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異世界行って、騎士団長やります!   作者: 神崎冬花
騎士就任編
19/64

15話 3つの脅威

△▼△▼△▼ の意味  時間経過


§     の意味  同時刻の別人物

 私が国王直属近衛騎士団に入って早くも3ヶ月が過ぎようとしていた。

 私は16歳となり、平均年齢が低いこの世界ではもう大人扱いされる年になっていた。

 あれから訓練を欠かさずに行い、今では技術だけでレイスと互角に渡り合えるまでになっていた。

 ついでに言えば、3週間ほど経った辺りで3スキルを使用しているのがハンスにばれてしまい、それからは素の力で訓練していたのだ。御陰で体育会系女子の様な体つきになり、3スキルを使用せずとも鎧を着て動く事が出来るようになった。結局は3スキルに頼らないとレイスと勝負にすらならないのだが、それはそれである。

 

 今、私は王宮ではなく、ガゼルの所に行き剣を研ぎ直して貰ってる。

 ガゼルの元へは、騎士になった後でも定期的に訪れており、偶にこうして剣を研いで貰っていた。

 

「ほれ、研磨終わったぜ」

「ん、ありがと。これお代ね」


 ガゼルが剣を放って渡してきたので、入れ替わりに研ぎ代が入った麻袋を投げつける。


「毎度あり。なぁキノよ。そのレイピアもうかなりへたってきてないか? 折れちまう前に新しいヤツ買ったらどうだ?」

「ん~? まあ、ボチボチ考えるよ」


 レイピアを腰に差し、帰ろうとしてガゼルに引き留められた。

 私は騎士になったとはいえ、王国守衛騎士団ではないので、最近ではモンスターすらも斬っていない。余程の事がない限り国王直属近衛騎士団は動かないので、別に急いで変えなくても良いのだ。


「そうか? まあそれならいいんだがよ、聞いたか? 最近森の方がざわついてるらしいぜ?」

「森がざわついてる?」

「ああ。最近馴染みの冒険者から聞いたんだがよ、ここん所ゴブリンの討伐依頼が異常に多いらしいぜ。しかも、湿地帯ではオークが多数出現してるそうだ」


 ゴブリンにオーク、か…。

 その程度ならまだ異変とは呼べない。

 前にのようなドラゴンならまだしもゴブリンとオークは初心者が好んで狩るモンスターだ。集団で襲われたら危険だが、そこまで警戒することはないだろう。


「解った。じゃあまた来るね、ガゼル」

「ああ、キノ最後に一つ警告だ」

「?」

「お前さんは確かに強くなった。だが、油断は禁物だぞ? 慢心して帰らぬ人になった冒険者は何人も居るんだ。想定から外れたら人間誰しも冷静な判断が出来なくなる。それを肝に銘じておけ」

「頭の片隅に置いておくよ。忠告ありがとう。じゃあね」


 そう吐き捨てるように言って、店を後にした。

 油断? 慢心? 馬鹿馬鹿しい。

 以前の私ならばともかく今の私にはそんなものはない。

 想定外の事が起こるのなら、それを上回れば良い。想定外を覆してこちらの想定内にすればいい。慎重なのは大事だが、慎重すぎては行動を起こす前に此方がやられてしまう。それでは本末転倒なのだ。

 為るようにならないのならば、為るようにすればいい。

 それが今の私の考えだ。


 私は待機させておいた馬車に乗り込み、王都に戻っていった。



 

      §




 ガゼルはキノが出て行った後も、その戸を見つめ続けていた。

 ここ最近のキノは何かがおかしい、そう思っていた。

 まるで狂気に犯されたような、操られているような。

 ガゼルはあえて黙っていたが、キノの頭に白髪が生えていることに気がついていたのだ。

 

(一体キノはどうしたってんだ。王都で一体なにがあったんだ…)


 ガゼルはそう思ったものの、それ以上自問自答しても答えが出るはずもなく、ガゼルは諦めて自分の作業に戻っていった。




△▼△▼△▼





 いつも通りの日課を熟し、数日。ガゼルから聞いた話を忘れかけていた頃、ハンスから緊急の招集が入った。

 場所は王城にある会議室。軽く体育館ほどもありそうなその場所に大勢の人間が集まっていた。

 まず、私を含めた国王直属近衛騎士団の面々。王国守衛騎士団、宮廷魔法兵団から数名。その中にはユーリやマーガレットもいた。3ヶ月ぶりにあう2人からは以前よりも高い魔力が感じ取れた。それからこの国の貴族達。そして軍務を取り仕切る元帥だ。

 この国の戦力が一カ所に集められていた。

 バルトラとカリスが入った途端に騒がしかった会議室は水を打ったように静寂に包まれた。

 そして、2人が豪奢な椅子に座った所を見据え、元帥が声を張り上げた。


「国王陛下、皇后の御出である! 皆頭を下げよ‼」


 その一声でこの場に集まった人間全てが一斉に頭を下げた。

 そして一斉に2人への挨拶の大合唱が始まった。



▼△▼△▼△




 元帥の一声で始まった会議の内容は、森に2万のゴブリンと共に現れたゴブリンの王、ゴブリンロードと。湿地帯に現れた1万のオークとその王、オークロードの台頭についてだった。

 ハンスとケレスは国王直属近衛騎士団代表として椅子に座っているが、残りはバルトラ等の後ろや、扉に控えていた。私はバルトラの後ろに控えている。

 ここにいるのは守護という役目なので口を出すことはないと思っていたが、その内容に驚愕した。

 2万のゴブリンと、1万のオーク。何故いきなりそんな数のモンスターが現れたのか、後ろに控えていたが思わず顔を少し引きつらせてしまった。

 だが、それだけである。会議の内容に耳を傾けるも、私は、というより近衛騎士団は無表情を貫いた。

 貴族達が好き勝手に意見を言い合っている。


「何なのじゃこの数は⁉ 何故いきなりこのような数の魔物が現れたのじゃ⁉」

「それだけではないぞ! ゴブリンロードにオークロードまで現れただと⁉ とてもではないが我が国だけでは対応仕切れぬ!」

「何をそこまで怯える必要がある。たかがゴブリンにオークじゃろう。騎士団を少し派遣させれば済む話じゃ」

「ヘルガー卿はゴブリンロードとオークロードの恐ろしさを知らんからそのような暢気なことが言えるのじゃ。この2つの王は別格ぞ!」

「笑止‼ だからどうしたというのだ。所詮名前だけ大層な小物に過ぎぬ。まさかへーロス卿はたかが魔物に臆すると言うのかね?」

「何だと‼」


 へーロスに同調して危険だと言う者もいれば、ヘルガーと同じくへーロス達を馬鹿にするような意見もある。

 会議を黙って聞いていた者は内心溜め息を吐いていた。

 言い争いをするだけで一向に話が進まないのだ。

 見かねて意見を提示した者がいる。王国守衛騎士団の団長だ。


「へーロス卿、ヘルガー卿ご安心を、我ら王国守衛騎士団が赴き、ゴミ虫めらを潰して参りましょう」

「おお、アレン殿!」

「そうよな、そなた等に任せておけば安心というものだ!」


 アレンの発言によりその場は一瞬落ち着いた。

 しかし、それは言葉通り一瞬だった。

 会議室に一人の騎士でもない只の兵士がノックも無しに大扉を開け放った。

 普通は無礼なのだが、その兵士は伝令兵だった。そしてその手には一束の用紙が握られていた。

 その用紙を目にし、無礼だと叫び掛けていた貴族達は押し黙った。

 国王も集まるこの場所にノックも無しに入るのは余程の事があった時である。

 もし、たいした内容じゃなければその兵士は次の瞬間処刑されるからだ。

 つまり、それほど重大なことが起こったということ。

 その場に居た者は皆一様に固唾を飲んだ。


「申せ」


 バルトラが短くそれでいて威厳のある声で兵士に告げた。

 肩で息をしていた兵士は飛び跳ねるように内容を告げた。


「申し上げます‼ 現在向かってきているゴブリンとオークと違い、山岳帯にオーガ100体と共にオーガロードが現れました!」


 沈黙。そして絶叫が響いた。


「――はあ⁉」

「ゴブリンとオークに続きオーガじゃと⁉」

「一体何故――⁉」

「そのような事を申しても解るはずがあるまい! 今はどう騎士を動かすかを考えるのが先決じゃ‼」

「何故じゃ、何故同時にロードが3体も現れたのじゃ⁉」


 阿鼻叫喚。今までポーカーフェイスを保っていた3騎士団の団長達も驚きを隠せないようだ。


「静まれぃい‼ 国王陛下の御前であるぞ! 今更解りきっていることを抜かす出ないわ‼」


 叫ぶ貴族達を宥めたのは元帥だ。もし止めていなかったらこれがいつまでも続いていたであろう。


「よいか! まずこの3つの種族は我らの王国を襲おうとしている訳ではない! 故に時間はまだある。その隙に対策を考えるぞ! まず、王国守衛騎士団!」

「はっ‼」

「貴様等は森に出向きゴブリン達を相手取れ」

「我らはオークではないのですか? ゴブリン如きの大群を相手取るのなら宮廷魔法兵団の方がよいのでは」

「ほう、アレン殿。貴殿は我々だけではオーク如きを突破出来んと考えているのか?」


 アレンに反論したのは宮廷魔法兵団の団長、セレナだ。銀髪と蒼海のような瞳の流麗という言葉が似合う女性だ。


「そうではない。ゴブリンならば貴殿等の魔法で一掃出来るだろう」

「確かに可能だ。だが、それは無理だな」

「何故だ」

「森だからだよ。殲滅魔法ならば炎熱系統が有効だが、火が燃え移る可能性がある。大火事の恐れがあるな。そしてもう1つは相手は素早さが売りの魔物だ。詠唱している間に兵の包囲網を抜けられたら流石に適わん」

「成程。それならば納得がいく」


 2人の言葉の応酬が終わったところを見計らい元帥は頷いた。


「よし、では王国守衛騎士団は森を。宮廷魔法兵団は湿地帯に出向け!」

「「はっ‼」」

「さて後はオーガだが…」


 元帥はそこで言葉を切り、ハンスを見やる。


「オーガは貴様等に頼みたいのだが、構わぬな?」

「オレぁ別にいいけどよ、オレ達を動かせるのは王サマだけだぜ。聞く相手を間違ってんぞ」


 ハンスが欠伸をしながら言うと元帥は苛立ったように唇を噛みしめたが、取り直しバルトラを見た。


「国王陛下よ! 国王直属近衛騎士団の出動許可をお願い頂きたい」


 バルトラは椅子から立ち上がった。

 そして、重い口を開く。


「いいだろう。国王直属近衛騎士団の出動を許可する」

「ははっ! ありがたき幸せ‼」


 元帥はそう答えるとハンスに向き直った。


「ということだ。貴様等は山岳帯に出向け」

「りょーかい」


 ハンスは軽く答えると、元帥は辺りを見回し、


「本格的な始動は翌日だ! それまでしっかり英気を補え! 解散‼」

『ははっ‼』


 こうして私達の山岳帯行きが決定した。



△▼△▼△▼



 そして翌日。

 3つの騎士団がそれぞれ決戦の地に赴くのだった――


今更ながらに思ったんですけど、メイン女性キャラの名前

マーガレット

マリア

マイ

でマが最初に付くんですよね。

しかも男キャラも。

ユリウス(ユーリ)

ハンス

ケレス

レイス

で最後にスが付くんですよね…

別に意識してるわけじゃないんですけどね(汗)

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