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超人あずさ  作者: アズ
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6話 特別会議

 豪奢な装飾に大都市を展望できる広い部屋は《超人》と各国の首脳が集まる特別会議。それは国際会議にも影響を与えうる。

 その招集が行われ日本からは首相と《超人》あずさ、アメリカからは大統領と《超人》レーンと《超人》ルーシー、韓国からは大統領のみ。これは《超人》と思われたリリーはただの子どもだったことと現在ジェニーと名乗る《超人》は拘束中の為である。モンゴルからは大統領のみ。現在モンゴルの《超人》は治療を終えたが会議は事前に欠席であることが伝えられている。中国とドイツは欠席。ノルウェーは行政トップと《超人》ペデルセンが出席。エジプトは天候の影響で共に出席できず。残りの一ヶ国は特別会議に出席したことは一度もなく今回も欠席。 『白い悪魔』と呼ばれる《超人》も同じく。

 以上、毎度全員が集まらない会議であるがイタリアで起きたアンノウンと《超人》ジェニーについてが今回の議題として議論された。約2時間の議論。その一部が世間にも公表された。



 一、アンノウンには能力差があり。その能力差に合わせた危険度を示すレベルの基準を設ける。既に討伐出来ず監視対象のアンノウンは最高レベル4とし、イタリアに出没していたロバのアンノウンもレベル4と定め、監視対象となった。

 二、リリーは《超人》でなかったこと、改め《超人》はジェニー(仮)となる。

 三、イタリアからの人の受け入れ、支援を各国に求めること。




 イタリアは現在、ローマは《大異変》の影響下でヴェネツィアは現在立ち入り禁止、イタリア経済の影響は当然避けられない。各国の同情から支援があってもイタリアとしてはロバのアンノウンを監視対象でなく討伐対象でないことに批判の声をあげた。

 しかし、対応策が出ない限り《超人》を向かわせることにその国の首脳は消極的だった。勝ち目の見えない作戦はしない。倒せる方法を見つけるのが先。これが討伐対象とならない理由だった。

 そして議題にはもう一つ公には出ない報告事項がノルウェーからあった。それは元ロシアの地にして現在『影の大陸』と呼ばれる地へ向かった調査団(ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの連合調査)が帰還したというもの。そのうち半数が行方不明か死亡。生き残った13人のうち4人が負傷。片腕、片足の欠損が2人、両目をやられたのが1人、全身火傷が1人。被害者全員未知の生命体にやられた。

 そもそも『影の大陸』はロシアで起きた大異変。全てが影に飲み込まれ真っ黒となった大地。天候云々とかでも比喩でもない。外からの光を通さないのだ。しかし、中に踏み入れ中からは光が通る。それは外からでも確認できるが問題はロシア内にいる街の光がないということ。そして光に反応し襲ってくる【なにか】がいるということ。

 そして、その調査団が得た成果というのはその場に出席していた全員が驚愕する内容だった。




 そこに、ロシアはなかった。代わりにあったのは見知らぬ建物が聳え立つ都会。そこに住み着いていたのは言葉を喋る怪物達であったということ。





 ……とある場所。とある塔の屋根の上。ワイヤレスイヤホンを外し、会議を終始盗み聞きしていた『白い悪魔』は日蝕の空を見上げた。

「現実と乖離した世界が現実という内に影というかたちで隔離しているというのは随分と面白い現象だとは思わないか」

 塔のバルコニーから見上げるもう一人黒の外套を身に着けている男は「なにか聞けたのか?」と尋ねた。

 『白い悪魔』と呼ばれる《超人》は白髪のおかっぱ頭に胸元が開いた白のロングコートにゆったりしたクロップドパンツに白い素足を伸ばし美形な青年の目からは赤い瞳が光る。

「ねぇ、今から僕達ロシアに行ってみない?」

「『影の大陸』にですか? 随分急ですな」

「いいじゃんか別に。なんか面白そうだ」






 場所はかわりワシントン。その上空、雷光がひらめいた。レーンの乗るサンダーバードが飛び去った瞬間だった。

 特別会議の本部はワシントンにある。そして、ニューヨークにあった国連は当然大異変以降場所を移している。

 再びアメリカの地が選ばれたのは大異変により世界の経済が大混乱に陥って特にヨーロッパは厳しい状況におかれていた。期待されたのは再びアメリカだったという話しである。

 各国の首脳と《超人》達が会議を終え、巨大なビルから出てくると、記者達が一斉にカメラでとらえた。

 その建物周囲はドローンの飛行が禁じられている為、ドローンでの撮影が出来ないというわけだ。

 そしてあずさとダナムはルーシーと話しをしながら建物を出るとそこで挨拶した後別々の車へと乗り込んだ。

「あー疲れた」

 ダナムが用意したスーツの上着を早速車内で脱ぎ始める。ダナムは隣でスマホを忙しく操作している。ダナムは仕事で忙しいようだ。

「しかし、ロシアといい世界のあちこち大変だねぇ。それに比べ日本は富士山が成長中というなんとも可愛らしい異変じゃないの。日本は本当に良かったよ」

「少し黙っててくれる」

「なによ」

「ドイツに大型アンノウンが出現したみたいよ」

「ああ、そうなの。でも、ドイツには《超人》がいるでしょ。なんとかするでしょ」

「まぁ、一様ドイツ政府は他の《超人》にたった今要請をかけたみたいだけど」

「行かないよ。こっちが頑張ってる中ドイツは私達に協力したことないじゃん。自分達の時だけお願いするなんて都合良すぎ。ヨーロッパの中でも協力的じゃないじゃない。しかもその《超人》が今や首相。嫌な予感しかしないのよね」

「まぁ、それは同感ね。アメリカもドイツの要請には応じない予定よ」

「アメリカの要請にドイツは結局応じなかったしね」

「そうよ。同盟を語るなら口だけでなく行動で示さないとね」





 しかし、その後の知らで一変する。

 ドイツの《超人》は首都に現れたアンノウンとの戦闘にて戦死。ドイツは壊滅的な被害が出たのである。







 

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