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異世界行って、騎士団長やります!   作者: 神崎冬花
鬼王降臨編
20/64

16話 開戦の銅鑼

△▼△§▼△▼=時間経過後の別人物。

 △▼△▼△▼


 

 薄暗い空間。そこでは1人の少女と、少女と瓜二つの白髪の少女が向かい合っていた。

 


 ――久しぶり乃愛。元気だった?


 貴女と話すことはなにも無いよ、『キノ』。


 ――あはは、悲しいこと言うなぁ。貴女も私じゃん。自分自身同士、仲良くしようよ。


 そう思うんだったら、私の中から出ていって。


 ――うーん。それは無理な要望だなぁ。乃愛から出てったら私が消えちゃうもん。


 それが生みの親に向かって言うこと?


 ――生みの親って言うか名付け親だよね。私を創ってくれたことは感謝してるよホント。


 日に日に私の意思が薄れてきてる。私を乗っ取るつもり?


 ――乗っ取りはしないけど、たまには私も外に出たいかなぁ、なんて。


 そうしたら私はどうなるの?


 ――なんもないよ。ただちょっと眠って貰うだけだから。それによく言うでしょ? 2重人格って、そんな感じだよ。いや、()()? ところでオーガの事どうする? 私がやろうか?


 余計なお世話。貴女は黙って見てて。


 ――はいはーい。解りましたよーだ。私もたまには動きたいのになぁ。


 貴女に体の支配権を譲るならこの子に譲る。


 

 そう言って、乃愛は視線を自分の膝元に傾ける。

 そこには、髪色が真っ白な小さい女の子が乃愛の膝の上に座っていた。

 

 

 ……わたしはケンカはキライなの。


 ――ほらほら、白ちゃんもこう言ってることだし、ここは私に……。


 黙っててと言ったでしょ? 私がやるから貴女は出てこないで。


 ――ちぇー、なーんでこうも扱いが違うのかなぁ。不当だよフトウ。


 貴女に譲ったら碌な事が起きないでしょう。もう朝だよ。さよならだ。


 ――はいはい、行ってらっしゃい。精々ここから見てる事にしますよ。


 ……きをつけてね。


 

 そこで、陽炎――キノと、白が忽然と消えた。

 そして夢から覚める。

 

 

 ▼△▼△▼△



 瞼を開け、ベッドから身を起こす。

 またか……。

 私は深く溜め息を吐いた。

 ここ最近毎日のように夢を見る。そして、その夢の内容はいつも覚えていない。

 私は頭を数回振り、ベッドから降り、顔を洗ってから鎧を着る。

 午前4時。

 まだ外は薄暗い。

 だが、今日はこれでいい。

 今日は国王直属近衛騎士団として、初めての実戦だ。

 出動するのは私とマイだけである。

 他9名はハンスを含め3人が王宮に残り、レイスが湿地帯、ケレスが森に出向き、後の4人は街に被害が出ないようそれぞれ散っている。

 オーガと、オーガロードは私とマイだけで撃退するのである。

 流石に厳しいのではと思った。

 何故ならオーガはドラゴンに次ぐ程の危険な魔物だ。

 それが100体。

 オーガロードに至ってはドラゴンと同格と言われている。

 それを2人と階級を持たない兵士200名。

 無理だと思い、マイと一緒に抗議したが、


『大丈夫だ。お前さん達なら勝てる』


 の一点張りだ。

 私達は諦め、おとなしく従う事にした。

 不安だが勝算が無い訳では無い。

 この日の為に新たな魔法を覚えたのだ。

 



 王都には既に無数の兵士と3つの騎士団が集まっていた。

 その中に2つの見知った顔がありその2人に近づいていく。


「久しぶり、マーガレット、ユーリ」

「あ、キノさん!」

「お久しぶりです」


 そうマーガレットとユーリだ。

 この2人も戦いに参加することになったようだ。

 ちなみにマリア達、宮廷回復術士団はそれぞれ負傷した冒険者や兵士の回復に向かっている。

 前日から出向いていたらしく、昨日の会議には参加出来なかったのだ。


「2人共、ちゃんと強くなってるね。魔力量が前とは全然違う」

「そうですか? 私頑張って第4階位まで覚えたんですよ!」

「私も以前より剣速が増したんですよ。キノさんは?」

「私は新しい魔法も覚えたし、切り札が一つ出来た。負けることはないと思うよ」

「剣士なのにまた魔法を……」

「本当キノさんは規格外というかなんというか」


 2人が苦笑しながら呆れたような視線を送ってきた。

 私の場合ナビ子さんがいるので簡単に覚えられるのだ。


「2人共、負けたら承知しないよ」

「負けませんよ! オークなんか焼き豚にしてやります!」

「私もゴブリン如きに遅れは取りませんよ。キノさんは……心配するだけ無駄ですよね」


 マーガレットがなんか過激になってる。

 ていうか2人共露骨にフラグを建てたな。

 フラグ回収しなければ良いのだが。

 

 そして元帥が高台に上がり声を張り上げる。


「雑談はそこまでだ! 貴様等準備は良いな⁉ 全員無事に目標を達成せよ! 出撃――‼」

『うおおおおおぉお‼』


 凄まじい雄叫びが王都に響き渡った――



 △▼△§▼△▼



 ユーリは馬車から降りる。

 森には異様な静けさが漂っていた。

 2万のゴブリン。とても現実的な数ではない。

 今は王国守衛騎士団が5000名程と、一般兵が7000名。

 1万2000と2万。

 絶望的な数値だが、これで十分だとアレンは判断していた。

 アレンはここにはいない。街でで3000名の騎士と共に待機している。

 もし全滅したらそのまま突撃するためだ。

 士気は重々。

 複数で囲めば簡単に倒せる相手。

 それがゴブリン。

 なのに、この場には謎の緊張感が漂っていた。

 ゴブリンロード。それが原因だろう。

 ユーリはこの場の指揮を任されていた。

 他の兵士の準備が終わったところを見計らい、指示を飛ばした。


「私達はこれから進軍する! 臆することは無い。油断せず、複数で相手を囲め! 突撃――‼」


 1万2000の兵が森の中に突入した。


 

 そして、前代未聞の大騒乱が始まるのだった。

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