉ!……軽いな」
とっさに剣に風を纏わせ切ることで攻撃を回避できた。効率よく使え尚且つ攻撃速度が速い魔法だが……まだ足りない。
「さっきのは肩慣らしだ。どんどん行くぜ。」
さっき放ったエアスラッシュ、エアストーム。どれもなかなかの魔力を消費しているが威力はあまり速くもないし、強くもない。俺は魔力がどのように流れているのかがどう言う訳か見えるようになったので、魔力の塊である魔法を避けることは容易いので避けながら魔法を放っていった。
「スラッシュ!!」
攻撃は見事に避けられたがスラッシュを精密飛ばせるぐらいにレベルが上がっていった。
「ヨォッ!……なかなかやるじゃねえか!俺も本気になろうじゃねぇか!ーーエアスラッシュ!」
「ふん!」
多分、相手の本気のエアスラッシュが飛んできたが少し速くなった程度なので剣に風を纏わせエアスラッシュを切ってやった。切った感触は包丁で豆腐を切っているかのようにとても柔らかいエアスラッシュだった。
「俺の本気のエアスラッシュが……切られた。」
「これがお前の本気か?」
さくらの魔法の方が威力が強いし、速い。こんな威力で魔法でオレを倒せると思ってやっているのか?
「舐めやがって」
剣に魔力という流れを込め魔法を放つ。剣は器であり、魔力はゆっくり静かに流れる風である。それを渦のように満遍なく広げ流れを早くしていく。剣を軸としてどんどん早く回転していく。
「お前も風魔法が得意だったと言うことか。」
「……………………。」
「これでもオレは冒険者ギルドに入っているんだから、お前みたいなやつに負けたら俺の恥だぜ。」
「そうかい。」
「俺のオレの経験と全魔力を持ってお前を倒してみせる。……ウォオオオオ!!」
相手の魔力が彼の杖を中心に集まってきている。杖の周りに少しの魔力の流れ……竜巻が発生していた。多分彼の魔法の中で一番強い魔法なのだろう。
「クラェェ!エアストーム!!」、
でもただ集めて少し流れているだけでそれを変換させれていない。それでは俺には勝てないよ。
「……エアフラッシュ」
剣に纏わせていた風の斬撃を剣を振るタイミングで前に飛ばす。あいつの全力ストームもあいつの鍛え上げた肉体も一刀両断して相手をねじ伏せた。
「…クソ、お前強いな。」
「いや、アンタは魔力を持った効率よく使い…流れが良くなかった」
「そうかい…次は負けねぇ……」
「……ス、ストップ!ストップ!!」
審判が相手が二つに切断されたのをただ眺め急に止めに入った。相手は、上半身と下半身二つになって地面に倒れた。急いで緊急の治療が行われていた。
「にしても、すごい傷跡だな。」
フィールドAの斬撃は、遠くまで飛んで壁に大きな傷をつけていた。これは、魔法の力と言うよりズルの力、さっきまで騒がしかった会場は一瞬にして静かになってしまうぐらいの異常な力だ。
「し、勝者!180番!」
「……………」
何事もなくフィールドを出る。対戦相手の彼を心配そうに見ていたが何とかなるみたいだ。彼は、回復魔法の使いであろう者たちがたくさん集まり集中治療の末何とか助かったみたいだ。今、治療室に運ばれているみたいだ。
「後で誤りに行こうかな」
そんな事を考えながらどこか試合でも見に行こうかなと行動を移そうとした時。みんなの視線を感じた。
みんなの視線は人を見るものではなく魔物を見ているように見えたし恐れているみたいに見えた。
「やっぱり俺はもうダメかな?」
こんな力を手に入れて本当にスローライフなんて遅れるのかと思った。努力はする。
それは俺の夢のためにすると決めていた。だが、強すぎる力がそれを壊そうとしているんじゃないかと思うと今後の行動をどうするか少しの間、魔法を極力使わない「縛りプレイ」でもした方がいいんじゃないかと壁に作ってしまった大きな斬撃を見て俺はそう考えるようになった。
その後の俺の試合は2回戦、3回戦とも相手が入って早々ギブアップをしたため俺の次の試合は俺にとっての最後の試合……4回戦目となった。




