Ep36:虹の鉱石とその技術
各国との話し合い。各国との共闘。そして各国による仕組み・・・。
虹色に輝くエネルギーを放出する物質。その特性を生命たる人類が手にした時に、新たな浮遊力を得たことが記録されている。未知なる快感と恐怖に彩られながらも新天地なる階級に躍り出すその関係とは、天文学に在る“宇宙の頂き”に達する事なのだろう、としている。「これも我等の罪であり、赦しを得られる時となる」として。同じ民として。
「我等が人類が出来るまでの工程・歴史が長く続くまで、あの地上も豊かであった」
「緑豊かで水源にも困らなかったと先祖は説く。『民と原生』。この伝記が物語る」
「物語は原生の通りか。第二の新天地を掲げるは遥かなる上空とマジェス王は説く」
第一の新天地なるパヘクワード。此れも新天地なる形式として誕生した鉱石の象徴たる産物。地上大陸の水質との転送が可能で、貧困に満ちつつある人類の枯渇を止める為の礎として位置付けている。
「枯渇するのは大陸だけでなければ人類だけでもなく、生え変わる鉱石だって同じだ」
「鉱石を量産するのもいいが、元のエネルギーが表れない」
「この空中大陸に備えられている分だけでも限られていて、採掘するのに限界がある」
「半径1200mt上空5000mt・・・果たして供給が間に合うだろうか」
※1mt=1km
「ランガスモーは滅んだ。滅びの大地のエネルギーは12%となる」
「お互いの鉱石との共鳴によって水が転送出来るのにも分量が限られている。あの国の開発した技術が求められるなら計画に参加するのもいいかと・・・」
水質から得られたのは、鉱石によって浄化された微細生物の成長の記録だ。その微細生物によってある光の遺伝細胞が落ちてくるため、科学を使って培養しているという。それも動物や生物、それだけじゃない。死去した人間の細胞膜を使って遺伝細胞を移植している。それは虹の鉱石によって多岐に広がり、やがて母体となる生物・動物・人間に移植を促す。すると双子のような母体が現われ、それを取り出す事で更に新たな生物を創り出すことが出来る。
1月ごとに成長し、大きな肉となる。肉となれば食肉加工され、製造元から生産される。それが我々の食料となるので、王国としては虹の鉱石の技術を全ての民に与えずに、単なる過程としてそのような鉱石がある事だけ教える。それが河川漁区で管理されているあの、出来事と同じ理由である。エイドカントリーズは各王国と情報共有するに留めて、技術提供までは行わず、それを明かさなかった。だからか、下々で働く他国の専門家・研究者たちは大臣を交え「形在るものを無きものにしない様に」と、あらゆる観点で論じる。
「原石である、地上大陸ランガスモーのものより劣る虹の鉱石を如何に扱うのか、考えていたのだが、食肉用や植物の繁殖には役立つ。しかしこの新天地を浮かすための動力源には到底及ばなかった」
「ですから、各国で埋め着けていた虹の鉱石を採掘し、研究所で分解・培養する技術なら生命学理論に付与させ量産可能だろうと思うのです」
「デミューラ・マキシマスが詳しいのでは?」
「あのエイドカントリーズの鉱山博士に、か」
「確かに詳しいだろう。だが、国境の境を乱す訳には――」
「うむ。エイドカントリーズは今、新たな計画によって情報流用を恐れている。全く以って理に適わない計画なのに、我々に譲渡するとなると目の色を変えるんだ」
「ランガスモーから幾つか採掘出来るが、虹の鉱石のエネルギーが暴走し、滅んでいる為だとされている。もし、同じ事がパヘクワードで起きれば、採掘しても同じ事になるかも知れない」
「では、結論として情報共有に留めておこう。技術の譲渡は出来ないし、流用は不可能だとすれば、各国に確認を取るマジェス王に一任するしかないだろう」
時の歯車は回る。
生命の流れとして当然のごとく。
この短い間にも、多くの競技が成されようとしている。




