表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界行って、騎士団長やります!   作者: 神崎冬花
国交樹立編
58/64

49話 一時の猶予

そういえばこっちで言ってなかった気がするので、

新作書いてます! リア充な男子高校生が異世界にTS転生する話です。無双とかじゃなく、ラブコメです。よろしく!

「我等が盟主、ベルズ・エル・キア様が、翌日の早朝に面会を希望しております。それまで今しばらくお待ちを」


 エルフの騎士のうちの一人が、恭しく頭を下げ、城の方へ消えていった。

 私達がいるのはお城では無く、エルフの国の宿屋である。

 外側から見たら城しか見られなかったが、城に隠されるようにして繁華街がちゃんと存在していたのだ。

 エルフは種族数は少ないものの、その町並みは人間とはあまり変わらないように見える。

 最初にあった騎士達は皆兜をしていたから解らなかったが、やはりエルフは耳が長かった。

 窓から見えるだけでも、皆幸福そうだった。

 

「わぁー……」


 私と同じように街の様子を眺めていたアウロラは、感嘆したような声を漏らした。

 その目は始めて見る亜人族、もとい、()の風景に心を奪われているようだった。

 ああ、こんな状況じゃなかったら、私は心の底からこの風景に感動していただろう。

 戦争なんて、いったい何故やろうとしたのか。

 別に今じゃなくてもいいじゃないか。

 言葉にすれば、自分への保身になってしまうが、何故私達が生きている時に来るのだ。

 一言で言えば運が悪かった。

 そう、解ってはいるのだ。

 解ってる。でも、受け入れるわけにはいかない。

 今までの様に、死人ゼロで終わるわけが無い。

 確実に大勢の人が死ぬ。

 一般兵だけじゃない。

 私の身近の人も死ぬかもしれないのだ。

 受け入れて溜まるものか。

 受け入れられるわけ無いじゃないか。

 誰が受け入れられるというのだ。

 人が死ぬのに、なんでそうまでして……。


「すごいね、キノ」

「……ん。そうだね」


 アウロラが、微笑みながら問うてきた。

 いけない、すぐネガティブな方に思考が傾いてしまうのは、私の悪い癖だ。

 今はとにかく、与えられた猶予を悔いなく過ごさなくては。

 私は、荷物を整えているマーガレット達の方に振り向き、笑顔を振りまいて見せた。


「皆、面会は明日だから、今日は観光しようか」





 △▼△▼△▼





「おお……。見たことない果物だ。どんな味がするんだろ……」

「それはスルカと言ってね、甘酸っぱいのが特長だよ。買うなら五ユグドラシルだ」

「じゃあ五つください」

「まいどありい!」


 男勝りの口調の若そうな巨乳エルフから、スルカという果物を受け取る。

 試しに一つ囓ってみると、圧倒的酸味が口いっぱいに広がった。

 「すっぱ!」と思い顔を顰める直前、メロンのような甘さが酸味で痛くなった喉を柔らかく包んでくれた。

 これは、すごいな。

 口にした瞬間は酸味しか感じなかったのに、飲み込んだら口の中にほどよい甘みで満たされている。

 美味しい。美味しいけど、アウロラには食べさせられないなこれは。

 アウロラの分のスルカを食べ、代わりに桃を購入する。

 アウロラは甘党なので、これが一番喜ぶだろう。

 店主さんに桃を一口サイズにカットしてもらい、アウロラに食べさせてあげようと振り向くと、アウロラがいたはずのとこには誰もいなかった。

 慌てて辺りを見回すと、マリアと一緒に別の屋台を見ているようだった。

 あっちは任せてもよさそうだな。

 少し街を見て歩いていると、マーガレットとユーリが串焼き肉や野菜をたくさん持って近づいてきた。

 そこで私は一つイタズラをしてみようと思いついた。


「二人とも、これ食べてみ」

「え、はいいただきます」

「見たことない果物ですね……すっぱ!」


 二人はさっきの私とまったく同じような反応をし、果物の甘さに驚いている様子だった。

 私は思わずケラケラと笑ってしまい、二人も私につられるように苦笑した。


ブックマーク、ポイントよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ